姉,ちゃんとしようよっ!2
 メーカー名:きゃんでぃそふと
 発売日:2004/06/25
 メーカーホームページ:
http://www.candysoft.jp/   評価:A−(80点)
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 いわずとしれた姉萌えゲーの先駆者的シリーズ第2弾。前作「姉,ちゃんとしようよっ!」の出来が良かったので,今回は安全牌のつもりで購入しました。

【ゲームシステム及び内容】
 前作では
   (A)「要芽姉様に復讐するために他の姉たちとHの修練を積むルート」(簡易調教ゲーム)
   (B)「姉たちと愛情をはぐくむルート」(通常のAVG)
 の2つのゲームシステムが混在していましたが,今作は(A)が廃止になり,(B)に特化する形に。


【システム】A+
 文句なし。完璧です。文字周り(未既読判定付きメッセージスキップや音声再生機能付きバックログ,メッセージスピードの調整機能等)・機能割付(コマンド配置,マウスで操作できる機能の充実等)・動作の安定性(終始安定)・軽快さ(頗る軽快)など,文句のつけようがありません。また,コピープロテクトがかかっているのですが,CDの認証が初回起動時のみで,2回目以降はディスクレスでプレー出来るのも非常によい。好感度が一目で分かるようになっていたり,なにげにシステムレイアウト(音楽モードのデフォルメキャラ等)や演出(花火の演出は見事の一言。また,初回起動時に違うディスクを入れると漫才形式で警告が出るのも面白くて良かった)に凝っていたりなど,ユーザーフレンドリーな姿勢や拘りが至る所にでていて感心しました。◎。


【音楽・音声】音楽:B+,音声:A+
 音楽については前作よりもかなりパワーアップ。バリバリに電波な感じが漂う(w)主題歌「ねえ,…しようよ!」も含め,なかなかに聞き応えのある楽曲がそろっています。ゲームの性質上,荘厳さやダイナミックさには欠けますが,それでもゲームの雰囲気にはピッタリで大変よろしかったんじゃないかと思いますね。

 他方,音声は……これのどこに文句をつけろとって感じですかねえ(w。北都南,木葉楓,AYA,マルコ,芹園みや,内村みるく,長崎みなみ,海原エレナと超豪華声優陣が勢揃いで,演技力・キャラとの嵌り具合ともに文句なしの出来です。ただ,何故か高嶺(@芹園みや)の音声のみ他のキャラよりもボリュームが小さく聞き取りづらかった(各キャラとも音声の音量を最大にしてプレーしていてこうだったので,おそらくデフォルトの音量が変なんじゃないかと思います)点は気になりましたので付言しておきたいと思います。あと,これは私の希望ですけど,やっぱり男の声も欲しかったですね。特に翔や団長はかなり笑えるキャラだっただけに,音声があれば更に面白くなったと思うんですけどねえ。まあ,最後の点は際限のない欲という奴でして,全体としては文句なしの出来だと思いますよ。◎。

【絵・エロ】絵・エロともA−
 担当は前作同様「最神扇道」氏。相変わらず可愛いのにエロいナイスな絵で最高です。今回は前作にもまして一枚絵の精度・エロさが上がり,個人的には大満足。

 また,エロ的には【ゲームシステム及び内容】でも述べたように(A)が無くなってしまったため,回数やシチュ(鬼畜系H)的にはパワーダウン。しかし,それらを補って余りあるほど,着衣Hシチュが充実していた点は◎。特に,要芽姉様のセーラー服Hや帆波ねぇやの筆下ろしHはマジヤバイ。エロ過ぎ&萌えすぎ。個人的にはもうこれだけで本ソフトを買った価値があるかな,と思っています(マジです)。作中で

                「制服は男のロマンですから」

 とか

          「着衣つきエッチはヒロインの証って事でいいかしらっ☆」

 などと言いやがりますが,個人的にはこれを見て「スタッフさん,良く分かってらっしゃる゜∀゜)b」とか思ってしまったり(w。着衣H以外にも例の不可思議な射精音は無くなりましたし,(ものにもよりますが)Hの尺もかなり長くなって実用に耐えうるレベルにまで上がっている等,前作の問題点を概ね改善している姿勢は高く評価されて然るべきだと思いますね。全体的に見ると「量は減ったが質はその分向上した」と言えるのではないでしょうか。

