パトガール メーカー名:こぱんだ 発売日:2005/08/26 メーカーホームページ:http://www.pandahouse.net/ 評価:B−(60点) ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― |
「婦警さんを陵辱する」。このコンセプトに惹かれて購入しました。 【システム】B 総じて悪くはないと思います。動作面は安定していますし,ディスクレスプレーも可能。さらに機能面でもADVにとって必要最低限のものはそろっていると言えます(バックログ,メッセージスキップ,ボリューム調整,音声リピート等)。ただ,微妙に使い勝手が悪い(メッセージ枠単位ごとにしか表示されない(一覧性に欠ける)バックログが典型か)のと,Hシーンの回想機能がない(章単位での回想機能はあるのだが,Hシーンそのもののみを抜き出して再生することはゲームの仕様上できない)のは,抜きゲーとしては問題であるように感じました。 【絵・エロ】絵・エロともにB+ 担当は「さとう」「八」両氏。絵がエロ可愛くて良い感じです。ニーソとコスチュームのバランス,Hシーンでの衣服の描写角度,ともに満足のいく出来でした。着衣H的には高得点だったと思います。ただ,(1)一枚絵で絵柄の乱れが散見された点(特に明日香ルートでの本番挿入時の一枚絵で明日香の顔が崩れていたのはゲンナリ),(2)「囚われた彼氏の前でレイプされる(寝取られ)」や「強い婦警が嬲られ服従させられる」といったこのゲームのHの肝たるシチュエーションの描写が弱い点(前者に関しては2人の無力感・絶望感の描写が希薄な点,後者に関してはすぐに助けが来てしまう点が問題だと思います),(3)コスチュームのデザインが婦警と言うよりはキャンギャルに近くて「婦警を陵辱している」感じが余り出ていない点,この3つは個人的にはマイナス。特に3点目に関しては,私の頭の中では「婦警=OL的なタイトスカートが必須」というイメージができあがっているので,もっとスカートの存在をアピールしてくれないと婦警ものとしてはねぇ……なんて正直思ってしまいました。あと,これはHと関係ありませんが,(4)背景画の大半が「D.U.O.〜song for all〜」からの流用だったのも,当該作品をプレーしたことのある人間にとってはがっかりなところでした。 【音声・音楽】音声:B,音楽:B− 音声に関しては演技力の面では問題なかったと思います。Hシーンをうまくもり立てていましたし,声質的にも各キャラによく合っていたのではないでしょうか。ただ,若干音質が悪く,声が籠もって聞こえてしまうのは残念でした。あと,音楽は並レベル。聞き応えのよい楽曲が多かったですが,しかしこれといって特筆すべき点もない,そんな感じです。 【シナリオ】C 担当は「石弓達也」「米倉ねずみ」「霧越鱒人」各氏。出来の方ですが,抜きゲーのシナリオとしては良くできています。起承転結がはっきりしている(導入,展開,事態の急変,結末がしっかりと区別して描写されており,きっちりかっちりとした印象を受けます)上,ストーリー上にうまくHシーンを組み込んでいるので,「HはH,シナリオはシナリオで別々」みたいな事態にはなっていません。その点では評価できます。ただ,全体として展開が駆け足気味で,妙に話が味気ない(とくに「事態の急変→結末」の展開が早すぎていつの間にか話が終わってしまっている)のと,折角移動場所を選択する箇所があるのに,どこを選択しても話に差異が生じない(基本的に本作は「一本道のシナリオ×2本」のみ)のは残念。「関係のない場所に行ってしまうと時間を浪費→ヒロインや人質が陵辱されてしまう(正規ルートとは異なる凄惨なHシーンへ)→結局助からずにBADエンド」みたいに話とHのシチュエーションに幅をもたせてくれると,もっと良いゲームになったと思うんですけどねえ。勿体ない。 【結論】B− 「某『逮○しちゃうぞ』にでてくるようなキャラとのHを楽しみたい人にはお薦めの一作。ただ,問題は価格に見合わぬボリュームの少なさとHシーンの描写の淡泊さ,そしてコスチュームデザインの微妙さか」。ヒロインの設定など殆どまんま『逮○しちゃうぞ』です。車オタクと怪力女のコンビ(ちなみに前者は刑事の彼氏あり)とか,ニトロとか,もうどこかでみたことのある設定ばかりでやっていて笑ってしまいました。パクるのもここまで徹底していると却って清々しく思います。ただ,折角婦警を陵辱する設定なのに,コスチュームが婦警っぽく見えなかったり(どこからどうみてもキャンギャルにしか見えない),「強い女を陵辱する」様があまりよく描写されていなかったりするのは残念としか言いようがありません。そこら辺はこの手のゲームの肝だと私は思っているので,もう少し力を入れて欲しかったなというのが私感です。あと,やはりボリューム的にも少なすぎる。2,800円や5,800円といった低価格帯での作品であればもう少し評価を上げても良かったのですが,7,800円では高すぎる感が否めません。 総じて,もう少ししっかりと作り込めばいい作品になったんだろうなあと思わずにはいられない,そんな作品でした。あーあ,勿体ないなあ……。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― レビューデータベースに戻る |