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 青い涙
 メーカー名:CDPA
 発売日:2003/05/30
 メーカーホームページ:
http://www.cd-bros.co.jp/CDPA/   評価:B+(75点)
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 お姉さんキャラを前面に出してきて(個人的に)インパクト抜群だった作品。発売が近づくにつれ,韓国のクリエイターが作っていることがわかったりして何かと話題だった本作ですが,果たしてその出来は如何に。

 なお,私の攻略メモはこちらにあります。参考までに。

【ゲームシステム・内容】
 純然たるAVGです。選択肢がほとんど無いので攻略は容易かと思います。また,2週目以降では選択肢のない回想篇・回帰篇(共通ルート)などについてはスキップ可能なので,繰り返しプレーするに際し過度の負担がかかりません。ここら辺の親切設計は個人的には◎でした。


【システム】A−
 システムは充実の一言。動作も軽くかつ安定しているので,かなり快適にプレーできます。ここら辺は他メーカーにも見習って頂きたいところですね。ただ,キーボードやマウスの機能割り付けが独特(例えば,同じ右クリックでもクリックする場所によって画面クリアになったりコマンド呼び出しになったりする,など)なので,最初は戸惑うかも。あと,メッセージスキップに未読・既読の判別がつかない点が唯一の不満ですね。


【音楽・音声】音楽:A−,音声:なし
 音楽は,主題歌「Blue Twilight」を筆頭に結構出来が良いです。作品の雰囲気にも良くマッチしてますし,聴き応えもある。個人的には◎。コンプリートサントラが購入特典でついてくるメッセで刈って正解だったかな,と思いましたね。

 他方,音声はありません。そのせいで,例えば彩・ユリルートで2人が掛け合いで語りかけてくるシーンがあるのですが,どちらが話者なのか区別が付かないこともしばしば。やはり,ストーリー重視のゲームであるだけに音声は欲しかった。個人的には音声が入っていないのに何故1.4GBも容量を食うのかなあ,と疑問でした……д`;)。残念。


【絵】A−
 担当は「MILKCOW」氏。韓国の方だそうです。個人的には好みな絵柄で,とても良かったと思います。特に恵や彩,シエやマナなどはたまりません(*´Д`)ハァハァ。また,脇役キャラも含め,立ち絵のバリエーションが充実していた点も高評価。近年の作品の多くが立ち絵不足で貧相な印象を良く受けていただけに,今回喜怒哀楽をしっかりと立ち絵上で表現していたことは感心しました。さらに,OPムービーのアニメなどもかなり頑張っている印象を受けましたね。

 ただ,絵柄が安定していなかったことはマイナス。絵のカットによっては別人に見えてしまうこともしばしば。出来の良い一枚絵は本当に秀逸なだけに,絵柄のブレは勿体ない。あと,立ち絵で,驚いた時の目の描写がキモイキャラがいたのも気になりました。流石にあの目はないだろうよ……。


【エロ】D−
 薄いです(キッパリ)。殆どのキャラが全裸Hですし,マナなどは本番シーンで1枚絵が走馬燈のように次々と表示されるだけ。晴子に至っては寸止めだし(;´д⊂)。ここら辺,エロゲーとしては流石にどうかと思いました。彩とかは愛撫段階では良い感じに着崩しているのに,結局挿入時には全裸だしね。あれでソックスだけでも穿かせたままだったらC評価までアップしていたんですけどねえ。あと,現代編で折角良い感じの制服を着せているのに,その状態でのHがないのも不満。また,精液が水にしか見えないのもどうかと。

 それと,一言良いですか?


    なんで恵(=妹)とのHがないんじゃ!!!!!


 私は別に妹属性はありませんけど,今回の恵のデザインが思いっきりツボなだけに,非常に残念。あんなに良い感じなデザインにしておいてHが無いなんて……。・゚・(ノД`)・゚・。ウツダシノウ

 総じて,エロに関しては非常に不満です。一度彩で抜かせて貰ったのでD−にしましたけど,最初はマジでE評価をつけるつもりでした。「もう一度エロについては勉強し直せ!」,というのが率直なところですね。


【シナリオ】B
 担当は「MOONZERO」氏。こちらも韓国の方だそうです。今作はストーリー重視の作品だけに,このレビューにおいてもこの項目を中心に評価したいと思います。

 まず,シナリオ全体の構成について説明しますと,本作は大まかに分けて夢幻篇・回想篇・現代篇の3部構成。うち,一般に雑誌等で中心的に取り上げられているのが夢幻篇で,上でも述べたようにここにおける選択で現代篇において各キャラのルートに分岐します。次に回想篇で主人公の背負った業と呪いについてが語られ,それに続く現代篇では主人公と恵ほか家族とのやりとりを軸に,場合によっては回想篇や夢幻篇に飛びつつ多様な展開を見せます。で,その評価ですけど,個人的にはとても良くできていたのではないかと思います。3部が相互に連関している点,夢幻篇の不可解さや回想篇の唐突さが上手い具合に現代篇への興味を沸き立てている点は評価したい。

