DUEL SAVIOR
 メーカー名:戯画
 発売日:2004/10/01
 メーカーホームページ:http://www.web-giga.com        評価:A−(85点)
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 バルドシリーズを手がけたTEAM BALDRHEADの謹製ということで,当然デフォ買いです。はたして,名作「BALDR FORCE」を超える出来になっていたのでしょうか……?

【システム】A−
 非常に使いやすい&充実。動作面では終始安定・軽快。機能面でもほぼ文句なし(スキップ・ボイス・音楽等,個々の機能について細かくカスタマイズが可能なので,自分にあったプレイスタイルでゲームに臨めるのは◎)。流石って感じです。

 ただ,「BALDR FORCE」でもそうだったんですが,一部特定環境下(ハイカラー時)でしかウインドウモードに出来ないこと,これは非常に不満。私は基本的にフルスクリーンでプレイするのはあまり好きではないし不便だとも思っているので,この点は結構面倒だなあと感じました。あと,今回「BALDR FORCE」で高く評価したフローチャート表示(シナリオマップシステム)が無くなったのも残念。まあ,今作は「BALDR FORCE」に比べて分岐が複雑じゃないのでいらないっていっちゃあいらないんですが,ただ今作も前作同様,ヒロインの攻略順序に規制があり(詳細は後述),そのため無駄に何周も試行錯誤を繰り返す危険性があったことを勘案するに,やはり今回も搭載しておいてもらった方がよかったかな,というのが私感ですね。まあ,不満に思ったのはこんなものかな。基本的には模範的なシステムだと思いますよ。


【音楽・音声】音楽:A−,音声:B+
 音楽自体の出来は普通ですが,ゲーム中での使われ方が上手く,よかったと思います。特に主題歌「Fatally」はOPとの嵌り具合が最高で,個人的には高く評価しています(以前ショートver.で聴いたときにはそれほど感銘を受けなかったんですが,映像と一緒に聴くとやっぱ違いますなぁ)。効果音等も過不足無く整っていましたし,ここら辺は流石ですね。

 また,音声に関しては男性を含めフルボイス。キャラとのマッチ具合,声優さんの演技力等についても問題なかったと思います(ただ,後者については若干ばらつきがあったのが気になりましたが)。全体的には手堅い配役だと言えるんじゃないでしょうか。特に個人的には頭の中でイメージしていたリリィの声とカンザキカナリさんの声質がぴったりで,ちょっと嬉しかったり。


【絵・エロ】絵・エロともにA−
 絵は今作も「菊池政治」氏が担当。非常に癖の強い絵柄だと思いますが,個人的には好き。これは私感ですが,「BALDR FORCE」に比べて全体的に絵が可愛くなった&綺麗になったのではないかと思います。前作では「人を選ぶかもしれません」と評しましたが,今回はより一般受けする絵になったのではないかと思いますね。個人的にはリコはちょっとなあって感じでしたが,反面リリィやカエデはもろツボで大満足の出来でした。また,特にリリィの触手Hや処女破瓜Hを中心に,Hシーンにおいて着衣Hを徹底して描いている点には非常に好感触。今回の菊池氏の仕事っぷりは,着衣H的には最高だったと思います。ただ,一部の立ち絵で鼻が描かれておらず,不自然な感じを受けたことと,顔の側面から眺めた構図のときにデッサンがかなり狂っていたこと,全般的に顔の描写が不安定だったことは気になりましたので付言しておきたいと思います。

 また,エロに関しては基本的に「BALDR FORCE」からかなりパワーアップしているという印象を受けました。前作では

「エロは数がありますし,純愛・陵辱ともに取りそろえている感があります。ただ,個人的にはそれでもやはり,ややエロが薄いかな,という気がしました。寸止めが多い&最終的に服を脱がしてしまうので全裸Hばっかりなせいかもしれません。」

