魔将の贄
 メーカー名:Liquid
 発売日:
2004/07/23
 メーカーホームページ:http://www.tactics.ne.jp        評価:B(70点)
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 かんたか氏の描く絵の美しさ・エロさに惹かれて購入。氏の前作「Apocalypse-DEUS EX MACHINA-」で魅せてくれた着衣Hの妙を今回はファンタジー世界を舞台に味わえるということで,大いに期待していました。


【ゲームシステム及び内容・シナリオ】シナリオはC−
 本作は純然たるADVゲームです。しかも選択肢(二択)が4回しかない(つまり,全部で16通りしか選択の幅がない)ので,攻略は頗る簡単。このようにゲーム進行に殆どプレイヤーが関与出来ない,ただ話を読みエロシーンを見るだけというスタイルには賛否両論あるかと思いますが,個人的には余計な作業を強いられることなくサクッとHシーンを拝めたので結果的には良かったんじゃないかと思います。抜きゲーでは「いつでもどこでも抜きたいときにHシーンを拝める」ということが大切だと思いますが,その点でいえば本作は妥当なゲームシステムだったんじゃないでしょうか。


【システム】B+ ⇒ A−
 目立って高性能というわけではないですが,必要なものはそろっていましたし(画像・章のタイトルが保存出来るセーブ画面,バックログ,未既読判定可能なメッセージスキップ,オートモード etc.),各機能の配置(ウィンドウ脇に配置されたボタンの機能割付 etc.)も妥当で便利でした。また動作も終始軽快・安定で使いやすかったです。抜きゲーとしては必要十分な出来だったと思います。さらに,インストールすればあとはディスクレスでプレー出来る点なども非常に良い。ただ,一応音声再生機能がついているのですが,これがメッセージウィンドウ上に表示されているアクティブ状態のテキストしか再生出来ず,バックログ画面では音声をリピート出来なかったのは不便でしたが。まあ,不満といえばこのくらいかな。

 →(2004.07.26追加)……と書いたんですが,実はバックログに音声再生機能がついていました。非常に見にくいんですが,テキスト表示枠左側に再生ボタンがあります。ボタンを押せば,任意に音声をリピートさせることが可能です。誤った情報を流してしまい,申し訳ありませんでした。


【音楽・音声】音楽:C−,音声:C
 音楽については普通かな。楽曲の出来自体はちょっとチープな感じがしましたが,まあ,可もなく不可もなくっていうところだと思います。作品の雰囲気にはよく合ってましたし,良いんじゃないでしょうか。他方,音声は個人的にはちょっと不満。演技レベル自体微妙な方が多かった(特に村娘等のサブキャラ)ですし,なによりもキャラと声が合っていない人が多すぎる(例えば,マチルダやアルフィアなど)。また,音質が悪いせいか,ボリュームをあげても妙に聞き取りにくかったのも気になりました。正直,抜ける声かというと微妙かな,とか思いましたね。ただ,チュパ音等H演技はしっかりとしていたんですが。


【シナリオ】D+
 担当は「大隈晃洋」氏。出来の方ですが,「抜きゲーでは珍しく話がちゃんとまとまっているが,特段言及するような優れた点も無い」といったところでしょうか。別段話の面白さとかシナリオの斬新さといったものはなく,淡々と(起伏無く)話が進んでいくだけなので,シナリオ狙いの方は回避が賢明かと思います。幾つかエンディングがありますが,どれも殆ど代わり映えがない(大筋でカトゥーシャの王妃・王女母子につくか,エメリーについてカトゥーシャを裏切るかという2通りの展開がありますが,個々のエンディング自体は似たり寄ったりに感じました)。……ホント,コメントすべき内容が無くて困りますなあ(w。ただ,抜きゲーは往々にして話が破綻している場合が多いですが,今作ではそれが無く,平凡ながらしっかりと話がまとまっていた点は感心しました。


【絵・エロ】絵・エロともA−
 担当は「かんたか」氏。癖の強い絵柄(顔,体,服飾のデザインとも)ですが,個人的には大好き。特に着衣Hという観点では非常に良い仕事をされる方ですが,今回も満足のいく出来だったと思います。ファンタジー世界の長所を最大限に生かした服飾デザイン(女騎士の鎧,王妃のドレス等,エロさが引き立つデザインになっていたと思います),Hにおける構図の良さ(特に輪姦に適した描写角度・構図だったと思います),着崩し方(鎧・ドレス・私服の脱がし方,着崩す度合い等)に至るまで,個人的にはかなりツボでした。しかも質的に優れていたというだけでなく,枚数面でも充実していた(差分抜きで95枚。ゲーム時間の短さを勘案すればかなりの充実度と言えると思います)点は評価したいところです。good job!

