魔法少女Twin☆kle
 メーカー名:feng
 発売日:2005/03/04
 メーカーホームページ:
http://www.feng.jp/         評価:C(50点)
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 可愛らしい格好をした魔法少女とHする,という設定に惹かれて購入しました。


【システム】B−
 総じて悪くはないと思います。少なくとも,体験版で感じたような動作の重さなどはなかったです。ディスクレスプレーが可能だったり,音声再生機能付きバックログや各種調整機能等が付いていたりと,AVGとして求められるシステムはおおむね搭載していたように思いますね。

 ただ,一部に立ち絵の齟齬がある(話者が弥生なのに立ち絵は昴だった等)は気になりました。やはりこういうバグは興ざめに感じます。また,バックログを表示させるとき,メッセージウインドウが消去されないために文字が重なって表示されてしまうのも見にくくて△でしょう。そしてなにより,「テキストの一行あたり文字数>メッセージ枠の一行表示可能文字数」であるために,無意味な改行や文字の区切れが多くなり,それ故テキストがかなり読みづらくなってしまったのは大問題。たとえば,

         「星野先輩も白神先輩も,ボクのことはちゃんと好
         きっ
         ていってくれてるんだから。
          なーんにもモンダイなし!」

こんな感じです(html上でどこまで正確に表現できるかわかりませんが,一応現物に忠実になるようスペースや改行の様子をあわせてあります)。この点は非常に気になりましたので付言しておきたいと思います。

 全体的に,機能面では問題ないものの,レイアウトや使い勝手の面などで調整が足りないかな,というように感じました。


【絵・エロ】絵:B−,エロ:B
 担当は「桐島サトシ」氏他。個人的には魔法少女のデザインが可愛い&エロくて気に入っています(特に昴のデザインは良いですねえ)。エロ絵,とりわけ変身後の格好でのH絵は着衣H的にも良いんじゃないかと思いますね(てか,これが目当てだったので,こいつがダメだったらぶちぎれていたところです)。ただ,着衣H全般としては△なところも多いです。普段着・制服Hでの靴下の描写に一貫性が無い点(前のシーンでは脱げていたのに次のシーンではまた履いていた,みたいなことが多々ある)などは個人的にはマイナス。また,せっかくの魔法少女ものなのに,魔法少女のコスでのHが少なめなのは噴飯もの。数がゼロではないのでそこまでは怒りませんが,制作者は何を考えているのか小一時間問いつめたい気分ではあります。あと,全体的に絵の表情が硬いのはかなり気になりますね。特に立ち絵は能面のようで,昴などは不気味ですらあるように感じました。目の描き方も少し気味が悪いですし,もう少し「自然な表情」がでるように努力して頂けると良かったんじゃないかなあ,と思います。


【音声・音楽】音声:B,音楽:B−
 音声に関しては演技力の面では問題なかったと思います。ただ,キャラ絵の雰囲気に比べて若干声が高いような気が個人的にはしました。なので,少し合わないかなあ,なんて思ったり。まあ,ここら辺は人によって感じ方は異なるんじゃないでしょうか。他方,音楽は並レベル。主題歌を2曲用意したり等と頑張っている感はあるんですが,OPが個人的に好みでないこともあり,あまり印象には残りませんでした。悪くはないとは思うのですが。


【シナリオ】D−
 担当は「玉沢円」氏。結論は「最悪」。はっきり言って面白くありませんでした。

 まず,テキストの面では誤字脱字がきわめて多く,かなり興ざめします。さらに,テキスト自体も固すぎ&不自然で,読んでいて面白くありません。無理に洒脱な表現や小難しい言い回しを使おうとして,却って意味不明で不自然きわまりないテキストになってしまっているというのが本当のところでしょう。

 また,シナリオ面でも首を傾げたくなる点は多いと思います。登場人物の行動原理・動機,ヒロインの事が好きになるまでのプロセス,主人公等のおかれている立場,これらがちゃんと描き切れておらず,それ故に話全体を通じて何を描きたいのかがちっともプレイヤーに伝わってこないシナリオになってしまっています。作中では勝手に登場人物達が盛り上がっているのですが,あまりの急展開っぷりにプレイヤーが付いていけず(「なんでこいつら盛り上がっているんだ?」とポカーンとすることが多かった),結果,プレイヤーが話の蚊帳の外におかれてしまうことが多々ありました。はっきり言って酷い出来だと思います。必死にギャグを入れたりシリアスな場面を設けたりしていますが,肝心の「話の本筋」がいっこうに見えてこないので,結局無駄になってしまっていると言わざるを得ません。また,各種設定や本作の狙い等もマニュアルやOHPを事前に読んで補完しないと,作品をプレーしただけではよくわからず,しかもかといって,それらで補完したところで大して話に深みが増す分けでもない点,どうしようもないと思いました。

 特に気になったのは,「主人公の立ち位置の激しい揺れ動き・一貫性の無さ」です。主人公のおかれている立ち位置が明確に定まらないために,プレイヤーが作中の主人公に意味もなく振り回されてしまう(つまり,主人公の心理・行動・思考がコロコロ変わってしまうために,結局主人公が何をしたいのか(魔法少女を助けたいのか etc.)がわからなくなり,プレイヤーに何を目指して主人公を操作すべきなのかが明らかにならない)点は大問題。本作ほど主体性のない(何をしたいのかがわからない)シナリオっていうのも珍しい気がします。突然ヒロインをレイプしだした時にはもう何がなんだか,と半ばあきれていました。

 他にも,絵などが一切変わることなく時が経過したりするため,場面転換がわかりにくい等の問題が多々ありましたが,やはり何よりも「話に一貫性がなくて何をやりたいのかがわからない」点や「心理描写やキャラ立てが表層上滑りで,キャラに対してなんの愛着・共感も感じない」点,もっとはっきり言ってしまえば,「読んでいてともかく面白くない」点が最大の問題なんじゃないかなあ,と思いました。


【結論】C
 「ともかく話がつまらない。エロもストーリーも今ひとつなので評価に困る点がある。魔法少女のデザインはいいだけに,かなり勿体ない作品」。何をやりたかったんだかよくわからない作品でした。はっきり言って話は面白くありません。かといってエロが突き抜けているわけでもない。下手に設定・お話を詰め込もうとしてこんな風にしくじるくらいなら,魔法少女のコスチュームを着た昴・弥生をただひたすらに嬲りまくる「エロ」onlyゲーにした方が数十倍も良かったんじゃないか,というのが私感です。なんだかなあ,と思ってしました。正直,本作はお薦め致しかねます。



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