 ただ,絵について何点か付言しておくと,

 (1)立ち絵のブレ(絵柄の不統一,デッサンの崩れ等)が散見された   前作から氏の絵柄が変わったせいもあり,前作から使い回されている立ち絵と今作書き下ろされた立ち絵とのギャップが激しく,違和感を感じました。また,雛乃などの一部の立ち絵では目の配置等が少し狂っていて,ちょっと気になりました。

 (2)一部の立ち絵・一枚絵がピンぼけ気味だった   特に瀬芦里の一部立ち絵などで顕著。他のキャラの立ち絵や一枚絵では精彩がはっきりしているのに,突然ピンぼけ気味になったりするので一瞬「目が疲れているのかな?」とか焦ってしまいました(w。

 以上になります。上のようにやや不満の残るところもありますが,全体としては概ね満足のいく出来でした。


【シナリオ】B+
 シナリオ担当は「タカヒロ」氏。前作同様,氏のシナリオにおける日常会話とテキストの面白さは健在で,随所に組み込まれた小ネタの数々がプレイヤーを笑いと姉萌えの世界へと誘ってくれます。キャラ同士のやり取りも相変わらず充実していて,柊家と犬神家を巻き込んだドタバタコメディを,しっかりとキャラを立てつつ描いているのは◎。特に今回は要芽姉様のジェラシーっぷりや甘えっぷりが見られて満足でしたヽ(´ー`)ノ。また,前作で問題点として指摘した「ボリュームが少ない→どうしても展開が駆け足になりがち」という点についてもかなりの程度改善されていた点は良いんじゃないかと思いますね。さらに,前作にあった姉への復讐みたいな陰鬱な設定は陰を潜め,ただひたすら姉に甘えまくるという「明るい甘々路線」が徹底されている(ただし,一部のBADルートは除く)ので,その手の暗いゲームが嫌いな方にも今作は安心してお薦め出来ます。

 ただ,何点か気になるところ・賛否の分かれる所としては,

 (1)共通ルートが長くなった   1ルート分あたりのボリュームは増えたんですが,その反面,共通ルートが長くなってしまった感があります(共通ルートはおおよそ半分くらいかな)。

 (2)前作をプレーしていないと作品の世界に入りにくい   各登場人物の設定やストーリーの展開など,前作のプレーを前提とする部分が結構多いです。前作をやって作品世界についてある程度の理解がある人にとっては問題ない(むしろいちいち説明し直されるよりも簡便で良い)と思うのですが,本作からプレーする方にとっては,ややおいてきぼりを食らったような感を受けられるかもしれません。

 (3)ストーリー性が弱まった   姉達とのホノボノとした日常を描くことにさらに重点がシフトしたため,前作以上に話のストーリー性が無くなり,マターリとした日常ものへと特化したように感じました。

 以上3点が挙げられると思います。

 まとめると,「ギャグで笑いつつ,魅力的な姉たちとマターリと日常を過ごす」,そんなシナリオです。ですから,姉萌えやマターリ日常ものを求める方には良いゲームですが,逆にシナリオにストーリー性やメリハリのある展開を求める方には向かないかもしれません。あと,設定等で前作のプレーが前提とされる等,今作から新たにこのシリーズに臨もうとする新規ユーザーに対してやや敷居が高い点は要注意。


【結論】A−
 「姉萌えの先駆者としての健在ぶりを見せつけた一作。エロやシステム等,前作で問題になった点を大幅に改善している点は高く評価出来る。ただ,新規ユーザーにはやや敷居が高いかも」。細かいところが気にならなければ今作からでも大丈夫ですが,やはり遊び尽くすというのであれば前作と併せてプレーして頂きたい所です。前作・今作とも決して大作ではないし欠点もないわけではないんですが,でもどちらも良いゲームなんで,是非やってみて頂きたいですね。特に姉属性の方,やって損はないと思いますよ。個人的にはお薦めの一作です。

 マイ萌えキャラ→当然要芽姉様でしょう! あのセーラー服はマジでヤバイですよ……(*´Д`)ハァハァ


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