七巴の剣〜くのいち淫の章〜
 メーカー名:rouge
 発売日:2003/07/18
 メーカーホームページ:
http://www.will-japan.co.jp/rouge/   評価:C−(45点)
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 みんめい絵が好きなので購入しました。氏独特のムチムチパッツンパッツンな絵柄+女忍者の設定がたまりません(;´Д`)ハァハァ。一般に地雷の多い女忍者ものでしたが,果たして出来の方は如何に。

【ゲームシステム及び内容】
 ゲーム自体はオーソドックスなADV。二択の選択肢をひたすら選ぶというものです。選択を間違えると即ゲームオーバーになります。個人的にはこのシビアさは良いと思いました(生死をかけて戦っている感じが出ていると思ったので)。
 また,戦闘シーンになると,一部のキャラにおいて対戦モードになります。簡単に言うと,攻撃力が最大になるようにタイミングに合わせてマウスをクリックする,というもの。詳細はFlying ShineのOHPからダウンロードできる体験版をやって頂ければわかると思うのですが,はっきり言ってつまらないです。あまり良く調整をしていないのか,攻撃力を最大にしても最小にしてもあまりダメージが変わらないので,マウスを連打していればすぐに勝てます。ヘボゲーマーの私でも,何も考えないでプレーして一度も負けませんでした(CG回収のためわざと負けた時を除く)。はっきり良いってこの対戦モードはお飾りです。個人的には面倒くさくてたまりませんでした。

【システム】C−
 はっきり言って使いにくい。動作自体は軽い&終始安定なので文句はないのですが,機能配置が独特すぎるので使いにくいです。具体的に言うと,セーブ&ロードや環境設定等,全ての機能が画面上部にマウスを移動させることで呼び出せる,というもの。逆に言うと,一般にフレーム型ADV(画面下部にテキスト表示枠のあるADV)に良くあるような,テキストフレーム傍にセーブ等の機能がついていてマウスを少し動かしただけで機能を呼び出せるというものではない,ということです。画面上部にマウスを持ってきて機能を呼び出す,ということに気づかないと大変苦労する(私はトラブルが起きない限りマニュアルを読まない人間なので,最初セーブすら出来ず非常に困りました……)点はマイナスですね。
 よくよく考えてみるとFlying Shineの旧作「DoNoR」でも採用していたレイアウト(「DoNoR」の時は確か画面上面ではなく左右両面に機能呼出が配置されていたと思いますが)なんですが,画面一杯にテキストが表示されるノベル型ADVとは違い,フレーム型ADVはどうしてもテキストフレーム近辺にのみマウスカーソルを常駐させる傾向がある,という点を全く無視したレイアウトだと思います。もうすこし,各ゲームの特性にあったシステム設計にして欲しかったですね。

【音楽・音声】音楽:C−,音声:C
 音楽は,出来自体は可もなく不可もなくといったところでしたが,余りゲームの雰囲気に合った楽曲で無かった点はマイナスですね。
 他方音声も並……ですかねえ。個人的には余り上手いとは思いませんでした(下手とも思わなかったんですけどね)。

【絵】A
 担当は「みんめい」氏。個人的に好きな原画家さんで,私もご多分に漏れず氏の絵を目当てで購入しました。がたいのガッシリとした,ムチムチのお姉さん絵が好きな人には◎な原画家さんだと思いますね。着衣のデザインも良い感じで○。氏の絵は側面絵で若干顔のデッサンが崩れるという欠点がありますが,それを考え合わせても素晴らしい出来かと思いますね。絵には大満足でした。

