パルフェ〜ショコラ second brew〜【投稿者:GF長官さん
 メーカー名:戯画
 発売日:2005/03/25
 メーカーホームページ:
http://www.web-giga.com/        評価:A+(95点)
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  当サイト常連のGF長官さんからレビューを頂きました。ありがとうございます!
  私の書いたレビューと比較対照しながらお読み頂くと,
  本作についてより客観的に判断が下せるのではないかと思います。


半年振りのレビューになってしまいました。
DS(Duel savior)から2〜3本は買ったんですが、どれも途中で挫折。
"いかん、いかん、継続は力なり"と自分に言い聞かせつつ、
いつしか時日は過ぎ去ってやってまいりました2005年春。

いやもう楽しみにしていたってだけじゃ言い表せませんよ。
とりあえず体験版を落としてプレイした瞬間に、
その当時やっていた某ゲームの継続意欲が瞬殺されたほど期待してましたから。
・・・ええ勿論そのゲームはいまだ終わってませんが何か?(ぉ

ショコラと同じ原画、脚本、DS、BF(Baldr Force)のプログラマー陣で
期待するなというのが無茶な話。

では、久々のレビューに行きましょう。


【システム】S
システムとしては完成形に近いDSのシステムを改良して
さらに使いやすくなってます。

足回りは完璧。
ショートカットによるセーブ機能に加え、各選択肢でのオートセーブ機能、
ホイール完全対応、音声再再生・・・と文句の付けようの無い出来。
また、Fキーでの色々な一見無駄とも思える面白機能も搭載。
F9キーとか面白かったし、F1キーは子持ちのパパや実家住まいの人間にはうれしい機能ですわなw

そして今回最も際立っているのがイベントシート機能。
これは各イベントに対し、発生条件、対応キャラ、日時、重要度などが一目でわかる機能で、
例えばどうしてもTrueEDに入れないとかいう時でも、一目で足りないイベントがわかるという優れもの。
正に攻略サイト殺しの機能ですw
勿論最初から全ての条件が見れるわけではなく、通ったイベント(場合によっては
条件達成時のみに発生するイベント)に関してだけそのイベント情報が開くというシステム。
且つ、そのヒロインのNormalEDに行った場合はTrueED条件の情報が追加されます。
これ一つで難易度ととっつきにくさが格段に下がりました。
勿論見ないでプレイするのも可能ですし、非常にプレイヤーの視点に立ったシステムといえるでしょう。

ある意味"これ以上の足回りはあるのか!"といった素晴らしさです。
これを超えるとなると「もふ×もきゅ」のC.S.S機能をこれに足す位なものかなぁと。

足回り以外のシステムでは、前作"ショコラ〜maid cafe "curio"〜"で不評だったイベントの重複も
時間軸を短縮することによって解消。
まさに読ませるために贅肉をそぎ落としたシステムになってます。

また立ち絵を動かしたり背景にエフェクトを入れたりと某ゲーム以降よく見かけるようになった、
"魅せる演出"もしっかりされてますし、それを補完するSEやスクリプト操作も完璧でした。
SEといえば、携帯着信音とかも何種類かあったりして、それがまたネタになっていたり・・・w
かなり凝った(力の入った)よく出来たゲームだなぁと関心しきりでした。


【音楽】A+
主題歌はI'veのKOTOKOさんが歌う「Leaf ticket」。
最初、OHPからDLしたOPムービーを見る限りではそれほどでもなかったんですが、
買ってプレイした後にOPを見ていると思わず口ずさんでいる自分がいてちょっとびっくり。
前作の「cream+mint」もそうでしたが、しっとり系の曲ですが中毒性は抜群。
またEDは歌つきは数あるルートの中で一つだけ。
後はイントロだけという形のようです。
BGMは自己主張は小さいですが、それぞれ良くまとまった、場面に合う曲ばかり。
よく出来ていました。


【音声】B+
うーん、これがこのゲーム最大にして唯一とも言っていい欠点。
とりあえず一番致命的だったのがメインヒロインの一人里伽子。
今回のキャラ設定は基本的に前作を踏襲しているので、
里伽子はショコラで言えば香奈子の位置付けな訳で、
ストーリー全体的に最も重要な役割であるわけです。
この中の人が一番下手だったのには萎えた・・・。

里伽子は最初の頃はボソボソしゃべっているのであまり気にもしていなかったんですが、
中盤以降、感情を爆発させるシーンが増えるにしたがってその技量の無さを露呈。
叫ぶシーンとか、もう雰囲気ぶち壊しでしたねぇ・・・。
棒読みなんだもんなぁ・・・(苦笑)
シナリオは里伽子ルートが一番泣けるだけに余計にそのギャップが目立ってました。

後のメインヒロインの中の皆さんは基本的に合格点クラス。
恵麻さんの中の人が一番しっかりしてましたね。

脇役陣は全く問題なし。
むしろこっちのほうがレベルが高かったし。
桜川未央さんとか何で脇役なんだろ?って感じでしたしねぇ。
男性陣が一番レベルが高いってのもなんだかなぁとは思いましたが。
脇役がしっかりしないとドラマは駄目になるってのは日本物のお約束だから、
これが正しい姿なのかもしれないと途中で自分を納得させにかかっている自分がいましたよw

