魔法戦士スイートナイツ2−メッツァー叛乱−
 メーカー名:Triangleラムダ
 発売日:2004/04/02
 メーカーホームページ:
http://www.h-gate.co.jp/   評価:A−(85点)
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 魔法戦士ものマンセー! 変身ヒロインものマンセー! ……ということで。勿論,このシリーズはデフォ買いです。エロの更なる充実とストーリーの深化,この2つを主に期待していました。

【ゲームシステム及び内容/エロ/音声】エロ:A,音声:A−
 基本的には「魔法戦士プリンセスティア」のゲームシステムを踏襲しています。メインユニットを育てたり敵(=正義のヒロイン達)と戦わせたりといったSLG要素を加味しつつも,基本はADVメインのゲームです。ヒロイン達の調教パートが無くなった分,前作よりもゲーム性は低下し,よりADVゲームに近づいた感があります。

 敵が弱いのも前作通りで,今回は特に「レベルII以上の魔法を乱発+下魔を自爆させる」という戦法をとれば無敗でした。最初の方こそ実力が切迫していて辛勝気味なこともありますが,ココノが戦列に加入するころからはむしろ負けることの方が難しかったです。なので,どうしても中盤以降の戦闘が作業じみてしまったのは凄く勿体ない。

 また,以上のことは「魔法戦士プリンセスティア」同様,魔法戦士ものとしてのリアリティを殺ぐ結果になってしまったとも思います。

 「あとこれは個人的な見解ですが,毎回毎回負けて陵辱されまくる正義の味方というのもどうかと思います。基本的には正義の味方は勝利するものであって,そのなかで運悪く負けてしまったときにここぞとばかりに陵辱→人格破壊・性奴隷化,という方が,メリハリがあって良いような気がします。やはり変身ヒロインものの醍醐味は,普段颯爽と雑魚どもを葬っていくヒロインたちが戦いに敗れ,いつもなら歯牙にもかけないような激弱で卑しい魔物たちにその身を蹂躙され,嫌悪感と不快感,背徳感に身を苛まれながらも,それでも感じてしまい,快楽へと流されてしまう自分の身に戸惑うヒロインのやるせなさ・絶望感・苦痛,まさにそこにあると私は思っているので,その点では本作は表現・演出不足かなあとは思いました。数を充実させたせいで,かえってヒロインを貶め陵辱するその快感が薄くなってしまっているといいますか。あと,ヒロイン敗北→陵辱後,毎回ヒロインを解放してやるのですが,この点についても賛同しかねます。「それちゃうやろ!」と言いたくなりますね(一二度ならわかるんですけど,流石に毎回解放していると「何故解放するのさ!?」と思うことがしばしば)。ここら辺,エロの(数の)充実と変身ヒロインものの忠実な演出のどちらを取るかという葛藤があるのかなあ,と個人的には感じました。」

 前作のレビューで私は以上のようにコメントしましたが,まさに今回もこの通りなんですよね。エロの充実度(数・シチュ)をとったために,質的な側面,魔法戦士ものとしてのリアリティ・拘りからくるマニアックなエロさ,これがない。この点は難しい所だと思うのですが,個人的にはもう少し「強い魔法戦士」像を描いて欲しかった(そして,それを滅茶苦茶に貶めたかった)というのが本音です。てか,流石に一勝もできない正義の味方はないだろうよ,と。うーん,ジレンマですなあ……。

 ただ反面,エロ1つ1つの出来自体は素晴らしいの一言。特に原則として全て着衣Hな点は高く評価したい。しかも単に着せているだけというわけではなくて,デザイン(プリンセスティアやスイートリップのコスチュームデザインはエロい&可愛くて最高!)・構図(描写角度等が非常に良い)・着衣の皺の寄り具合(特にスイートリップのニーソの描写は珠玉の出来)・はだけ方に至るまで,徹底して拘っている所には脱帽。ここら辺は流石,わかってらっしゃる。ここまで徹底されると小気味良くすらありますね。「魔法戦士プリンセスティア」でも感じましたが,魔法戦士もののエロゲーとして,コスチュームに並々ならぬ情熱を傾けているのは大変素晴らしいことです。◎。

 また,かなりシチュエーションも凝っています。今回は特に「醜悪で知性のかけらもない下魔に魔法戦士達が犯られまくる」というシチュがかなり多く,最高でした。やっぱ良いですねえ,醜悪な化け物にヒロインが犯されるというのは……(←外道)。特に母親の前で下魔にティアナ姫を犯させて,あまつさえ中出しまで強要するシーンなんか堪りませんでしたよ,ホント。それ以外にも羞恥プレーや恥女プレー,輪姦なども多く,個人的には大満足。ただ,上魔との絡みがサキュバスくらいにしかなく,また,触手を含めた特殊プレーの数が少なめだったのはちょっと残念でしたが。

