魔法戦士プリンセスティア
 メーカー名:Triangle
 発売日:2003/05/23
 メーカーホームページ:
http://www.h-gate.co.jp/   評価:A−(80点)
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 幼い頃,戦隊ものや魔法戦士もののような変身ヒロインものを見て,そのヒロインに欲情したこと,ありませんか? ヒロインが悪の組織に捕まって洗脳され仲間の前に敵として現れた時,一体何があったんだろうといろいろ妄想したこと,ありませんか? 私はあります(←変態)。そんな私の劣情を満足させてくれる設定のこのシリーズ。前作は絵がロリっぽくて回避したんですが,今作はほどよく大人っぽい絵柄だったので初めて買ってみました。果たしてその出来は如何に。

【ゲームシステム及び内容/エロ】エロはA
 ADV的な要素もありますが,基本はSLG。副官・上魔(=メインユニット)や下魔(=雑魚)を育てつつ,ヒロイン達を調教し,その上で育成したユニットや調教したヒロイン達をけしかけてティア&エレニスを倒す,というのが主な内容です。
 ただ,色々やることはあるんですけど,基本的にティア&エレニスは弱いので,余り面倒なことをしないでも勝てます。コンセプトはいいと思うんですが,ちょっとゲームバランスが悪いですね。また、調教・育成も単調でかつたくさん数をこなさなければならないので、どうしても作業感が出てしまうのは残念なところ。まあ、ここら辺は私が調教ものがあまり好きでないせいもあるのかも知れませんけれども。
 あとこれは個人的な見解ですが,毎回毎回負けて陵辱されまくる正義の味方というのもどうかと思います。基本的には正義の味方は勝利するものであって,そのなかで運悪く負けてしまったときにここぞとばかりに陵辱→人格破壊・性奴隷化,という方が,メリハリがあって良いような気がします。やはり変身ヒロインものの醍醐味は,普段颯爽と雑魚どもを葬っていくヒロインたちが戦いに敗れ,いつもなら歯牙にもかけないような激弱で卑しい魔物たちにその身を蹂躙され,嫌悪感と不快感,背徳感に身を苛まれながらも,それでも感じてしまい,快楽へと流されてしまう自分の身に戸惑うヒロインのやるせなさ・絶望感・苦痛,まさにそこにあると私は思っているので,その点では本作は表現・演出不足かなあとは思いました。数を充実させたせいで,かえってヒロインを貶め陵辱するその快感が薄くなってしまっているといいますか。あと,ヒロイン敗北→陵辱後,毎回ヒロインを解放してやるのですが,この点についても賛同しかねます。「それちゃうやろ!」と言いたくなりますね(一二度ならわかるんですけど,流石に毎回解放していると「何故解放するのさ!?」と思うことがしばしば)。ここら辺,エロの(数の)充実と変身ヒロインものの忠実な演出のどちらを取るかという葛藤があるのかなあ,と個人的には感じました。
 でも,そうはいってもエロの充実度は凄いの一言。メインヒロインであるティアナだけでなく,サブヒロインのエレニス(ティアナを守る騎士)他にもしっかりとエロが用意されていたのには感心しました。また,徹底してコスチュームを脱がさずにHするその姿勢には感服。変身ヒロイン系着衣Hスキーには珠玉の出来かと思います。テキストも丁寧・卑語たくさんで,エロについては質・量ともに十分ですね。特にエレニスは,戦闘に敗北して主人公に処女を奪われ,その後調教されて最終的に性奴隷へとその身を落とす過程が連続してしっかりと描かれており,個人的には大変良かったです。誇り高い騎士が卑しい下魔に犯されてしまうシーンなんかは特にたまりませんでしたねえ(;´Д`)ハァハァ。
 ただ,(1)上魔に犯させるシーンの殆どが恥辱プレー(町中に下半身裸で晒したり,小便を漏らさせたりetc.)で,実際の挿入行為が余り無かった点,(2)基本的に1Hにエロ絵1枚きり(差分のみ)なので,絵が足りなく感じてしまう点,以上2点は残念なところ。特に前者は,折角魔物とのHなのに,その特殊性・旨味を活かし切れていない点が勿体なかったです。

