ALMA〜ずっとそばに…〜
 メーカー名:BONBEE!
 発売日:2003/05/02
 メーカーホームページ:
http://bonbee.product.co.jp/       評価:B+(75点)
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 的良みらんは結構好きな漫画家さん(「PALLADIUM GARDEN」とか,好きだったなあ)なので,前から注目してました。あと,最近オーソドックスな学園ものってあんまりやってなかったので,原点回帰の意味も込めて購入。果たして出来の方は……?

【システム】A
 システムはいつものVisual Arts謹製で,文句有りません。常時安定・機能充実・動作軽快と,いうことなし。最近システム地雷が多いので,ここみたいにいつもシステムがシッカリしているところは,もうそれだけで安心できます。◎。

【音楽・音声】音楽・音声ともにB
 音楽は強く印象に残る曲こそないものの,作品の雰囲気に良くあったものが中心で,BGMとしては良かったと思います。特に盛り上げる場面ではしっかりと盛り上げていたところは良かったです。
 一方,音声ですけど,演技自体は問題ないと思います(若干演技力に疑問を感じた方もいましたが)。ただ,発音指導が悪いのか,それともメーカーさんが関西だからかはわかりませんが,一部単語で発音,特にアクセントの付け方のおかしい(少なくとも共通語(東京弁)じゃない)ところが散見されました。いつもはあまり気にならないんですけど,今回に関しては妙に気になったので敢えて言及しておきます。

【絵】A−
 担当は漫画家の「的良みらん」氏。ちょっとロリっぽいんだけどでも色っぽい,そんな感じの絵を描く方で,個人的に好きな漫画家さんの一人です。今回もご多分に漏れず魅力的な絵で,満足しました。ただ,1枚絵に関しては,ものによって塗り方がまちまち(淡く塗ったりアニメチックに塗ったりと,塗りに統一感がない)だったので,少し違和感を感じてしまいました。文句があると言ったらそれくらいかな。

【エロ】D+
 エロは薄いです(キッパリ)。そりゃあもう,潔いくらいに。主人公早漏だし。一昔前のエロ薄純愛系な感じで,最近流行の萌えエロ系では無いです。ただ,Hに不慣れな主人公がラブラブエティでヒロインから処女を貰う,というシーンに関しては丁寧に描写してあるので,処女スキーの方にはイイかも知れません。個人的には梗とのHで抜かして貰ったのでまあOKですね。これで梗たんに靴下orブーツを履かせてでの制服Hがあったら文句なしだったんですけどね。まあそこら辺はキャラデザに反するんでしょうけども。

【演出】
 今回は演出に関して言及すべきところが何点か有ったので,ここで。まず良かった点としては,立ち絵の陰影をしっかりと取っていたこと。昼・夕方・夜の違いや日の当たる角度などに応じて,立ち絵の顔面などへの日の当たり方・影の付き方が変えてあった点は感心しました(例えば,月光の下での場面ではそうとわかるような塗り・光らせ方・影の付け方をしていた)。あと,声の遠近もしっかりと演出していた(ex. 隣の部屋から声をかけられたときは声をぼかす&音量を下げる)点も良かったです。
 ただ,殴るときの効果音はあるのに蹴るときの効果音が無かったのはちょっと不自然でした。また,やはりバイクの音は欲しかったですね(「ブルルルン」みたいに書かれてもちょっと……ねえ)。あと,背景不足は残念。食事しているシーンと調理しているシーンの背景が変わらな(ともに台所)かったりして,場面の転換がわかりにくいところなどが有りました。違和感あり。

【シナリオ】B+
 担当は「魁」氏。シナリオ自体は悪くない,というか結構出来が良いです。日常会話も面白いし,話自体もちゃんと緩急取り混ぜてテンポ良く展開している。後半部の展開はやや強引な気がなきにしもあらずですけど,でも読んでいてホロリとくるような,そんな出来だったと思います。純愛系・学園もののシナリオとしては模範的な出来ではないかと思いますね。
 ただ,難点なのが,前半部と後半部の接続が不自然なこと。後半部に大きく話が展開する(ネタバレ故詳細は省略)んですけど,後半部の入り方が急すぎて,マターリと学園ラブストーリーが展開される前半部との接続に違和感がありありなんですよね。「なんで今までマターリと学園ものの話だったのに,突然こんな話になってるんだ!?」みたいな。因みに,この不自然さの最大の原因は,前半部に伏線を殆ど張らずに後半部に持ち込んでしまっていることだと思います。殆ど予告も無しに後半部になってしまうので「いきなりそんな話をされても……」とプレーヤーに思わせてしまうこと,これは失敗ではないかと思いますね。
 それと,梗ルートに入ると香苗の扱いがおざなりになるのも残念。香苗はあれだけ主人公と親密にしていただけに,梗が恋人になってからの香苗の態度の変化とか,主人公を巡っての梗と香苗のやりとりとかもあると,もっと話に深みが出て良かったような気がします。
 もっと全体の構成に留意していれば満足のいくシナリオだったのですが,残念。話自体の筋は良いだけに凄く惜しいです。

【結論】B+
 「昔ながらの丁寧なエロ薄純愛系,処女スキー向け」。昔の純愛系ゲームを地でいっているような作品。シナリオ・絵・システム・音声・音楽がバランス良く組み合わさった良作で,派手さ・奇抜さはないですけど丁寧にゲームが作られており,過度な期待をしなければ,純愛系ゲームを好まれる方には満足のいく作品になっているのではないかと思います。
 一方,エロは薄目ながら処女とのHが中心で,その手のHが好きな方にはいいと思います。ただ,実用性重視の方には薦めかねますが。
 あとは,細かなところでの演出(音声の演技指導や各種効果音など)やシナリオ全体の構成などをもっとつめていれば,A評価も取れた作品ではないかと思いますね。総じて,出来は良いんだけど,ちょっとツメの甘い作品と感じました。まあ個人的には楽しませて貰ったんですけどね。

 因みに,結論は梗たん(*´Д`)ハァハァということで(w 好きなんですよ,ああいう素直じゃないキャラ。


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