[el](エル)
 メーカー名:エルフ
 発売日:
2000/09/29
 メーカーホームページ:http://www.elf-game.co.jp/       評価:A(90点)
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 1992年(確か)にelfから出た「ELLE」のリメイク版です。当方旧作は未プレーでしたが,雑誌に出ていたCGの艶っぽさ・大人っぽさと設定の良さに惹かれて購入を決意しました。

【システム】B+
 必要と思われる機能は概ね完備されており,動作も軽快です。ただ,フルスクリーンモードでしかプレーできないことや,長いOPを強制的に見させられることはややマイナスかもしれません。

【絵】A+
 原画は大人っぽい絵でとても綺麗です。彩色等も文句なし。流石と思わせるような仕上がりになっています。死体のシーンなど,「良くあそこまで描けるなぁ」と思わせるような出来です(ちょっと複雑ですが(苦w))。また,時折登場する3Dもレベルが高く,かつ作品にマッチしたものとなっています。

【音声・音楽】音声:A+,音楽:A−
 音声は男性を含めフルボイスです。声優陣の演技レベルはかなり高い。個人的にはエル役の声優さんやラインハルト役の声優さんがツボでした。
 音楽はずば抜けて凄い,というものでは有りませんが,そつなくできていると思います。むしろ,後述するような演出とのマッチングがポイント高し。

【演出】
 演出は素晴らしい出来です。絵・音楽・音響・音声・テキスト。この全てが組み合わさって初めて完璧な演出が生まれると実感させてくれる,そんな出来になっています。特に,演出における沈黙(わざと音楽を流さない)の重要性を知らしめる作品はこの作品を除いては殆ど無いと思いますね。
 あと,制作者の遊びとしてザッピングアニメーションが至る所に設置されています。結構笑えるものとかが多いです。ただまあ,個人的にはどうでも良かったりしますが(苦w)。

【シナリオ】A−
 シナリオ。恐らくこれが一番評価が分かれる所だと思います。はっきり言って最近の潮流ではないですし,この10年間で似たようなストーリーの作品がエロゲーム・コンシューマゲーム,またゲーム・小説を問わず多く流布してしまったために,今になってみると「古くさいなあ」「ああ,そうきたか」と思ってしまうかもしれません。また,あのエンディングにしてもある意味後味の悪さがあるので,賛否両論かと思います。
 しかし,最初から最後まで破綻することなく,緻密に組み立てられており,さらに演出の巧さと相まって「ど,どうなるんだ…?」とプレイヤーを引き込み,そして考えさせる,そんな吸引力をもったシナリオだと個人的には思いました。

【エロ】C
 残念ながらエロは薄目。折角の強姦シーン(クリス)も,かつての蛭田節でお笑いに変えてしまっている面があります。また,エルの制服デザインがあんなに良いのに,全裸Hにしてしまっている点も残念。半脱ぎ制服H(ブーツ着用)だったら個人的にはSを出したのに(w 取り敢えず,絵と声優の演技が良いだけに,シチュなどで損をしているとは言えると思いますね。

【結論】A
 「演出の巧みさが光るSFアドベンチャーゲーム良作」。まさにリメイクとはかくあるべき,というリメイクのお手本のような作品です。個人的には良くこれだけのものがCD1枚に収まったなぁと驚きを隠せません。最近のelf作品,そしてエロゲー全体の中では地味な作品ですが,個人的にはelf作品の中で1番好きな作品です(完成度的には「勝」の方が高いので,評価的にはあちらの方が高いですが)。この作品に関しては賛否両論有るでしょうし,CGもロリスキーの方には厳しいでしょうが,一度はプレーしてみることを強く薦めます。


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