 さらに,音声も豪華実力派声優陣を揃えており,エロおよび日常会話に大いに貢献している点が良い。木葉楓,北都南,飯田空,島香麗子,木村あやか,茶谷やすら,彩世ゆう,白井綾乃という超強力な布陣で,かなりエロい。チュパ音が凄く充実しており,また適度に卑語もまぶしてある(ただし,P音を入れないといけないようなものは殆ど無し)ので,エロ重視の方も間違いなく満足できるのではないかと思います。ただ,(1)日常会話で時折ボリュームが小さくなって聞き取りづらくなることがあったこと,(2)ココノの声に違和感があったこと(声優さんが変更になった関係で前作をやっているとどうしても違和感を感じてしまうんですよね),(3)中盤のココノの台詞(「あ…あまつさえ,メッツァー様に荷物をお持ち頂く羽目に…」@ココノとの買い物イベント2回目)でかなり大きなノイズ音が混在していたこと,以上3点は気になりました。
 
 まあ,概ねこんな感じかな。個人的にはかなり抜かしてもらったので満足しています。ただし,前作同様,基本的に1つのHにエロ絵1枚きり(差分のみ)なので,絵が足りなく感じてしまう点は残念。もうすこしH1つ1つに拘って,1シーン1シーンを充実させて欲しかったというのが私感ですね。とはいえ,どの絵もかなりエロいんで,抜くには全然困らなかった(むしろ逆に抜きすぎて困った位w)んですけどね。あと,やはり落ちる前後の描写が不足ぎみなのもマイナスかな。いつの間にか落ちててあとはエロエロ,みたいな感じが中心なので,どうしても落ちていく過程や余韻とかが味わいにくいのが難点。ただまあ,ここら辺は前作での調教(つまり,前作で落とされ調教されていること)を前提としている本作では難しいのかもしれませんが……。


【システム】A−
 前作「魔法戦士プリンセスティア」と比べて驚きましたが,今回かなり使いやすくなっています。バグも殆どありませんし(少なくとも当方の環境では),また,先回問題にした点などもかなりの程度改善されていた点は高く評価したい。こういう「進歩のあるメーカー」って好きですねえ。未既読判定付きのスキップ機能や,音声再生機能付きのバックログ(前作同様,音声だけでなくそのシーンの絵も再生されるのはとても良かったです)など,必要不可欠な機能も漏らさず完備しており,また動作も頗る安定・軽快。プレーしていて機能面や動作面で不満に思うことが殆ど無かった点は◎でした。

 ただし,(1)相変わらずCtrlキーでのメッセージスキップに対応していない点と,(2)セーブ・ロード画面のマウスクリック認識がやや鈍い点,この2つは気になったので付言しておきたいと思います。これ以外はほぼ理想的なシステムと言えるんじゃないでしょうか。


【音楽】B+
 音楽は前作同様,魔法戦士もの・変身ヒロインものにピッタリな躍動的な楽曲が中心で,良い感じで作品を盛り上げていたのは◎。また,主題歌も前作ほどのインパクトはありませんでしたが,それでもかなり聞かせる出来(ハスキーな歌声がかなり良い)で◎。


【絵】A
 担当は「斎藤なつき」氏。文句なしです。【エロ】項でも述べましたが,ヒロインのコスチュームが素敵すぎます。可愛いのにエロいという陵辱向きなコスチュームになっており,着衣Hスキーには堪りません。しかし,この人はホント,シリーズを追う毎に絵が良くなっていく(絵柄的に洗練されてきていますし,また,どんどんエロさも増してきている)のが凄いですなあ……。特に今作ではスイートリップの絵が頗る良くなっていたのには驚きました。「魔法戦士プリンセスティア」のときは単なるロリキャラにしか見えず,全く魅力を感じなかったんですが,いやはや,ここまで瑞々しくてかつエロいお姉さん(アダルトな「お姉様」にあらず。あくまで健全な「先輩」キャラに徹しているのが◎)キャラになるとは……。流石ですなあ。


【シナリオ】A−
 担当は「反事象桂林」「島村ひろし」「薗崎晶」各氏。今回一番進歩があったのはこの項目。シナリオがお決まりの王道展開中心,というのは別段変化していないんですが,