【システム】D
 機能的には充実しているんですが,使いにくい。(1)機能の配置が独特で戸惑う,(2)ウィンドウモードだと前の文字が消えず,その上に新しいテキストが上書きされて非常に読みづらい(この点については環境依存の可能性がありますが,取り敢えず私の環境ではこの不具合が発生しました),(3)Ctrlキーでのメッセージスキップに対応していない,(4)戦闘準備を一度選択すると,例え取りやめても調教モードを再選択できない(休養を取った扱いになる),これらは特に気になりました。
 ただ,バックログ時に音声だけでなくそのシーンの絵も再生されるのはとても良かったです(クリックしすぎでとばしてしまった立ち絵とかを見れるのはとても助かりました)。

【音楽・音声】音楽・音声ともB+
 音楽は変身ヒロインものにピッタリなものが中心で,一曲一曲は平凡ながらも良い感じで作品をもり立てていたと思います。また,主題歌は聴いて吃驚しました。格好良すぎ(*´Д`)。私,個人的にこういう歌は大好きですよ。
 他方,音声も充実。一人も不満に思う声優さんはいませんでした。Good job! ただ,サブの方がメインの方達よりも演技が上手かったのはちょっと微妙な感じがしましたが(w

【絵】A−
 担当は「斎藤なつき」氏。文句なしです。絵,とりわけヒロインのコスチュームが素敵すぎます。可愛いのにエロいという陵辱向きなコスチュームになっており,着衣Hスキーにはきっと満足のいく仕上がりになっていると思いますね。唯一立ち絵の絵柄が安定していない(立ち絵の顔が崩れがち・一枚絵と顔が違う)点が不満ではありますが,それ以外は文句のつけようがないです。◎。

【シナリオ】B
 担当は「反事象桂林」氏。シナリオ自体はお決まりの展開が中心で,真新しいものではありませんでしたが,逆に言うと変身ヒロインもののセオリーを忠実に辿っているのでとても好感が持てました。先にも述べたように,本当はもっとヒロインは勝たないとダメだと思うんですけど,まあエロを増やすためには仕方ないかもしれないので,ここでは取り上げません。
 基本的に話は一本道なのですが,エンディングは5種類あり,大まかにいって2ルート(「生まれ変われし戦士」「永遠の忠誠」のAルートと,「ダークプリンセス」「ダークジェネラル」「愛奴隷ティアナ」のBルート)に分かれています。詳細はネタバレ故省略しますが,個人的には「悪は最後は敗れる」というセオリー通りに展開するAルートの方が好きですね。Bルートも悪くはないんですが,3つのエンディングに殆ど差異が見られないのが難点かと思います。どうせならBルートのエンディング数を減らして,代わりにティアナに絆されてしまうエンディングも有った方が,(内容的に賛否はあると思いますが)展開にバラエティがあって良かったのではないかなあと思いました。改心してもいいし,別の道を歩んでもどっちでもいいんで,とにかくティアナと愛し合うルートが欲しかった(メッツァーがティアナに対して徹底的に冷笑的な立場を取っているなら別に要らないんですけど,今作みたいに結構ティアナに絆されてしまっている(で,あとでとってつけたように打算的な態度だと説明を入れている)場合には,そういう愛してしまうルートもあると良いなあと個人的には思いました)。

【結論】A−
 「荒削りではあるが変身ヒロインを陵辱する楽しみを満喫できるゲーム。発想の良さを高評価」。システムの使いにくさとか,負け続ける正義のヒロインに対する違和感とか,作業感を抱かせてしまうゲームシステムとかといった欠点は多々あるのですが,それを帳消しにするくらい,変身ヒロインもののセオリーをふまえたエロが充実していた点を評価したい。また,単なるヌキゲーにとどまらず,ちゃんとシナリオを作っていた点も○。単なるヌキゲーだったらBを出すつもりでしたが,話を楽しめ,キャラにも愛着がもてたのでこの評価としたいと思います。変身ヒロインを陵辱し尽くしたい方にお勧めの一作ですね。


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