ショコラ-maid cafe "curio"-
 メーカー名:戯画
 発売日:2003/04/04
 メーカーホームページ:http://www.web-giga.com        評価:A−(85点)
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 シナリオ担当が「Ripple」の加藤あおい嬢で大いに萌え転がしてくれた丸戸史明氏とあっては,買わないわけにいかない!!……ということで刈ってきました。しかも,香奈子テレカ欲しさに初めて複数買いなんぞしてしまったし。アホや>俺。ねこにゃん氏担当の原画も,雑誌で見る限り着衣Hの具合が異様なまでに力入っていたので大いに期待していたんですが,果たして……。

【ゲームシステム及び内容】
 ゲーム期間は3ヶ月間,午前と午後の2回行動で,ひたすらにマップ移動を繰り返すという,マップ移動型AVG。正直,長すぎます。何もイベントが起きず,ひたすら仕事をする日々が続くというのはある意味リアルなんですが,流石にゲームとしては間延びした感があります。しかも個別ルートに入ってからも通常通りマップ移動が有るんですが,正直それらは要らないかな,とは思いました(シリアスな展開になっているのに,急に他キャラのお気楽な日常生活が入ったりするので興ざめになることもありましたねえ)。期間を短くするか,1日に行動1回のみにした方が,テンポ良い展開になったのではないでしょうか。
 あと,マップ選択時にはどのキャラがどこにいるかがわからないので,意外と難易度は高め。ただ,キャラ毎に出現方法に規則性がありますし,badエンド後にチロルからヒントがもらえるので,そこら辺は何とかなります。これに関しては個人的には親切設計だなと思いました。

【絵】A
 担当は「ねこにゃん」氏。以前とは大分絵が変わられたようですが,とても可愛らしい絵を描かれる方です。個人的には好きな絵ですね(特に香奈子や翠)。構図・角度によってはデッサン・絵柄が狂っているものも有りましたが,概ね良くできていたのではないかと思います。特に,後述するようにエロはその殆どが着衣Hなんですが,あれだけ複雑なデザインの服装を,脱がさずにエロに持ち込み描ききった点は個人的には◎でした。グッドジョブ。
 あと,誰が描かれたのか知りませんが,仕事画面のちびキャラも,いろんなアクションを取っていて可愛かったです。結構笑えるのとかも有ったし。
 
【音楽・音声】音楽:B+,音声:A−
 音楽は作品のモチーフである喫茶店のイメージに良くあった,アッサリ・しっとりとした聞いた感じの良い曲が中心。それぞれのシーンに上手く使われていたこともあり,個人的にはとても良かったと思います。また,主題歌の「Cream+Mint」(I've)も最初サンプルを聞いたときはたいした曲じゃないなあと思ったんですが,デモムービーや作品をプレーして聞くと,そのイメージに良くあった曲でとても良いなと感じましたね。
 音声は男性を含めてフルボイス。一部演技に未熟な点が有る方もいましたが,概ね出来は良く,ゲームの演出・エロに貢献していたと思います。

【演出】
 このゲーム,演出が大変巧みです。効果音の入れ方や画面効果,テキスト表示などが上手くて,小粋な感じがします。例えば,台詞の途中でもその台詞に合うように立ち絵の表情をコロコロ変えたり,人が近づいてくるのに合わせて足音のボリュームを上げたりするのが好例です。なにか特別な技術を使ったりしているわけではなく,ごくありふれた素材なんだけど,効果の入れ方のタイミングや程度を工夫して上手く演出している点,好感触でした。ここら辺は演出担当者の妙に脱帽ですね。

【エロ】A
 純愛系のHとしては濃いと思います。各キャラとも複数回Hが有ります(一部例外はありますが)し,しかもその殆どが着衣H(メイド服・ウェイトレス服・私服)。さらにその着衣Hでは殆ど服を脱がさずにそのままHしてしまう仕様なので,着衣Hスキーとしては垂涎ものですね。エロテキストは平凡(薄目)で,卑語とか特殊属性もないですが,私は何度も抜きました。キャラが良く立った純愛系ゲームでこれだけのエロがあるとは思いませんでしたので,個人的には満足です。