【エロ】C
 最初にお断りしておきますが,エロ自体は充実しており,普通だったらB以上の評価をつけるレベルです。でも,今作については減点せざるを得ない所が何点かありますので敢えてCとしています。ここでは主にそれら減点要素について言及したいと思います。
 (1)敵女キャラとのHが無い  普通,「一ヶ月間の旅路を通じて太郎は儀式を果たせる真の益猛男に成長できるのか?」(OHPより)と書かれていたら,倒した敵女キャラを使ってセックスの練習→益猛男に成長,という流れを考えるし,またそれをエロゲーには期待すると思うんですが,このゲームにはそれが全くない。特に今作は「弁財天水鴎」や「椿幻之丞」みたいに,いかにも最後は犯らせてくれそうな,ムチムチ&良い感じなコスチュームの魅力的な女キャラが多数いるだけに,激しく期待を裏切られて腹が立ちました。折角みんめい氏に絵を描かせていたのに,これだと全くの無駄遣いですね。何のための敵女キャラ&みんめい絵だよ……というのが私の本音です。
 (2)七巴の輪姦シーンが少ない  みんめい作品の醍醐味は濃厚な輪姦シーンにある(←超個人的見解)と思っているので,今回輪姦が少ししかなかったのは残念。
 (3)肝心なシーンで全裸になってしまう  なんの為のコスチュームかわからんだろうにヽ(`Д´)ノ ウワァァン。組み伏せられるところまではバッチリ着衣→激しく期待→でもいざ挿入という時にいきなり全裸絵が出て(´・ω・`)ショボーンというのが多く,毎回毎回肩すかしを食らってガッカリでした。
 (4)折角筆下ろしをするという設定があるのにそれが活かされていない  筆下ろしの設定がある以上,最初は七巴上位で太郎にセックスを教える→次第に太郎が慣れてきて七巴を思うように翻弄,という設定を期待していたんですが,今回はそれがない。いつの間にか(まだ童貞のままなのに)太郎がH慣れしていて,筆下ろしもなにもあったものじゃありませんでした。勿体ない。
 (5)エロCGが少ない  エロ1シーンを一枚絵×1枚で済ましてしまっていることもしばしば(差分CGすらないときもある)。もうちょっとCGの数は増やして欲しかったなあ。まあ,エロの数が多いので大変なのかも知れませんが……。

 つぎに,個人的には減点要素じゃない(むしろ加点要素であることが多い)んだけど,人によっては要注意な点について述べますと,
 (1)グロシーンが多い  目玉を貫いたり,首をかっ切って生首の絵を表示させたりするなど,ともかくグロいシーンが多いです。しかもそれがエロシーン中に出てくるのでちょっと吃驚しました。個人的には敗者の必定をちゃんと描いていて好感触だったんですけど,この類のシーンが苦手な人は注意した方が良いと思います。
 (2)人を選ぶシチュが多い  スカトロや寝取られ,怪物じみた醜男との強制セックス,魔物による陵辱→妊娠→出産など,かなり人を選ぶシチュが多いです。特に,魔物に陵辱されて妊娠し,出産するシチュ(腹ボテ→化物出産のCG有り)は個人的にはハァハァでしたが,かなりエグく&克明に描いているので苦手な人は回避が賢明かと思います。
 
 以上ですね。全体として,エロの出来は悪くないのですが,なにか方向性・求められているものをはき違えていることが多いなあ,というのが私の感想です。

【シナリオ】D
 結論から言うとつまらないです。(1)話の盛り上がりに欠ける(何がやりたいのか全くわからない),(2)十三人衆(敵幹部)の扱いがあまりにぞんざい,(3)話の展開が速すぎて(後から後からどんどん敵が出てくる)自分の置かれている状況がよくわからない,(4)後半の話のオチ(特に「七巴」の真相)があまりにもちゃちくて肩すかしを食らう,以上4点はマイナスですね。
 個人的にはRPG向けのシナリオじゃないかなあ,と思います。RPGだったらこの程度のシナリオでも十分に楽しめると思う(いろんな所を旅しているし,敵との戦闘もあるので,しっかりとダンジョンやイベントなどを配置したら十分に映えると思う)のですが,ストーリーの出来不出来が否応なく現れてしまうADVでは,話の魅力の無さがはっきりとわかってしまって×だと思いました。個人的には,対戦モードとかを見る限りでも制作者側は本当はRPGにしたかったのではないかと思うのですが,どうなんでしょうねえ。

【結論】C−
 「みんめい絵の無駄遣い」。はっきり言ってみんめい絵狙いの方以外は薦められません。エロは中途半端(特に敵女キャラとのHが無いのと,全裸Hの多さに幻滅),話はつまらない,システムは使いにくいと,みんめい絵以外に良いところがほとんど無いのが残念でした。そのくせグロシーンは多い&丹念に描いているなど,個人的には制作者側の意図(=忍者もののリアリティを追究する)とプレイヤー側のエロゲーに求めるもの(=女忍者ものというシチュを最大限に利用した,みんめい絵のエロを堪能したい)とが乖離した作品だなあという印象を受けました。

 ……はじめから話とかは期待していなかった(エロのみを期待して刈った)けど,まさかエロすらもダメだとは思わなかったなあ……。


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