と批判しましたが,今作では後者の全裸Hの件はかなりの程度改善されていたと思います。特にリリィのH(とりわけ牢獄内での処女破瓜H)は,着衣Hの観点でいえば素晴らしい出来だと断言できますね,ええ(キッパリ)。リリィの衣装デザインにおける足回りの良さを前提に,服を一切脱がさないでパンツだけをずらし挿入するシチュの素晴らしさから,下方から見上げるようにして描く構図の妙に至るまで,私の琴線に触れまくりのHシーンでした。抜きまくりましたよ,マジで。また,シチュ的には一部を除いて基本的には純愛ベースであり,陵辱Hを求めている方には向きません。でも,逆にラブラブHを求められている方には,見てるこっちが恥ずかしくなるくらい純愛してるHなので,かなり良い感じだと思いますよ。「BALDR FORCE」の時は正直Hには不満たらたらでしたが,今作は抜き的にもかなり満足できました。

 ただ,前作のもう一つの問題点「寸止め」が今作でも多かった点,これだけは問題かな。特に個人的にはリリィが化け物の触手に嬲られるシーンで,彼女が化け物に最後まで犯されてしまった方が(つまり膣出しまでされて徹底的に陵辱されてしまった方が)抜き的にもストーリー的にもよかったような気がするんですけどね(←鬼畜)。まあ,こういうシチュはライトな本作だと合わないかなあ。


【ゲームシステム及び内容/シナリオ】シナリオ:B+
 (1)ゲームシステム
   ゲームシステムについてはなんとも説明が難しいので,是非OHPの記載内容や体験版等で確認して頂きたいのですが,たとえるなら「テイルズ・オブ・ファンタジアの戦闘シーンがさらに格ゲーっぽくなったもの」とでもいいますか,そんな感じだと思います。奥行きのない左右方向に伸びるフィールドを舞台に,右往左往に動き回り,ひたすらに相手を叩くのが基本的なゲーム内容。「BALDR FORCE」の時もそうでしたが,コンボ技やハメなどもあって,単純な操作系統にもかかわらず奥が深くて熱くなるゲームです。私自身,熱くなりすぎて指をつりそうになるくらいでした(w)。やっぱ凄いわ,この制作チームは。

 (2)シナリオ   次にシナリオについて。本作は異世界アヴァターを舞台に展開される「破滅」との戦い,そしてその最中に育まれるヒロインとの愛を描くのが基本軸。今回はギャグ等も時折挟み込み,また,ファンタジー設定によってリアリティや残酷さ,やるせなさといったものを相殺・緩和している面があるので,「BALDR FORCE」に比べるとややライトな(厳しくいえばややお子様っぽい)シナリオになっています。展開等にも斬新なところは無く,きわめてスタンダードな出来になっていると思いますね。でも,しっかりとメリハリをつけたストーリー展開をしていますし,それに何よりキャラクターがよく立っている(特にリリィは最高! ツンデレスキーにはたまらないキャラなんじゃないでしょうか)ので,飽きることなくプレーできるのは◎。全般的に見て,「お決まりのありふれた素材を,お約束の展開に忠実に,手堅く上手く料理した」という感を受けました。安心して楽しく読める,という点でいえば優れていたのではないでしょうか。

