人形の館−淫夢に抱かれたメイドたち−【投稿者:亜夜萌えさん】
 メーカー名:アトリエかぐや
 発売日:2002/10/25
 メーカーホームページ:
http://www.a-kaguya.com/        評価:A(90点)
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  当サイト常連の亜夜萌えさんからレビューを頂きました。ありがとうございます!
  私とはひと味違う着眼点・項目での詳細レビューをお楽しみ下さい。


「生産終了のお知らせ」がOHPでアナウンスされていたのでこの時期に紹介を思い立ったのですが、奥さま・家庭教師のお姉さん・お嬢さんといった、姉系キャラと、主人公が幼少時憧れたメイドのお姉さんを彷彿とさせるコスチュームメイド系キャラが充実した、着衣H充実の代表的大作というところから、報告させていただければと考えました。以下は私見に基づく記述です。

【全体的な特長と欠点】
着衣H率ほぼ100%。回想総数73シーン。本番Hを盛り上げる、エロシーンへ至る前段階でのプチエロ含むやりとりのおもしろさが○。
キャラへの愛着が増すとともに、一寸エッチなエピソードですので本番への期待に想いを巡らせることで
自然と雰囲気的に昂揚していきます。
いくら館ものとはいえ、ボイスが籠る感じがするキャラが居るのは×。

【購入動機・狙い】
かぐやのゲームは、そのブランド名がそれとなく示すとおり
意表をつく一寸ロマンチックで健気なシナリオ要素があったことが以前あり(『恥辱診察室』)、
ゲーム場面を画材としたテレカをみて気に入り、仕事帰りに池袋までわざわざ遠回りをしてと@の@なにて購入。
その絵柄は→の「胸愛撫される七海」でした(^^;)。(http://www.a-kaguya.com/yakata/doll_nan.htm
絵的に好みの感じでしたので、手堅い抜きゲであることを事前に期待していました。


【システム】B+
軽快で作動や安定性に不満はありません。ボイス再生・オートモード・バックログ・既読判定スキップなど揃っています。
ただ、ボイス再生がエンドレスなのは賛否意見が分れるところ(メーカーもこの点は理解したようで、のちの「人妻コスプレ喫茶」では「音声無限リピート」の有無を設定で選択できるようになりました)。
バックログが全画面表示で絵を隠してしまう点は残念です。
また、オートモードでプレイ中それをオフにするとき、やや反応が鈍重なところは×

【絵】A−
M&Mさん。とてもかわいいながら幼すぎない作風が好きです。

外観的には、十羽子さん(http://www.a-kaguya.com/yakata/doll_tow.htm)、
樹里(http://www.a-kaguya.com/yakata/doll_jur.htm)、
紗英香(http://www.a-kaguya.com/yakata/doll_sae.htm)といったあたりがとくに個人的な趣向と合致しています。
また、マリアのバストアップ絵は、とりわけ美しく感じましたね。
ただ、この作品より後に作風が変わってしまい、非常に残念です。

【シナリオ】B+
神無月ニトロ氏とさんきち氏が担当。

バイトで入った館で主人公が出逢ったメイド服の女性。彼は彼女に妙な既視感を覚えた・・・・6人のヒロイン(http://www.a-kaguya.com/yakata/doll_chara.htm)のシナリオをプレイしていくことで、
ジグソーパズルを完成させるようにして全体の謎がさまざまな角度から解明されていきます。
飛躍し過ぎてやや説明不足気味のシナリオが一部みられるところがあり、そこが解消されていれば一層完成度は高まったと思います。

【音声(日常・喘ぎ・ちゅぱ音)と音楽】音楽:B+,音声:A−
音楽もなかなか良いです。ただ、特筆すべき点があるのは音声演技(艶技)です。
もちろん、ちゅぱ音完備しています。それどころか、さまざまなサイトで既にそのレベルの高さと問題点(一部キャラの収録音が籠り気味)については語り尽くされている感もあります。

