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 Soul Link
 メーカー名:Navel
 発売日:2004/12/17
 メーカーホームページ:
http://www.project-navel.com/        評価:A−(85点)
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 17日は新作が多かったので当初は諦めていたんですが,ふとした機会に体験版をプレーして変心。急遽購入対象にしました(ちなみに通常版の方。PREMIUM BOXはでかすぎ&欲しいものがなかったので回避)。古き良きSF的世界観を描き出したエロゲーということで,個人的にはかなり期待して買った一作です。果たしてその出来や如何に。


【システム】A
 機能面・動作面ともほぼ完璧。使いにくさや面倒くささ,不快感といったものは一切なしでした。機能面では前作「SHUFFLE!」同様,フルインスト時のディスクレスプレーが可能ですし,音声再生機能つきバックログや音量の各種調整機能(キャラ毎の音声のON/OFF機能もあり),スキップの詳細設定機能(選択肢後のスキップ継続の有無や未既読判定の如何を別個に設定可能),画像&メッセージ表示機能つきのセーブ&ロード機能等も完備されています。特に,今作においては章選択機能の存在を特筆しておきたい。本作は章別編成を取っていますが,基本的に各章で好感度は独立しており,繰り返しプレーの際にも当該章のみを選択しリプレイすればよい仕様になっています。これは非常に助かる機能でして,一々頭からリプレイする必要が無く,そのため共通ルートの多さにウンザリさせられることがないのは良かったです。

 また,動作自体も終始軽快・安定していてすこぶる快適にプレーすることが出来ました。さらに,今回はメディアがCD-ROMからDVDに切り替わったために,前作のようなインストールの手間も無く,文句なしです。模範的なシステムといって良いでしょう。このように足回りがしっかりしていることは(本当なら製品として出す以上は当たり前のことなのかもしれませんが,残念ながら不十分なメーカーが多いだけに)感心します。◎ですね。


【絵】A−
 担当は「鈴平ひろ」氏。目と口元の描き方が独特で,基本的にスラリとしていてかつ可愛らしい絵を描かれる方です。個人的には大好き。しかも今回はソロで担当されているだけに,「SHUFFLE!」で感じたようなちぐはぐ感(西又氏とのアンバランスさ)を感じることもなく,純粋に鈴平氏の絵だけを堪能できたので非常に満足度合いは高かったです。また,今回は前作で指摘したソックスの質感描写やHの構図等も大幅に改善されており,私としてはかなり感心しました。特にユウとのH(窓に体を押しつけて挿入するシーン)や沙佳とのH(ニーソを着用したままで挿入→破瓜)はかなりいい構図だったと思いますね。さらに,通常の一枚絵もいい。七央は可愛らしいCGが多くて見ているだけで惚れ惚れとしますし,沙佳は沙佳で涼太の上に乗っかっているCGなんかは下手するとエロ絵よりもエロく見えるくらい(w)魅力的。GJ! まあ,正直通常絵・エロ絵ともにまだ構図やデッサン面で不自然さが残っていたりもする(あり得ない姿勢・ポーズを取っていたり,集合絵のときや描写角度が特殊なときに顔が崩れ気味になったりする)のですが,それらを差し引いてもクオリティは高いんじゃないでしょうか。個人的には大変満足しております。


【音楽・音声】音楽:B+,音声:A
 音楽については全体的にみてクオリティは上々。特にOP「Not Found」はイントロからの盛り上がり方が個人的に好みで,かなり気に入っています。BGMについても特筆すべきものこそないものの,場の雰囲気にあった楽曲が中心で良かったのではないかと思いますね。効果音の面でも充実していますし,音の面で不満に思うことはありませんでした。

 他方,音声については前作同様男性も含めてフルボイスですが,そのレベルはきわめて高い。声質,キャラとのはまり具合,演技力,どれをとっても完璧。どっかで聞いたことのある人ばかりの(w)男性声優は勿論のこと,女性声優陣もかなり健闘しています。特に,七央(@長澤仁美)の演技はケチのつけようがないほどに素晴らしく,嘆き苦悩し涙するシーンでの迫真の演技に,プレーしていて思わず涙腺がゆるんでしまうほど。エロさの面で貢献しているかどうかはやや疑問の余地がありますし,また人により演技力に差があるのも事実ですが,でも総じて良い仕事をしています。さらに,音声の入れ方・使い方も上手い。たとえば,主人公キャラについてプレイヤーがそのキャラを操作している時にはボイス無しだが,操作する対象が別のキャラに変わったらそのときにはボイス有りになる,というのが好例。主人公なら一律にボイス無し,みたいな画一的な対応をするのではなく,必要に応じてボイスの有無を切り替えるなど,無音状態によるテンポの悪さを作らないよう終始工夫しているところは感心しました。声に関しては大満足の出来ですね。