 ただ,問題点として以下の点は挙げておきたい。
 (a)各ルートによって出来にばらつきがある点。出来の良いリリィ編等に比べ,ベリオ編などの出来の悪さが目立ちました。特にベリオ編はかなり悲惨な設定を盛り込んでいるんですが,盛り込み方が唐突な上に作中においても有効にその設定を消化しきっていないため,そのような設定を盛り込んだ理由が時にわからなくなってしまう感すらあったのは個人的にはどうかなあ,と思っています。
 (b)伏線があまり上手く張られていない点。本作でも多くの伏線を張り,しかも最後にはちゃんとそれらの伏線を回収しています。その点でいえば本作の伏線の張り方は悪くない。でも,その張り方が問題で,あまりにも張り方が露骨で最初数キャラを攻略するだけでおおよその話の筋書きがわかってしまうのは×。折角張った伏線があまり有効に使われていない気がしました。
 (c)共通ルートが長いうえに,ゲームシステム上,それらをスキップできない(リリィ編クリア後は2章の途中からプレイが可能ですが)。おそらく共通ルートを繰り返しプレーさせたのは白の主関連の話を印象づけるためなんじゃないかと私は勝手に考えているんですが,それにしても流石に何回も共通ルートを繰り返させられるのは面倒でした。共通ルートでは救世主クラスが一致団結するようになるまでが7章も割いて語られるのですが,繰り返しプレーを前提とするのならちょっと冗長すぎる気がします。もう少しコンパクトに(数章程度で)話をまとめ,その後の個別ルートにもっとウェイトを置いた方が良いんじゃないかと思いますね。もしシナリオを今のままにするのなら,せめて一回プレーした戦闘はスキップできる仕様が欲しかったところです。この点に関しては,プレイヤーに優しくない不満の残る仕様だったように感じました。
 →(2003/10/11追加)……と書いたのですが,どうもスキップが出来るようになったのはリリィを攻略したからではなく,アップデートファイルver.1.02を当てたからみたいです。確認せずに誤った情報を流してしまい,申し訳ありませんでした。
 (d)攻略順序規制の合理的な根拠が不明な点。今作も「BALDR FORCE」同様,ヒロインの攻略順序が予め定められており,たとえば「リリィや未亜などは他のキャラを攻略してからでないとプレーできない」といったような規制が存在します。前作の時は各ヒロインの立場が異なりました(軍部,テロリストetc.)し,またフローチャート機能で分岐についても一目瞭然だったため困らなかったのですが,今回は全ヒロインが同一の立場にあり,またフローチャートも無いため,どういう順番で攻略可能なのかわからず大変困りました。私は最初リリィを攻略しようと思ってチャレンジしたんですが,いくらやっても攻略できず,何度も何度も1章から8章までを繰り返すという無駄な行為を強いられて,かなりイライラした記憶があります。順序を固定するのは構わないんですが,その順序が作中でわかるような配慮はやはり欲しかったですね。

 (3)まとめ   ゲームの内容に関しては,マップ移動型AVGを主体に,要所要所に上述したような戦闘シーンを組み入れていくスタイルのACT+ADVゲーム。まさに「敵と戦う」ゲームなので,ゲーム内容とゲームシステムとの整合性はばっちり。うまくゲームデザインを考えついたな,というのが私感ですね。ただ,シナリオ面で述べたように,結構無駄なことを何度もさせられましたし,また,シナリオの出来自体にもやや満足のいかない部分が散見されたこともあり,私としてはちょっと厳しめの評価としたいと思います。


【結論】A−
 「シナリオやシステム等で不満に思う点もいくつかあったが,総じて出来はよい。よく作り込んでいることがわかる“遊べる”ゲーム」。【ゲームシステム及び内容/シナリオ】でも述べたように,シナリオやシステムを中心にやや不満な点があって少し厳しめの評価となりましたし,また,「BALDR FORCE」のような大作・名作を期待すると肩すかしをくらうっていう側面があることも否めません。でも,全体的に丁寧な作りの作品で,エロゲーとしてはよく出来ていると思います。一度始めてしまうと嵌ってしまってなかなかやめられない,そんな中毒性のあるゲームだと思いますね。全体としては,十分皆さんにお薦めするに足る,そんな良作だと思います。お薦めの一作ですね。

 マイ萌えキャラ→当然リリィ=シアフィールド! 素直になれない系のツンツンした彼女が,最後主人公に絆されてデレデレと甘えてくるようになる様は圧巻。主人公が自分を置いて元の世界に帰ってしまうかもしれないと目を赤くして落ち込む姿とか,牢屋の中で猿のようにHしまくるバカップルぶりとかは最高でした。やっぱいいね,こういうツンデレキャラは。

 あと,これはどうでも良いことかもしれませんけど,私としてはリリィエンディングこそが本作のTRUE ENDのような気がしてならない(内容的にも余韻の面でも)んですが,そう思われた方,ほかにいらっしゃいませんかねえ? てか,未亜で締めくくるよりリリィで締めくくった方が爽やかな読後感とともに話を終わらせることが出来た気がしたりするんですけどね。



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