あえて付け加えるとすれば「音声の水準の比較対照基準ゲーム」という点かと。

「巫女さんだーいすき」などのちゅぱを「売り」にした作品の演技の自然さも、
このゲームとの比較でその位置づけが解るというような位置にあるゲームといっても良いかもしれません。
ちゅぱゲーのメートル原器というかオーディオでいう「レファレンス機」みたいな・・・
「人形」にどこまで迫ったか(あるいは部分的に超えたか)、というような
「尺度」といっても良いゲームかと。
日常での会話の自然さはもちろん、本番での喘ぎや口唇Hでの声優さんのがんばり、あるいはきちんとした演技指導が感じられます。
(ただ、音声も絵同様、好みに個人差がかなりある分、OHPのキャラ紹介にあるサンプルボイスや自己の趣向と照らし合わせてご判断を)

【エロ】A+
シーン数は73。一回当たりの尺も相当長いですが、特長はその量にではなく質の面にあります。

*  テキストと差分
視覚と聴覚、その上テキストによって想像させ嗅覚すら刺激する臨場感と雰囲気作りが感じられました。
「陰部の匂いを存分に吸い込む。汗と愛液の混じった、甘くて鼻をつく匂いが脳髄に直撃する。その女臭い香りに・・・」(樹里)
また、
かぐや歴代の諸作品とは違い、淫語の濫用が減り、その分ピンポイントでポロっと漏らすフレーズが、
日常と対比された意外性ゆえ扇情感を高めているのも個人的には嬉しいところ。

表情変化や液横溢がテキストと一致して行なわれる点も、雰囲気を淫らにするのに一役買っています。
精液差分とキャラの悩ましげに感じる表情差分、ともに充実しているのですが、
絶頂時、苦悶しながらも悩ましげに気持ちよさそうなイキ顔が「いい表情してるな」と感じ、
すかさずsaveしたシーンも少なからずありました。
こういった差分変化豊富なHシーンでも表情や液がテキストとシンクロし刻一刻と変わっていき、
悩ましげな表情から感じているアクメ顔への変化、その際の発汗や唾液、愛液のあふれ具合の変化により、
ヒロインの心からの発情ぶりが良く表現され、
絶妙の喘ぎ声や周到なセリフ回し&状況説明のテキストと相俟って、とても効果的でした。

  着衣胸見せH
着衣H率が高く(というか全裸Hが(数え方にも拠りますが)ゼロ !)、しかもその60%以上が
ニーソかストッキングを穿いたまま行為を完遂しています。
着衣の描写も美しく、とくに下着CGは扇情的です。
生地感触再現性やふくらみ具合で局部の肉感をイメージさせるところ、
愛液が染み出してくる様は秀逸の一言。また、着衣行為の際にも、
胸見せHが基本的にはおさえられているのも嬉しいところ。
乳首(乳頭と乳輪)についての好みは個人差がとりわけ著しいのですが、
天辺に窪みを備えグラデーションもあり量バランス的にも美しいのではないかと。

*  他作品と比べたエロの特徴
特典テレカ柄にもありました「人差し指を下唇に触れさせる仕草」など、
H系シーンでのヒロインの手つきの美しさや多彩さも、
彼女たちの色気や快感を表現するのに本作では大いに役立っています。
さらに数多くのH重視作品との違いが現われるのは、
エロシーンを「エロく際だたせる」雰囲気にもっていく手順の巧みさ、用意周到さにあると思います。

Hシーンでの絵や艶技がそれ自体どんなに巧みでも、それだけではエロさの雰囲気は引き立ちません。
日常でのヒロインたちの魅力が感じられ、そこへの淡い好意があってはじめて
Hシーンでのギャップ感や淫らさが実感できるのではないかと。

ヒロインたちを知る期間(人形操作不可)→昼間の一寸したH系アクシデント(プチエロ)の連続→夜の人形操作でのH(本番前段階止まり)→人形操作でのH(本番)→人形操作でのH(ヒロインもさらに淫らに)→人形操作次第では複数ヒロインとのHも可能に

