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 夏色の砂時計 for Windows
 メーカー名:Berries
 発売日:2003/01/24
 メーカーホームページ:
http://www.tyrell-lab.com/~berries/       評価:B(70点)
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 村上水軍氏の絵が個人的に好きですし,それにタイムワープという設定にも惹かれるものがあったので購入。PS2版を積んでいながらPC版も買ってしまった自分に苦笑しつつプレーしてみました。

【絵】A
 担当は「村上水軍」氏。いかにも「ギャルゲー」向きな,明るくてポップな感じのする,とても可愛らしい絵を描かれる方です。清楚な感じがしてバランスの良い制服のデザインも含め,個人的には大満足。最近エロゲーでは見かけることが少なくなった方だけに,久方ぶりに氏の絵が堪能できて良かったです。また,立ち絵・一枚絵(特にエロ絵)のバリエーションが豊富だった点も特筆すべきところで,やっていて「絵が足りない」「使い回しが多い」と思うことが殆ど無かった点は高く評価したい。

 ただ,(1)立ち絵で,表情が崩れ気味になる(デッサンが狂う)場面が散見されたこと,(2)エロ絵で,構図によっては顔の各パーツの配置がおかしくなること,この2つはマイナス。あと,メイド&演劇部の取り巻き等は別の方が描かれているようで,村上水軍氏との絵のギャップが激しかったことも少し気になったので付言しておきます。まあでも,全体的に見れば量・質ともに高レベル&丁寧な仕事ぶりだということができるでしょう。


【音楽・音声】音楽:A,音声:D
 音楽は高レベル。数的にも充実していますし,質的にもかなりのものだと個人的には思います。なかでも主題歌はかなりの出来で,OP「went away」(I've Sound,vocal:KOTOKO)・ED「未来この星で」(vocal:藤谷美里)ともにかなり聴き応えがあります。特に前者は救いのない暗い歌詞ですが,楽曲的にはI'veの中でも五指に入る出来の良さじゃないかな,と個人的には思いますね。BGMについては玉石混淆なところがありますが,作品の雰囲気にはどの曲も合っているので良いのではないでしょうか。個人的には大満足の出来でした。

 他方,音声についてですが……うーん,ちょっとなあ……。基本的に演技レベルは低めです。特にPS2版をやった後だと格差が激しすぎてかなり厳しいといわざるを得ません。エロ演技・日常会話とも,もう少し精進して欲しかったなあというのが正直なところですね。残念。


【システム】B
 システムは安定しており,必要と思われる機能も全て完備(音声再生機能付きのバックログ,画面画像・コメント保存機能付きセーブ&ロード,各種カスタマイズ機能等)。快適にプレーできました。ただ,(1)画面切替時の反応が鈍い(画面が切り替わるときにタイムラグが発生する)点,(2)毎回起動時にディスクチェックが行われる(=ディスクレスプレー不可&起動に時間がかかる)点,(3)クイックセーブしたデータがゲームを終了する毎に消去されてしまう点,(4)アクティブウインドウでないとメッセージスキップが効かない点,以上4点は不満。特に(1)は,折角メッセージスキップ自体は高速なのに,切替時にいちいち時間がかかってしまって結局はなかなか先に進まないことが多く,使いづらかったですねえ。


【エロ】D
 激薄。おそらく本項がPS2版との一番の違い・PC版の一番の売りだった項目だと思うのですが,各ヒロインともHは1回のみで,しかも特殊なシチュ等もなく(特に着衣Hが殆ど無かったのがショボーン),また声優さんの演技も決して良くないので抜き目的では厳しいといわざるを得ません。正直,ギャルゲーに無理矢理Hを押し込んだだけ,という感じがしてならないのは残念な所です。ただ,H1つ1つの描写自体は丁寧で,特にH1回当たりに何枚もの一枚絵を投入するなど,絵の面では潤沢であった点は付言しておきます。折角これだけ丁寧に作っているんだから,あとはもっとエロの数を増やし,その上でエロさを増す工夫をすればもっと良くなったのに,と思えてなりません。勿体ない。


【シナリオ】B+
 担当は「白夜」氏。結論から言ってしまえば,「ベタな展開ながらタイムワープのエッセンスを上手く盛り込めているし,またキャラクターも良く立っている。ただルートによる出来の差が激しすぎるのと,日常会話に面白さがない点はマイナスか」といったところでしょうか。

 話の展開には終始ご都合主義的なところがありますし,またルートによってはメインの香穂関係の話をほっぽりなげたままあっけなく話を終えてしまったりすることがあるのはいかがなものかと思いましたが,ただ,どのルートであってもタイムワープという基本設定を軸にしっかりと話を展開しており,しかもその展開の仕方にバラエティがある(タイムワープによって未来を変えられるときもあれば変えられないときもあるなど,話の編み方が色々と考えられ工夫されていた)点は高く評価したいところです。論理的整合性とかタイムワープの理論面での正確さ等で問題があるのは確かでしょうが,個人的にはそういった些事はあまり気にしませんし,またそういったことを考えずとも話を楽しめるよう,話自体が「読める」出来になっていたのは良かったんではないかと思います。

 また,一見すると単なる清純系お嬢様ヒロインの典型のような香穂が,その実自らの中に「心の闇」を抱え込んでいること,そしてそれに起因する主人公などとの関係の歪さや香穂自身の危うさといったものが,上手く作中にて表現されていた点も高く評価したい。所謂「萌え」「可愛さ」のようなプラス面のキャラクターの魅力だけでなく,こういったマイナス面もしっかりと描けているのは良いんじゃないでしょうか。

 ただ,以上のように話自体はなかなかなレベルだと思うのですが,個々の要素,とりわけ日常会話等に魅力が感じられなかったのはマイナスかな。あくまで話をつなぐために喋らせているとしか思えないような,単調で笑いや魅力に乏しい会話が多く,読んでいて作業感を感じることすらあったのは残念です。例えば他作でいえば「IZUMO」なんかでもそうでしたけど,「意外性や話のゆとりが無く,結局ストーリーを描き出すことだけに終始してしまっている」のが実態なんですよね。もう少し展開とは無関係な与太話を入れるとか,本論とは少し外れた,ヒロインの魅力をかき立てるためのショートエピソードみたいなものを入れると,もっと話が面白くなるのになあと思いました。残念。


【結論】B
 「はっきり言ってエロはおまけ。移植してレベルが下がってしまった勿体なさすぎる作品」。正直,移植作品としては失敗の部類かもしれません。作品としてのまとまりや個々の要素のレベルを考えると,PS2版の方がレベルが高いです。特におまけ程度につけたエロやレベルの低い音声のせいで,ギャルゲーとしてはかなりの出来(少なくともA−は出せる出来)だったのにエロゲーとしては低評価にせざるを得なくなった点は残念です。ただし,とはいっても作品自体のクオリティはなかなかですし,また値段も安いので,PS2版をやられていない方には満足できる出来ではないかと思います。今回はエロゲーとしての評価なので,あえてこのように厳しい評価としましたが,個人的には楽しめた一作です。うーん,ホント,勿体ないなあ……。

 マイ萌えキャラ→リージェンとか朋美もいいけど,やっぱ川村真魚。クールでややひねくれた感じのする彼女が甘えてきたときのギャップ,これが最高。是非これは味わって欲しいですね。



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