 また,Hシーン,特にマチルダ<女騎士>・サラ<王妃>・エメリー<魔女>の一連のH・調教は出来が良くてかなりエロかったと思います。絶え間なく恥辱を与えて少しずつ理性を剥ぎ取り,最後肉奴隷へと堕するまでの過程・仕込みの具合が丁寧に描かれていて感心しました。さらに,シチュ的には先に述べたように着衣Hに優れているのですが,それだけでなく輪姦シチュが多いのも本作の特徴。処刑台で大衆に王妃や魔女を輪姦させたり,捕虜を寝返らせるために自分たちの上官だった女を好きにさせたりといったような,なかなか「美味しい」シチュが多くて個人的には満足。それ以外にもフェラやレズ,パイズリ等といった基本シチュはしっかりと押さえ,また魔物との性交,義弟との強制フェラ・性交,ショタ的シチュ,催眠状態でのH等なども整っていて,この手の抜きゲーとしてはなかなかの出来だと思いますね。

 ただし,何点か気になるところがあるのも事実です。まず,(1)立ち絵とフェイスウィンドウ,一枚絵との間に服装の齟齬があるのには気になりました。例えば,マチルダを武装解除して地下牢にぶち込み,敵兵に輪姦させるシーンで,立ち絵では下着姿なのに一枚絵ではしっかりと鎧を着込んであった点などが典型。まあ,私は鎧姿でHしてくれたんでむしろ嬉しかったんですが,やはり気になったのは事実ですね。次に,(2)フェイスウィンドウの絵の崩れが挙げられます。出来の良いものもあるんですが,例えば一部のサラのフェイスウィンドウやアルフィアのフェイスウィンドウ全般で,顔のデッサンが崩れてのっぺりとした顔になってしまっているのは残念。また,(3)「バックから振り返る」という構図で全般的に絵の乱れが見られる点も残念。特に後背位でのHが多いマチルダで顕著なんですが,後ろから振り返る構図の絵で,往々にして顔のデッサンがおかしくなってしまっていたのは気になりました。さらに,エロの見せ方においても,(4)ストーリーに沿って間断なくHシーンが発生するため,段々と飽きが来てしまうのが気になりましたね。折角Hシーン1つ1つの出来は良いのに,それらのHシーンの見せ方が平凡・単調で,ただひたすらにHを繰り出すだけ(Hが終わったと思ったらまた次のH,これの繰り返し)なので,プレイヤーを十分にじらし切れていないんですよね。なので,思ったほど抜こうというインセンティブが働かない(それでも私は十分すぎるほど抜いたんですがw)。ここら辺をしっかりとしていればもっと良い出来になったと思えるだけに,勿体ない限りです。


【結論】B
 「ファンタジー系着衣Hゲーとしては出来がよいが,ただ,Hの見せ方にもう少し工夫が欲しい。あと,H以外で売りになる要素が少ない点も残念」。本作は抜きonlyゲーだと初めから割り切ってしまうのが賢明かと思います(おそらく大半の方がそう割り切っているとは思いますが)。シナリオ等,それ以外の要素に期待してはダメ。ボリュームも少ない(それこそCD-ROM1枚組相応の分量しかない)ですしね。Hは多いんですけど,ゲーム自体はあっという間に終わるので,8,800円分遊べるかっていうと正直微妙な所です。でも,抜きゲーとして考えれば,シチュはエロいし,Hの数は多いし,必要容量は少ないし,ディスクレスでプレー可だしと,理想的なソフトだと言えると思います。HDDの片隅に入れておいて,抜きたいと思ったときに起動する,そんな楽しみ方がベストなんではないでしょうか。


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