 (1)話のスケールが大きくなっている   いままでの舞台だった地上世界のみならず,前作までで殆ど語られることの無かったロア世界やエルウィン関連の話題を織り込みつつ話を展開しているので,話にスケール感と深みを与えている点は大変良かった。

 (2)エンディングにバラエティが増えた   「魔法戦士プリンセスティア」のレビューで批判し,また切望した点でもあるんですが,前作はエンディングが5種類あるにも関わらず,実質は2通りの展開しかなかった点が不満でした。それが今回ちゃんとフォローされていた点は高く評価したい。特に七瀬凛々子(スイートリップ)やココノとの純愛個別エンドが設けられた点が特筆すべきところで,「こういうエンディングが欲しいなあ」とレビューに書いたのが叶えられると,(私が書いたせいではないにせよ)やはり嬉しいです。しかも内容的にもなかなか深くて,ネタバレ故に詳細は語りませんが,引け目を感じながらも全てを捨てて愛を選ぶ魔法戦士の姿や,どこまでも主人の野望達成を願い忠誠を誓う愛奴の姿を丁寧に描いていて感心しました。こういう終わり方も確かにありだよなあ,とか思わされましたね。中でも個人的には凛々子の告白シーンなんか好きだなあ。この点も満足しています。

 (3)純愛色や萌えが増えた   前作はエンディング然り,話の展開然り,会話然り,凌辱ゲームの色彩が強かったですが,今回は純愛色がかなり強くなっています(ただし,キャラにもよりますが)。また,日常会話やイベントもかなり朗らかなものが増えて,やっててニヤニヤしたり笑ってしまった点もいくつか。前作までは「ヒロインを落とすために仕方なく喋ってやっている」ような不自然かつ退屈な会話が中心でしたけど,今回は普通に日常会話が楽しめた点が良かったですね。

 など,かなりシナリオのレベルが上がっており,個人的には感心しました。シナリオ単品で売るには流石に役不足かもしれませんけど,本作のようなエロ重視ゲームではこれくらいの分量・レベルでちょうど良いような気がします。ただし,問題も幾つかあるわけで,

 (4)同一テキストの繰り返しが多すぎる   一日の行動決定時の会話テキストや戦闘突入直前のヒロインの掛け声などが典型ですけど,ともかく同じテキストの流用が多すぎる。下手をするとプレー中に読まされたテキストの1/3〜1/2が同じテキストだった気すらします。また,前作と違って基本的にスイートナイツ3人を全て凌辱し捕獲しないと先に進まない仕様のため,調教が完了してしまったヒロインを再度選択すると毎回同じHばかりを見させられる点などもかなり気になりました。ここら辺は微妙に会話内容を変える等の工夫が欲しかった所ですね。

 (5)キャラによって扱いに差がありすぎる   ぶっちゃけ,ココノとスイートリップ狙いなら勝ち,それ以外が狙いなら負け,そうお考え頂いて結構だと思います。それほど作中での扱いやイベントの力の入り具合,エロの数などに差があります。ティアナ姫やエレニス,フェリセス狙いの方には厳しいといわざるを得ません。特にフェリセスなんか,エルウィンとのH1回しかないし……。個人的にはティアナ姫やフェリセス関係のイベントも期待していたので,ちょっと残念でした。

 これらが挙げられると思います。ただまあ,全体としては良くできていたんじゃないかと思いますね。


【結論】A−
 「続編が出るたびに完成度が増していく点は高評価。今後はゲームシステムにおける作業感の解消と魔法戦士ものとしてのリアリティ追求が課題か」。魔法戦士・変身ヒロインスキーの一人として,最近このメーカーのスイートナイツシリーズは外せなくなりつつあります。レビューにも書いた通り,(個人的に拘りがある故に)粗を探そうと思えばいくらでも見つかってしまうんですけど,でもそういったものを考慮してもなお満足できる,そんな出来だと思います。上記2点の大きな問題点がありますし,また今後の更なる進歩を期待する意味でも敢えて評価はA−としておきますが,個人的にはかなり抜きましたし,話的にも楽しめたので大変満足しています。変身ヒロイン属性や魔法戦士属性をお持ちの方には強くお薦めできる一作です。

 これからこのシリーズがどうなるのかはわからないですし,メーカー側も雑誌等で続編制作の有無は未定と述べていますが,個人的には今後もこのシリーズは続けていって欲しいですね。続編出たら絶対買うから,是非お願いしますよ,トライアングルさん。

 マイ萌えキャラ→七瀬凛々子。いやまさか,こんなにおいしいキャラになるとは……。



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