アイコン
 メーカー名:ベリーベル
 発売日:2003/06/06
 メーカーホームページ:
http://www.sakurafactory.co.jp/bellybell/   評価:B(70点)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 複数の国を股にかけて,といった感じのスケールのデカイ話が好きなので購入してみました。シナリオに期待しての購入だったのですが,果たしてその出来や如何に。

【ゲームシステム・内容】
 基本はオーソドックスなAVGですが,一部カードバトル形式の戦闘シーンがあります。出したカードのポイントを合計し,相手側のポイントの合計との差がダメージになるという方式。AVG一辺倒ではなくて,何とかしてプレイヤーを楽しませようと工夫しているその姿勢は評価したい。カードのイラストも凝ってるし,頑張って考えてみた,という感じが良く伝わってきました。ただ……,ぶっちゃけあんまり面白くない。コンボとかがいろいろと設定されているようですが,普通に攻撃力のデカいカードとか,他のカードと併用すると格段に強くなるカード(ex.「フロスティ」カード)とかを出し続けていれば勝てるので,あまり頭を使う機会がありませんでした……д`;)。一部(マモン戦とか)は厳しかったですけど,それも何回かプレーしていれば勝てますし。どうせカードバトルをつけるなら,それが売りになるくらいに作り込んで欲しかったなあと思いました。

【システム】C+
 必要最低限の機能は完備されています。動作も軽快ですし,プレーしていてイライラすることはありません。ただ,バックログ機能がないのと戦闘突入時に処理速度が遅くなるのはややマイナス。特に前者はシナリオ重視系には必須と思われる機能だけに残念。

【音楽・音声】音楽:A−,音声:D
 音楽はかなり格好いいです。特に主題歌「Ever Spiral」は珠玉の出来かと思います。それだけに,主題歌入りのサントラCDは同梱して欲しかった。ってか,ゲーム中のおまけモードですら主題歌のfull ver.が入っていないのは何故?(;´д⊂)。そもそもfull ver.自体が存在しないのか,はたまたサントラにでもして売り出すつもりなのかよくわかりませんが,マニュアルにfull ver.の歌詞を載せているのに曲が入っていないのはあんまりだ,と個人的には思いました。 
 他方音声は個人差があるものの,全体的に見てレベルは低め。昔だったらこの程度でも十分だったとは思いますが,近年エロゲでの音声のレベルが急激に上がっているものですから,この音声だとこの程度の評価しか出せないのではないかと思います。

【絵】B+
 担当は「田島直」氏。氏の作品はかなり久しぶりにプレイ。思い起こせば「Desire」「EVE burst error」の頃からお世話になっているわけで,懐かしいなと思いながら一人プレイしていました。絵自体にエロさ・色っぽさは無いですが,氏独特の可愛らしい絵柄が楽しめていいのではないかと思います。昔よりも絵が丸っぽくなったかな?(個人的には昔の絵柄の方が好きだったんですけど,今作の絵も悪くないと思います)
 ただ,一部どう見ても別人が描いたとしか思えないキャラがいました(筆致や顔の描写とかが全然違う)。EDのクレジットにはスタッフ名が出ていなかったので詳細はわかりかねますが,多分氏以外の方も担当されていると思います。絵柄の統一という点ではややマイナスですね。

【エロ】B+
 エロに関してはかなり充実していました。全裸Hが多いところがやや難ではありますが,各種シチュ・属性を網羅している点は◎かと。シグルドルートはエロ薄な展開が多いものの(いきなり妻のエルナに挿入し終えたシーンからHが始まったりするetc.),アルベリヒルートでは陵辱Hが中心でかなり抜けると思います。特にギンナル(禿・雑魚・性欲の権化なオヤジ)のおかげでかなりエロが濃くなっている点は良いです。総じて実用性は高いですね。ただ,メインヒロイン級のフロスティにHが無いのはどうかとは思いましたが。
 特記事項としては,(1)寝取られ・寝取りが多い,(2)マアッシュ(女海賊)やラシル(女将軍)など“強い女”が自分より遥かに弱いギンナルに犯されてよがらされる描写が多い,(3)男×男(オカマ?)のシーンがある,以上3点が挙げられると思います。うち1点目はあまりに露骨すぎて個人的には余り抜けなかったのですが,2点目は激しく(;´Д`)ハァハァでした。ギンナルの存在が良い意味でエロを濃くしています。やっぱ「強い女が弱い男に犯されて屈服させられる」というのは激しく抜けますね。メーカーとしては(1)を売りにしたかったみたいですが,個人的には(1)ではなく(2)で満足しました。なお,(3)についてはノーコメントで д`;)。

 (;´Д`).。oO(でもまさか,この(3)のシーンで1回抜いちゃったとは言えないよなあ………汗)

【シナリオ】C
 で,肝心のシナリオですが,基本的な設定は悪くないと思います。それぞれの国にちゃんとした設定を与えたうえで,多国間の戦争を描こうとしている点は良いのではないかと思いますね。
 ただ,展開が早すぎる。例えば他国との戦争については,戦地に行った→敵を倒した→捕虜をつかまえた,の繰り返しのみ。その途中経過ややりとりが省かれているため,カードバトルを行うために場所を変えているようにしか思えない点が×。さらに,ローランシアなどゲーム終盤に攻略する国については,殆どなんの説明もないまま戦闘も無しに占領してしまうことになるので,いつのまにかその国の女が捕虜になっていて「誰だ,お前?」と思うこともしばしば。また,国内での内紛や人間関係等についても,あまりに場面がコロコロと変わるので十分に描き切れておらず,全然印象に残らない点,マイナスですね。
 もう少し展開にゆとりを持たせた上で話に緩急を持たせれば,もっと面白いシナリオになったと思います。ここら辺はもう少し工夫して頂きたかったです。勿体ない。
 あと,シグルドが妙に情けないのも気になりました。街娘に泣きついたり,ちょっとしたことですぐに激高したりと,「お前ホントに英雄なのか?」とツッコミを入れたくなる時がしばしばあったことも付言しておきます(アルベリヒルートでは完璧に狂言回しだしね)。

【結論】B
 「随所に工夫が見られる意欲作だが,いまいち作り込みの足りない作品」。エロとストーリーを両立させようとしたり,カードバトルのようにプレイヤーを楽しませようと工夫している点は好感が持てますし,ある程度その目論見が達成できているようにも感じられました。ただ反面,個々の要素(特にカードゲームパートやシナリオパートそれ自体)の作り込みが足りないのが残念。個々の要素の作り込みが足りないので,結果,折角工夫を凝らしても全体としてはいまいち光るところがないように感じてしまいました。着想は良いだけに,今後は個別の要素を更にブラッシュアップしていけばもっと良い作品になるのではないかと思いました。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

レビューデータベースに戻る