 次に,各部のシナリオの出来についてですが,夢幻篇と回想篇の出来はとても良いと思います。特に夢幻篇。マターリと独自のテンポで話が進みながらも,夢幻の世界のおかしさ,歪さが次第と認識され,最後にはそれが壊れてしまう点が良く出ていたと思います。また,回想篇も独特な世界観を盛り込みつつ,上手い具合に母子とそこに割り込む女の関係が描かれていたと思いますね。両者とも先が読めない展開で,プレーしていて引き込まれます。けれども,問題は現代篇。これはちょっと頂けなかった。というのも,

 (1)異様に道徳クサく,しかもそれが日本人の感覚と微妙に乖離している。例えば,「愛」と「情」を区別し,「愛」(女に惚れるといった類)は一時的で悪いものであり,「情」(家族の情,絆の類)こそが至高の存在であるとか,女はこうであり男はこうであるものだといったような(若干旧時代的な)固定観念が跋扈しているとか,高学年の先輩を敬えと言ったら主人公が「そんなのは権力の押しつけによる不正だ。正義に反する行いだ」みたいなことを言って反発する(あたかも軍隊の規律に反発する「正義感ある」新兵みたいな)とか等々。恐らく多くの方がプレーしてみると「??」と違和感を感じられるのではないかと思います。この感覚のズレや道徳臭さで,現代編に入ってから首を傾げることがしばしばありました。

 (2)テキストが不自然。韓国語を日本語に翻訳したせいでしょうが,かなり違和感を感じました。まあ,これより酷い日本語を書く日本のメーカーも掃いて捨てるほどあるんですけどね(苦w。

 (3)比喩やユーモアが日本と微妙に違う。会話中に出てくる比喩とか”ウケ”の部分もそうですし,あとは例えば物事にどっぷりはまった奴のこと(日本だと「○○狂」)を「○○鬼」と言うなど,日本語と表現が違うものなどがあったりした点なども挙げられます。やはり少し違和感がありました。

 (4)背景とか設定が現代日本とずれている。家が石造りだったり,魚と納豆とご飯が夕飯で代わりにチーズフォンドュが朝飯だったり,弁当の価格が異様に安かったり,妹の部屋にシャワールームがあったり,回転寿司屋の構造がおかしかったり,電車が汽笛を鳴らしたり等々。現代日本に舞台を設定する以上,もう少しリアリティを追求して欲しかったです。

 以上のような点が現代篇でより顕著(やはり身近なところの話だと粗が見つかりやすいですね)で,かなり萎えるからです。折角構成自体は良いのに,現代篇のリアリティの無さや道徳臭さ・説教臭さで台無しにしている感が強いのが残念(あとはまあ,現代篇がどのルートもぐちゃぐちゃしすぎていて,ワケワカランなことが多かったのも大きいですが,これについては私の読解力の無さのせいかも知れないので)。

 そのほかにも,現代編での主人公の言動がかなりDQNで,相手の気持ちを一切考えたりせずに好き勝手やって相手を困らせるだけの坊ちゃんなので,プレーしていて苛つくこともしばしばあったことは付言しておきます。

 ただ,現代篇の中でも晴子ルートは結構綺麗にまとまっていたのではないかと思います。「愛」と「情」にあまり拘泥しないところが良かったのかも知れません。また,マナ篇やシエ篇みたいに回想篇や夢幻篇にウェートが置かれる話の出来は悪くなかったです。ちょっと展開が強引だったりはしましたけど,読めるシナリオだったと思います。でも,どのルートでも相変わらず主人公はDQNかつマザコンで,全然感情移入できないのが難点なんですけどね。


【結論】B+
 「光るところがあるゲームだが,やはり言語の壁は厚いと実感した作品。あとエロ薄・音声無しは大減点」。ゲームとしては絶妙のバランスでまとまっており,システムなどもユーザーのことを考えた親切設計で良いと思います。話の構成自体もよくまとめられており,ストーリー重視のゲームとして恥じぬ出来だと思います。それだけに,音声がないことやシナリオの道徳臭さ・説教臭さ,そしてエロ薄は残念。日本市場で今後も作品を供給するというのであれば,今度はもっと日本向きの作品は何なのか,そこら辺を考えて欲しいなあと個人的には思いました。でも,話としては面白かったので満足しましたけどね。今後もこのメーカーには注目したいと思います。


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