以上はHシーンが一層扇情的にエスカレートしていく基本プロセスなのですが、
段階を追って徐々にヒロインと激しいHが可能になっていくばかりでなく、
彼女の事情や人柄、愛らしさという特性も自然と解ってきます。
それを踏まえたギャップ感が頗るエロさを引き立てているように思います。

このゲームの良いところは、「本番へ至る前段階」でのヒロインたちと知り合い交流を深める期間も冗漫さは一切感じさせないところです。
つまり、昼間の会話が結構面白い上に、
プチエロシーンも突如として挿入されていき、それと平行して
複数のヒロインの掛け合いなどで人柄や愛らしさも効果的に印象づけられており、飽きさせません
(個人的には『人見知りするピエロ』の話がツボ。5人ものヒロインが絡むそれぞれの性格が映えるエピソードです)。

【良かったシーン】
十羽子奥さまのナース服H
紫苑との白ガーター着用H
樹里のバックスーツ服ストッキングH
いずれも胸出し完備です〈^^〉。
紫苑のシーンでは、指でニーソを強く握り締める襞が織りなす肉感が、快感を暗示しているようで興奮しましたね。
また、H時の樹里の口許は色気があり特に魅力的。美少年を攻める樹里より
いずれ筆下ろしするつもりなんだろ」とそのことをネタに主人公に
詰問されながらも気丈にも口答えしつつも、バックからの攻めの快楽に身を委ねてしまう樹里がとくに(w。
学園生紗英香にはブレザー&スカート着用Hもありますね。
個人的には口唇Hも結構好きなのですが、銜える前と後では別の差分絵が用意され
銜えの実感を表現するところなど、相当作り込んでいるなという感じです(キスシーンが少なめなのは残念)。

【液表現(精液・愛液・唾液・汗)】
個人的には良いのではないかと。精液表現も量はやや多めで色づきも適度にあり丁寧ですが、
これは好みが人により大きく分れるところでしょう。
絶頂時に垂れ落ちる涎など、なかなかそそるものが。汗の感じや愛液のしみ出し具合も個人的には満足でした。


【結論】A
「アドベンチャーゲーム(AVG)」を称しているにもかかわらず、
不味い選択肢を選んでもちっともスリルを感じさせないゲームが近頃、多すぎる気がします。

ゲームというのは、「経験値稼ぎや育成要素」と「意外性・偶発性」がともにあって
はじめて面白いものだと個人的には考えますが、この作品にはこれらが揃っているといえるのではないかと。

ただ、いくら館(ミニチュア)の作用によるとはいえ、飛躍し過ぎたストーリー展開も一部にみられるところがありました。
ボイスの籠り感とともに、ここを減点材料と考えます。

バッドエンドは、凌辱もあり、いたたまれない人も少なくないかもしれず、ここに選択肢を選ぶ際にいささか緊張を強いるゲーム性があるかと(公開されている凌辱系サンプル絵の多くはバッド系ルートのもの)。ただ、このゲームの場合
「よく考えて」選択を重ねる(経験値を稼ぎ、そのヒロインと体験を共有しつづける)ことで、
プレイヤーが意識的に展開をGoodの方向へとコントロール可能であって、その結果、良い方向での意表をつく展開が待っていることもあり、
その意味で真の「冒険ゲーム」といえるでしょう。
(あるキャラだけは正規ルートでも凌辱メインですが、心通わすHも完備されており、
乱暴にHする「理由」もストーリーをひもといていくと解るようになります。)
逆に、バッド系の凌辱へと至る選択肢をあえて先に選んで一通りプレイし、
あとでTRUEをみるプレイスタイルをとることも出来ます(個人的にはこちらがお薦め)。

ルートによっては意外性すらあり、爽やかな涙を流した人も少なくないと思われます(その1人がこの私(w )。単なる抜きゲ・ちゅぱゲにのみ終わってないという印象が強く残った作品です。


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