ぎゃくたま
 メーカー名:DISCOVERY
 発売日:
2002/08/30
 メーカーホームページ:http://www.discovery-team.jp/       評価:A−(80点)
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 逆玉の輿という発想が面白かったのと,着衣Hが期待できそうだったのとで購入しました。

【システム】C−
 システムの機能自体は可もなく不可もなく。手堅く揃っていて,動作も軽快。ただ,やっぱフルスクリーン固定というのはやりにくかったです。ウィンドウモードでも起動できるとよかったなあ。あと,機能の割付がかなり独特なので,ちょっと操作しにくかったですね。

【音楽・音声】音楽・音声ともにC
 音楽・音声ともに可もなく不可もなくといったところ。特筆すべき所はあまりないです。有るとすれば,主題歌がかなりヘタレに感じたことと,音声が高笑いやHの場面等でやや演技不足に感じられたことくらいかな。

【絵】C
 担当は「サクライユウイチ」氏。この人の絵はデザインは悪くないと思うし,1枚絵や立ち絵でもかなり出来の良いものもあります。個人的にも好みの絵を描く原画家さんです……が,絵の出来にブレが有りすぎです。「ちょっといくらなんでも……」と思うくらいに絵の乱れているものが散見されたので,個人的にはこの評価しかだせません。ホントにいい絵もあるんだけどなあ。勿体ない。

【シナリオ】A−
 担当は「古月拓海」氏。かなり出来の良いシナリオになっています。主人公の貧乏くささやヒロインたち(=お金持ち)と主人公(=貧乏人)とのギャップ,お嬢様方のズレ具合まで,かなり上手く描いているのではないかと思います。読んでいて笑えるところが多数有り,しかもその上で話も(淡泊ながら)手堅くまとめており,ライターのセンスの良さを感じさせるような,そんな出来だったと思います。
 ただ,日常パートのレパートリーの無さ,あれだけはどうにかならなかったのかなあ。折角話が良くても,同じ会話を6回とか9回も聞かされたら流石にウンザリしてしまいます。ひたすらに場所を選ばせ,その上で同じ三択を何度も選ばせるゲームシステムと相俟って,プレーヤーに作業感を与えること必定。折角の出来の良いシナリオが,ゲームシステムと日常パートの悪さで台無しになってしまっていると思いました。

【エロ】A−
 純愛系Hが中心で1回1回のH自体は薄目ですけど,複数回Hがあり,さらに着衣Hが中心なので個人的には満足しました。特に流風などのHでは制服の着崩し方や着衣H時の構図等が大変良く,かなり抜かせて貰いました。着衣Hスキーの方なら結構満足できる出来ではないかと思いますね。

【結論】A−
 「センスの良いギャグ系エロゲー」。なにかのパクリで笑わすといったような低級な笑いではなく,シナリオの出来の良さから自ずと笑いをかき立てる,そんな作品。上手い具合に貧乏人と金持ちとのギャップを描いており,そのピンぼけ具合が笑わせてくれます。スケールのデカイ話とかではないですけど,手堅くまとまったシナリオになっていると思います。さらに,純愛系・ギャグ系にも関わらず,しっかりとHを充実させている点も高く評価。あとは,絵の安定を図ることとシステムの充実,この2つさえ達成できればもっと高く評価されてしかるべき作品になるのではないでしょうか。個人的には面白かったです。満足。この原画家&ライターのペアには今後も注目することにします。


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