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 季節の花嫁
 メーカー名:CDPA
 発売日:2003/10/31
 メーカーホームページ:
http://www.cd-bros.co.jp/CDPA/   評価:A−(80点)
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 前作「青い涙」はエロの薄さやテキストの不自然さ,日本人の感覚に合わない道徳臭さなど問題が山積みだったものの,他作にはない力の入り具合と光るところのあるシナリオで,私の中では要注目メーカーとなっていました。果たして本作では前作の問題点が改善されたのでしょうか……?

 なお,本レビューでは「青い涙」と比較する箇所が幾つかありますので,こちらのレビューも併せてお読み頂くとよりわかりやすいと思います。

【システム】A
 従前よりのCD-BROS系汎用システムで,非常に使いやすい。メッセージスキップ(未既読判定あり)・バックログ・CG表示速度調節などが完備され,かゆいところに手の届くシステムになっています。また,レイアウト等も洗練されていてとても良かったです。動作も軽快で,一度も落ちたり動作不安定になったりしませんでした。頗る安定・軽快・便利なシステム周りになっています。非常に洗練された設計だと思いました。ただ,いつも通りディスクレスプレーが出来ない点は不満。でもまあ,全体としては文句なしと言っても差し支えないと思いますけどね。


【音楽・音声・エロ】音楽:B,音声:なし,エロ:C+
 音楽は,正直前作よりもパワーダウン。主題歌「Water color」含め,前作の出来には遠く及ばずといったところでしょうか(楽曲自体も使い方も)。出来自体は悪くはないんですが,これといった特徴がないんですよね。極めてオーソドックスな出来。前作の音楽の出来が良かったので今回もサントラのつくメッセで買ったんですが,正直拍子抜けというか何というか。でも,ちゃんと作品の雰囲気には合ってたんですけどね。

 他方,音声は前作同様ありません。やはりこれは寂しい。後述しますが,今作では前作のテキストの不自然さがかなりの程度改善され,日本人の感覚でも笑えるやりとり等も多数あったので,是非音声をつけて演じて欲しかったです。

 それに,なんといってもエロでの音声が欲しかった。今回はシチュが良いし,エロの描写も丁寧なんですよ。前作ではそのエロの薄さに激怒しましたが,今作では大幅に改善されています。尺も長いし,1シーン当たりのHCGも多い。シチュエーション的にも「色っぽい義母や義姉との背徳的なH」や「神様を俺様流に調教してやるぜ(詳細はネタバレ故省略)」など,個人的にかなり(・∀・)イイ!ものが多かったです。ここら辺◎ですね。ただ,そうだからこそ,(1)音声が欲しかった。特にフェラや卑語等のシチュもしっかりとあっただけに,ここでチュパ音等をちゃんと入れると,エロさは格段に上がると思うんですよね。あとは,(2)山上のHが無いのが痛い。折角のセーラー&ニーソキャラだけに,あのまま着衣Hになだれ込むとなお良かったんですけどね。そしてなにより(3)エロの回数が少ない(原則1人1回)。いくら尺が長いとはいえ,やはり1回は少ない。せめてもう1回は欲しかったところです。それ以外にも(4)本番で全裸になってしまう(せめて靴下やストッキングの類は履かせたままにして欲しかった)ことや(5)折角デザインの良い制服を着ているのにその制服でのHが無いことなど,着衣H的に不満が多いんですが,でもその点はシチュの良さで相殺かな。総じて,実用性という点ではまだまだですが,前作よりもかなりの進歩が見られた点は好印象でした。


【絵】A−
 担当は「ANICD」氏。非常にイイですね。ムチムチとした体格とアニメ顔のアンバランスぶりが溜まりません。エロシーンでもかなり映えますし,通常CGも可愛い。それに,CG数が多くて必要な場面に必要なだけCGを用意出来ていることや,しっかりと立ち絵にバリエーションをつけている点(服装の変化・表情の変化ともに対応)も好印象でした。ただ,立ち絵のデッサン(上半身と下半身のバランスなど)がちょっと狂っている(特に真紀や夏美)ように感じたのはマイナスかな。あと,個人的には本作の原画も好きなんですが,実は前作の「MILKCOW」氏のキレのある原画の方が好みだったかなあ,とか思ったり。


