家族計画〜絆箱〜
 メーカー名:D.O.
 発売日:2002/12/27
 メーカーホームページ:
http://www.do-game.co.jp/       評価:A(90点)
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 旧作「家族計画」はネット上でも話題になっていて,「D.O.のゲームはいつもシナリオが秀逸だし,一度はやってみたいなあ」と思っていたのですが,この度ちょうど都合良くボイス込みにリニューアルされると聞いて,これ幸いにと購入しました。……しかしでかすぎるよ,箱……(;´Д`)

【箱】
 でかすぎ。マグカップ&タオルはいらないから通常並のサイズにして欲しかったです。別に値段はそのままでもいいから。

【システム】B
 過不足無く整っています。ただ、バックログが見にくい&音声再生不可なのはややマイナス。特にテキストが魅力的な作品だけに、バックログでの音声再生機能は欲しかった。

【絵】C
 絵自体は綺麗で魅力的だと思います。けれども、一部の一枚絵で構図の崩れが散見されたこと、立ち絵が全体的に汚い(デッサン・塗りともに)ことは気になりました。

【エロ】D
 はっきり言って薄いです。回数も少なめ。更に、淡い色中心の独特の塗りが一層エロさを殺いでいる面があります。通常のイベント絵としては良いのですが。あと、個人的には学生時代の準のHが良かったと思うのですが、如何せん短いのがなんとも……。一方、テキストは健闘。抜きを誘うような台詞が結構有ります(青葉の「妊娠〜」とか)。

【音声・音楽】音声:A+,音楽:A
 音楽・音声ともかなりレベルが高いです。特に(いうまでもないですが)音声。青葉や寛を筆頭に、近年のエロゲーで最高レベルと言って差し支えないほどの演技です。どっかで聞いたことのあるような(w声優さんが多いので、安心して聞けます。それと、脇役の男性陣まで声が付いている点もポイント高。ただ、やや女性年少組の演技がくどすぎる気も(私に炉属性が無いせいかもしれませんが)。
 個人的には、やはり青葉(@北都南)の演技が凄かったと思います。特に後半において狂ったように笑うシーンがあるのですが、あまりの迫真の演技で怖かったです。
 一方音楽は、BGMは普通ですが、主題歌の方は2曲ともかなり良いのではないかと思いました。

【シナリオ】A+
 擬似家族としての結集−「家族計画」−とその崩壊、そして新たな「家族」の構築がシナリオのメインストリーム。終始一貫して「家族」を巡り話が展開していきます。近年、きちんとした骨のない場当たり的なシナリオが多い中、このゲームは緻密な構成の下、「家族」という命題を徹底して追究している点を高く評価。絵だけ見ると想像できないような内容の深いシナリオで、近年まれに見る秀逸な出来であったと思います。また、コミカルな場面とシリアスな場面をちりばめながら話を進めることで、緩急の区別をつけ、テンポ良く話を運んでいるので、長時間のプレーでも飽きませんでした。D.O.はシナリオに関しては他社の追随を許さないほどにライター陣が充実していると私は常々思っているのですが、今回も鬼才・山田一はやってくれた、そんな気持ちです。
 ただし、擬似家族の結集→諸問題の発生と収拾→崩壊→個別ルートという展開の内、結集から崩壊までの中盤パートが、ひたすらに問題発生→苦悩→解決の繰り返しで、やや単調な感が否めませんでした。中盤が間延びするのは大作の宿命なのかもしれませんが……。

【結論】A
 「シナリオと声優の演技が他作品を大きく凌駕している超大作」。箱がでかすぎる、プレー時間が長すぎる、立ち絵が汚い、エロが薄い、一部の一枚絵でデッサンが狂っている、などと問題は山積みですが、それを補って余りあるほどにシナリオと音声のレベルが高いです。抜き目的ではお奨めできませんが、最近のお粗末なシナリオに食傷気味なシナリオ重視の方には大いにお奨めします。個人的には、久方ぶりに涙腺の緩むシナリオ(特に準や青葉)がプレーでき、大変満足しています。
(´-`).。oO(ただ、完全版として出すならもう少し完成度を上げて欲しいとは思いましたけどね)


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