【エロ】B−
 「SHUFFLE!」に比べるとかなり健闘しています。数的には各キャラとも2回程度を完備(一部例外有り)。また,内容面では着衣Hが中心であり,制服のデザインやH構図が良いことも相俟って前作よりもかなりエロくなっており,抜けます。シチュ的にも純愛Hが中心で,女の子の健気さや破瓜の際の辛さなどがストーリーやキャラ設定から乖離することなくしっかりと描かれており,その手の属性をお持ちの方は満足できる出来だと思います。しかも純愛Hだけでなくて今回は陵辱Hもいくつか盛り込まれており,H面でメリハリがあったのは良かったです。

 ただ,不満だったのは,純愛Hに比べて陵辱Hの描写がいい加減だったことですかねえ。挿入してすぐに画面がフェードアウトしてしまったり(七央陵辱で顕著),挿入したところがCG上で表現されていなかったり,そもそも挿入せずに終わってしまったり,といったことが多く,残念ながら陵辱Hとしては十分な出来とはいえません。中途半端な出来のせいで正直抜けるとは言い難いです。どうせやるなら半端なところで止めるのではなくて,徹底して貶めるくらいの気構え・姿勢は欲しかった。勿体ない。あと,たとえば沙佳のHシーンで挿入する前から「ペニスを挿入されて破瓜の血を流している」CGが表示されるなど,場面と一枚絵に齟齬を来しているシーンが散見されたのも残念。差分絵でそういった細かい(が,Hでは重要な)点をちゃんとフォローするか,さもなくばCGの表示タイミングを考えるかして,もっとHシーンの演出という面にも拘って欲しかったなあ,と感じました。


【シナリオ】A−
 担当は「藤海琢樹」氏ですが,驚きました。正直,ここまで話が面白くなっているとは思いませんでした。「SHUFFLE!」に比べて一番進歩しているのがこの点ではないでしょうか。

 話の基本軸としては,主たる登場人物である士官候補生たちは宇宙ステーション「アリエス」に滞在し訓練を行っていたが,突然テロリストの襲撃を受け,地上から隔絶されたこの空間の中に閉じこめられてしまう。そこで,この事態を打開し地上へと脱出する術を求めて模索を続けていくうちに,段々と事件の真相へと迫っていくことになる,というもの。最初は士官候補生 vs テロリストという単純な対立構図だったのが,話が進むにつれて次第に事態が混迷の度合いを深めていく,そういった様子を様々な出来事を時間軸に沿って配置することで表しつつ,ヒロインとの愛や仲間との信頼といった「Soul Link」を描き出すことで最終的に一つの一貫性のある話へとまとめ上げています。

 本作シナリオの特徴はマルチサイトシステムが用いられていることでしょう。必要に応じてプレイヤーが操作するキャラクターを変えることで,1つの事象を様々な視点・様々な思惑から眺めることが出来る。そしてこれにより,最初はわからなかった事態の真相へと徐々に迫ることが出来るよう工夫されています。特に1章と2章では主人公自体が完全に交代することになりますが,これはストーリー上の必要性・視点の複眼性いずれの観点からも合理的であったのではないかと私は考えます。さらにこのシステムは,たとえば「男の視点では気丈に振る舞っているように見えた女の子が,実は相当無理をしていたのだということがその女の子の視点になってみてよくわかった」というように,登場人物の心情を描写する点でも有用に働いている感を受けました。

 また,今作のシナリオのもう一つの特徴は,メインとなるストーリーが基本的に一本道だということです。確かに,2章では数人のヒロインの中から1人を選ぶことになりますが,しかしだからといってその選択が話を大きく変えたりはしません。2章において当該ヒロインとの会話がメインとなり,そしてあとは2章のエンディングで違いが出るくらいのものでしかない。ネタバレ故詳細は語りませんが,基本的に本作は七央&秀平+αのためのシナリオとなっており,ぶっちゃけ2章の涼太&選択したヒロインは,七央&秀平+αの話を描き出すための枕にしかすぎないのです。ですから,マルチサイトシステムや章別編成をとっているにも関わらず話に一貫性を保つことが出来ている反面,明らかに七央とそれ以外のヒロインとの間で扱いに差がありますから,その点はご注意頂いた方が良いと思います。

 次に,話の具体的内容について。このサイトではネタバレは極力しないという建前がありますので,子細に具体的な中身について言及することは差し控えますが,大きなネタバレにならない範囲で何点かコメントを付すと,

 (1)紆余曲折あるものの,最後は比較的綺麗に,気持ちよく話が終わるようになっている。この点についてはご都合主義的予定調和だという批判もあり得るとは思いますが,個人的にはご都合主義だろうがなんだろうが,やはり最後は気持ちよく終わった方が良いと思っている人間なので,鬱ゲー的に切り捨てたりせず,最後までちゃんと話の面倒を見た点は評価したい。特に作中で七央が苦しみ悲嘆にくれる姿を胸がつぶれる思いで見続けただけに,最後ハッピーエンドを迎えられたときの爽快感はひとしお。やっぱこうでなくっちゃね。