【シナリオ】A−
 担当は「MOONZERO」氏。前作に引き続いての担当です。今回もこの項目に重点を置いて述べたいと思います。

 まず,シナリオの構成としては「日常篇→過去篇→現代編」の三段構成で,さらに内容的にも過去での所行が現在に繋がる点や虚構として日常が存在する点(この2点については激しくネタバレなので,詳細は語りません。是非プレーして確かめて下さい)など,ほぼ前作を踏襲した(ぶっちゃけ同パターンの)お話になっています。ただ,違いはその分量比で,前作が「夢幻篇:回想篇:現代篇=2:4:4」程度だったとすると,本作では「日常篇:過去篇:現代編=5:4:1」程度かと思います。つまり前半のルート決定パートが極めて長くなったわけで,この点で繰り返しプレーをしづらくしているのはマイナスかと思います(前作では夢幻篇でルートが決定された後,回想篇をスキップして現代編の個別ルートに入れたので楽でした)。さらに,共通パートが多い点やどの個別ルートも似通った展開をする点なども更に繰り返しプレーをする気を殺ぎますね。構成面では前作よりも悪くなったなあというのが私感です。

 次に,各部のシナリオの出来に入ります。前作は夢幻篇の歪さ・閉塞感や回想篇の独特な世界観が良かったものの,現代篇の多々ある欠点で台無しにしていた感がありました。しかし,今回はかなり改善されています。全編ともかなり読める(日本人の感覚でもあまり支障なく受け容れられる)出来になっており,下手な(シナリオと呼べすらしないものを書く)日本人ライターよりも出来が良いんじゃ無いでしょうか。テキストも,時折不自然な日本語が介在したり(例えば「女難の相」を「女乱の相」と表現する等),誤字が多かったりする(例えば夏美ルートで「夏美」としなければならないところを,「明日香」と汎用ルートのテキストのままにしてしまっている等)ものの,全体としては自然なテキストライティングになっています。また,日常会話もそこそこ楽しめるものになっており,笑ってしまったネタも幾つかあります。ただ,一方で相変わらず残る問題点もありますので,ここでは改善された点と問題点に分けて論じたいと思います。

 改善された点   まず,(1)前作最大の問題であった道徳臭さが今作ではかなりの程度抜けています。前回は「愛と情の区別」などに振り回され,正直かなりゲンナリとしていたんですが,今作ではそういう韓国でしか通用しないような(日本人の感覚と乖離した)道徳観念の押しつけが希薄になっているので,あまり首を傾げたりせずに普通のエロゲーをやるのと同様にプレー出来るようになっていたのは良かったです。さらに,先にも述べたように(2)テキスト・設定(食べ物や風景など)がより自然な日本風のものに近づいています。前作では余りの不自然さに首を傾げっぱなしだったのですが,今作ではより日本人にとって自然な形へと近づけようとする努力が垣間見られて好感触でした。前作では現代都市部の日本を描いて失敗しただけに,今作で(ある意味日韓共通の要素がある)田舎を舞台に選んだのは正解かも知れません。でも,スーツを着てプールへ行ったり,風邪を引いた時にたこ焼きを食べたり,「沢庵,みそ汁,お新香付き牛丼三人前」だったりといった細かな不自然さは健在なんですけどね。