【システム】D−
 これが最大にして唯一の癌ですね。機能自体は非常に充実しています。バックログや音声再生,各種微調整機能など,機能的には十分。十分にAが出せるレベルです。ただ……動作が重い&不安定。(1)メッセージスキップやカーソル移動のスピードが遅い,(2)たまに強制終了してしまう,この2点は非常に気になりました。特に(2)は折角いいところまで進んでいたのに……(;´д⊂)と泣かされることもしばしば。パッチを当てても依然としてその症状が出ているので,こまめなセーブは必須です。ただ,該当場面になったらマウスクリックを連打してとっとと切り抜けるとうまくいくことも有るのですが。
 あと,BGMの不具合が出ているという話を良く聞きますが,当方の環境ではそのような不具合は一切出ませんでした。なのでそこら辺はよくわかりません。
 取り敢えず,システムではかなりイライラさせられたのでこの評価しかつけられないですね……。プレイしづらいダメシステムと言わざるを得ないでしょう。

【シナリオ】A+
 担当は「丸戸史明 with 企画屋」氏。前述の「Ripple」のシナリオを担当された方です。この人の萌えテキストの破壊力は凄まじい。キャラ立てが上手すぎ。ちょっとノスタルジックで懐古的なシチュ(運命の赤い糸とか,一つの毛布に2人でくるまってコーヒーを飲むとか,駆け落ちとか,妹と添い寝とか)・キャラを多用される方で,現在の美少女ゲームの主流・ステレオタイプなヒロイン像とは異なったヒロインを描いています。新しいと言うよりも懐かしい感じ。なので,使い古されたようなキャラでありながら,その実,新鮮みが有るキャラが多いです。とても魅力的。とくに香奈子や翠はたまりませんなあ(*´Д`)
 また,シナリオ全体の運びも,意外性のないオーソドックスな内容ですが,緩急取り混ぜつつ,やってくる修羅場ではヒヤヒヤさせ,でも最後にはほろりとしてかつ後腐れのない結末で話を締めくくっているので,どのキャラのシナリオにも爽やかな読後感があります。trueエンドはどのキャラも鬱展開の一切無いハッピーエンドで終わりますので,安心してプレーできますし。純愛系のシナリオとしてはかなり出来が良いですね。ただ,そういうシナリオだからこそ,強制的にみさせられるバッドエンドではかなり鬱にさせてくれるのですが。
 あと,伏線の張り方や構成も上手い。通常のマップ移動時に断片的にみさせられるさりげない日常会話などが,じつは各ヒロインの個別ルートで伏線として活かされてきます。私もプレーしていて「え,あれって伏線だったんだ……」と思わされることがしばしば。特に香奈子true等でその傾向が顕著ですね。さらに,一部攻略順が指定される(badエンド→隠しヒロインエンド→trueエンド)ヒロイン(群)がいるんですけど,その攻略順指定が合理的で,やっていて「確かに,この順でやった方が楽しめる」と納得するものであったのは良かったです。
 褒めまくりですが,けなすところが無いのでしょうがないですね。極めて良くできています。個人的には大満足。このライターさんの作品は今後とも注目することにします。

【結論】A−
 「高レベル純愛系ゲーム・ウェイトレスver.」。シナリオ・絵・エロ・音楽・音声・演出,どれもがハイレベルです。特にしっかりとして大いに萌えを誘発するシナリオと,純愛系にもかかわらず濃いエロがポイント高し。これで後はシステムとマップ移動の多ささえ改善されれば,文句なしだったんですけどねえ……。私の心の中では間違いなくA認定なんですが,流石にこのお粗末なゲームシステムを積んだ本作をA評価の作品として皆さんにお勧めすることは出来ないので,涙をのんでA−認定とさせて頂きます。個人的には大満足な作品でした。シナリオ重視・純愛系スキーの方で,かつ多少のゲームシステムの粗に目をつぶれる方には大いにお薦めします。……しかしどうしたんだろう,戯画は。最近良作ばかりじゃないか……(w

 マイ萌えキャラ→秋島香奈子!! 誰がなんといおうと,これだけは譲れませんね。香奈子さんマンセー!!(←ちょっと壊れ気味)。翠も大好きだけど,やっぱ香奈子さんが健気で可愛くて最高だよ……。・゚・(ノД`)・゚・。


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