 (2)登場人物が男女を問わず魅力的。この点は「SHUFFLE!」でもそうでしたが,ここのメーカーのキャラクターは非常に良く立っていて好感触ですね。特に今回は変な口癖や極端なロリ化などで煙に巻いたりせず,純粋にキャラクターの魅力で勝負をかけてくるヒロインが多かったのは良かった。みんな良いキャラなんですよねえ。特に七央は滅茶苦茶健気で可愛くいて,わたしゃあもう……(*´Д`)ハァハァ。この点は大満足でした。

 (3)ゲームシステムとストーリーが上手くリンクしている(1章)。敢えて選択肢の難度を上げ,プレイヤーにシビアな選択を常時迫ることで,「ぎりぎりのところで生き残っている」ということが良く出せているんじゃないかと思います。選択肢の内容自体も会話内容よりもその時々の行動を選ぶものが中心で,中にはカンで選ぶしかないものも多数存在します。いつもならこういう選択肢は批判の対象としていますけど,今回に限っていえば生死を占う選択に理屈もクソもないということを表現しているとも取れ,個人的には納得しましたね。

 (4)1章と2章以降とで話のカラーが異なる。1章はシビアな選択をし続けて生き残りを目指すという,まさにサバイバルに主眼がおかれているため,かなりの緊迫感とスリルをはらんでストーリーが展開されていきます。それに対して2章は1章のような緊迫感は殆ど無くなり,普通の美少女ゲーム的なほのぼのとした空気が流れます。ぶっちゃけ失速する,ということです。私自身はこのようにカラーが違うことでかえって話にメリハリが出たと肯定的に評価していますが,人によってはこのことを否定的に捉えるかもしれません。

 (5)ヒロインと出会ってから結ばれるまでの過程が唐突すぎる感がある(2章)。幼なじみとして確固たる繋がりのある七央&秀平(1章)とは違い,2章で涼太とヒロインが結ばれるまでの過程がいかにも短すぎて,「どうして惹かれあったのか」が良く伝わってこないように感じられました。確かに緊急時で恋を育むわけですから多少の唐突さはやむを得ないとは思いますし,それに1章段階から親密さを描き出している沙佳とならある程度納得できるんですけど,流石に殆ど接点の無かった他のヒロインといきなり結ばれるというのは,ちょっと不自然な気もしますね……。

 (6)発端の部分を中心に,やや説明不足なきらいがある。ネタバレ故詳細は語りませんが,特に秀平が変化した発端(彼女が秀平に初接近したこと)などで顕著。昔こういうことがあったのだと簡潔にテキストで述べるにとどめるのではなくて,その当該シーンを回想形式で挟み込むなど,もう少しプレイヤーに認識して貰えるよう留意・工夫して欲しかった。この件に限らず,ゲーム期間外に起こったこと(=作中では描写されていない出来事)に重要な意味を持たせ,それを,あとで追認するかのように簡単に説明してすますことが多かったですが,これだとなんだか話が蚊帳の外で勝手に展開しているかのように思われてしまって個人的にはちょっと不満でした。

 (7)基本的に一本道で共通ルートが大半を占めるために,初回プレー時に比べて2週目以降のボリュームが少なく感じられる。ルートにバリエーションがあるのが2章のみに限られ,しかもそこでも共通ルートが多数存在するために,正直1回プレーすれば十分なゲームになっています(あとは章選択機能を用いて必要なところだけ回収すれば足りる)。そのため,1回目は話自体が面白いこともありかなり読み応えややり甲斐があるんですが,2回目以降は殆どボリュームが無く,その為全体的にもボリュームが不足気味に感じられてしまったのが残念。良くも悪くも1回っきりのゲームでした。

 まとめ。ボリューム不足の感があるのは残念でしたが,総じて出来は良いのではないかと思います。私はSFに関してははっきり言って素人ですから細部の設定について粗がないのかを判断することはできませんが,少なくともSF的な雰囲気・世界観は良く描き出せていたのではないでしょうか。私のように「細かいことは気にしない。大体の雰囲気を楽しむ」という人間にとっては,かなり満足できるシナリオだと考えています。


【結論】A−
 「堅実にしっかりと作品を作っていることがよくわかる良作。突出して光るところはないが,その分粗を出さずに手堅くまとめているところが好印象」。欠点のない良作だと思います。足回り完璧・ストーリーは手堅くしっかり・キャラクターは魅力的・数的には少なめなものの純愛系を中心にHも健闘,とそつのない作りで安心して購入できる一作です。細かい設定に拘る方やエロ重視の方などには向きませんが,それ以外の,特にエロゲー初心者の方を中心に大いにお薦め出来る作品だと私は思いました。てか,「SHUFFLE!」からここまでいきなりレベルアップできるとは思わなかったよなあ。個人的には大満足の一作ですね。

 マイ萌えキャラ→沙佳やユウなども良いんですが,やはりトップは森崎七央しかいませんね。本当に健気で可愛らしい魅力的なヒロインで,最高です。彼女が作中で苦悩する様は見ていて心苦しい限りでした。だからこそ,ラストでハッピーエンドとなったときは嬉しかったですねえ。本作は七央のためのストーリーといっても過言ではないので,キャラクターの造形の面でも突出している感があります。是非本作をプレーして,彼女の魅力を感じて頂きたいですね。


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