 問題点
 (1)韓国及び韓国人贔屓が目立つ
   例えば日常篇の「韓国人は礼儀正しくて」や「韓国の女性達は,貞操を守るために命をも惜しまない」などが典型かと思います(これらは作中に出てきた表現です)。さらに過去篇で「韓の国の人は○○(ここには賞賛の言葉が入ります)」と賞賛が繰り返されたことは正直ゲンナリ。私は別に嫌韓ではありませんが,なにもここまで韓国を持ち上げなくても……とは思いましたね。ここら辺の自己主張の強さというか露骨なまでの韓国よいしょは,対比的に日本や日本人を低めているように捉えられかねず,人によっては拒絶反応を示すかも知れません(私は幸い違和感を感じる程度で済みましたが,嫌悪の感を抱く人もいるかも知れませんね)。日本のエロゲーではここまで露骨に自国をよいしょする作品はほとんど無いですから,かなり違和感を感じました。やはりここら辺は民族性の違いなんでしょうかねえ? 個人的にはやはり程々にお願いしたい所です(誤解がないように言っておきますが,韓国を舞台にしたこと自体は私は悪くないと思っています。むしろ他作にはない設定で良いのではないかと)。

 (2)グルーピングによる差別化が目立つ   前作でも問題にしましたが,女性蔑視的な発言が目立ちます。「女はこうあるべき」といった心理描写や,「女性は男性に従属すべし」といった行動原理が作中で垣間見られるのはちょっとどうかなあとは思いました(少なくとも今の日本や欧米ではあまり受け容れられない考えのような気がします)。さらに,先の(1)とも関係しますが,「韓国人は××だ」と言ったように国籍や民族,属性等でグルーピングして一緒くたにして語る場面が多いのもどうかと。下手をすると独善的な見方による決めつけ・偏見にもなりかねず,すこし問題ではないかなと思いました。

 (3)主人公が相変わらずDQN・幼稚・マザコン   前作ほど酷くはありませんが,やはり主人公は頂けません。自分の事を棚に上げて他人を「変わってる」呼ばわりしたり,周りがいうことを聞きもせず行動を起こしたり,懲りずに何度も駄々をこねたりetc.と,ちょっとあまりに自分勝手でかつ幼稚すぎます。特にメロン一つで靡くエロゲーの主人公というのは初めてですね……てかお前,本当に18歳以上かよ? さらに相変わらず重度のマザコンぶりを発揮してくれるんですが,これはライターの趣味なのか,はたまた韓国での主人公の基本像なのか,ちょっと気になりました。

 以上のような感じになります。で,シナリオ全体についてですが,私は悪くないと思います。むしろ日本の他の平凡レベルのエロゲーに比べたら,雲泥の差でしょう。キャラも良く立っていますし,話自体も練られています。なので,我々との考え方の差から来る若干の違和感に目を瞑ることが出来るなら,プレーすることをお薦めします。


【結論】A−
 「力の入り具合がよくわかる良作。前作の問題点を大幅に改善した点は高評価。ただ音声無しなど問題点も幾つか」。全体としては,前作よりもシナリオ・テキストともに洗練され,良かったと思います。特に前作で顕著だった,日本と韓国の価値観の相違・道徳観念の違いから来る違和感がかなりの程度薄められていた点は良かったですね。エロもそうですが,全体的に前作で問題になった点を改善しようとした努力の跡が多々見られて感心しました。また,各キャラも魅力的で,楽しんでプレー出来ました。

 ただ,前作が問題が多いものの大作・力作といってよい出来だったのに対し,今作ではこぢんまりと纏まりすぎた感はあります。前作をやって受けた衝撃は本作ではほとんど無く(展開がほぼ同じだったというのも大きい),良くも悪くも日本の良作レベルのエロゲーにとどまってしまった点は残念。個人的には前作の話の方が,発想・雰囲気は好きだったなあ(あの道徳の押しつけはどうにかして欲しいとは思いましたが)。前作・今作のようなスケールの大きい話自体は好きなので,それらの話の壮大さは維持しつつ,次回以降ではもう少し違う毛色の,アグレッシブな話を見てみたいですね。あとはやはり音声無しは痛い。折角テキストの不自然さが無くなったのだから,音声を入れて話やエロを盛り上げて欲しいですね。次回作ではこれらの点を改善してくれることを願っています。


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