それでもやはりメインヒロイン陣の拙さが印象に残ってしまうのは
前作の声優陣があまりにもしっかり合っていたために、
それと私が比較してしまったことで、私の印象として粗が目に付いてしまった
というところも評価のマイナスにつながっています。


【絵】A+
原画はねこにゃん氏、背景は草薙氏。
やはりねこにゃん氏はフリフリ服のキャラ描かせたほうが
キャラが生き生きとしていると思いましたね。
塗り、ラインとも全く問題は無し。
カチッと決まった制服のデザインなんかは流石かと。
背景も綺麗の一言。
細かく書き込まれた背景は見事でした。


【エロ】A
純愛物として十分な量と尺とシチュは揃ってます。
基本的に絡みはヒロイン一人当たり最低3回。
巨乳陣はパイズリ完備w
但し、各ルートに入ってから怒涛のように絡みまくりますので、
抜き目的の人には合わないかな。
着衣Hあり、コスHは全員装備と全体的に質も高め。
下着のデザインにまでこだわっているのは脚本の方の意見なのか原画の方の意見なのか、
はたまた別の方の意見なのかは置いといてw


【脚本】S
担当は丸戸史明氏。
いやもう期待に違わず見事な出来でした。
各キャラとも設定は細かく、且つそれを十二分に活かしたストーリーの進め方。
掛け合いは各キャラの特徴を活かし、伏線張りなど機知に富んだ台詞回し。
後、脇役(特にオヤジキャラ)の使い方が非常にうまいのは相変わらずです。
伏線と脇役を使いこなして話を膨らませていき、
起承転結のしっかりしたシナリオを作っていくのは凄いの一言。
全く飽きの越させない見事な出来でした。

序盤〜中盤〜終盤と繋ぎ方も完璧に近いですし、盛り上げ方、オチの付け方なんかも最高。
共通ルートはやや少なめですが、これは共通ルートというもの自体が
完全に時間軸設定と割り切られているためのようで。
従って選択ルートにおいて各キャラ攻略時に基本軸は一緒でも各キャラごとに別々のシナリオを
読んでいるのと変わりがないため、読んでいて飽きの来ないつくりになっています。
全ては各選択ルートの中で語られていますので、
共通ルートでその話が出てきても齟齬をきたすようなことは一切ありません。

プロット構図的には「らずべりー」と同じと考えていただければいいのかな
(マイナーネタですみませんw)
プロローグ〜各キャラ選択ルート〜各キャラ専用ルートの3部構成になっているようです。
また、シナリオが対になっているキャラが2組あり、中盤まで実質6ヒロイン4ルートに
なっているようですね。
但し、対のキャラで同時攻略は実質不可能になっていたりw
後、とあるキャラでは専用ルート突入後BADEDがありました。
これはちょっとびっくり。

全体的に感動系のシナリオが多いです。
「終わっちゃったよぉぉぉぉっ!」とか、「本当に・・・本当に・・・しょうがないなぁ〜」とか。
色々印象に残る台詞も多いし、
ヲチ台詞としては「ナポリタンの色はタバスコの色〜」とかね。

因みに里伽子ルートは最後にすることをお勧めします。
各ルートとも出来は非常にいいので里伽子以外は誰からやってもかまわないと思いますが。


【総評】A+(95点)
本当は満点を出したいところなんですが、先述したようにボイスがね・・・。
声を入れる以上は演技力は必須というのは当たり前の話ですし、
特に今回は一番の重要キャラというか、一番感動できるシナリオで
ストーリー全体の鍵を握る人物の中の人が一番下手というのはちょっといただけなかったですね。
そこだけ、私が認識した不満点は本当にそこだけでした。
とにかく出来のいいノベルス物です。
ショコラといい、パルフェといい続き物で2作ともいいものを出したのですから、
次回作も期待させていただきましょう(あるのか?w)。
とりあえず今年の今までの作品の中では一番の出来じゃないかと。

また、ショコラのネタとか、今までの戯画作品のネタとかシナリオだけではなく色々な所に
そういう笑えるネタが仕込んであるので、
とりあえず前作"ショコラ"は最低限プレイされたほうがもっともっと楽しめると思います。
一応今作だけでも十分楽しめますけれどね。

純愛作品としては胸を張ってお勧めできる出来でした。


【お薦めキャラ】雪乃明日香
前作ショコラで言うと結城すずの役割に近いキャラ。
但し、極度に甘えん坊ではないし、仕事もこなせるし、かなりしっかり物のキャラ。
全ヒロイン中1,2を争う巨乳ってのも私的にはGood。
芯はしっかりしているわりには、舌足らずな喋り方がラブリーw
「てんちょ」とか、「せんせ」とか、可愛すぎる!
「守ってあげたくなる」キャラだったってのが一番大きな理由。
最後の盛り上げ方は里伽子ルートの次に感動できますし、
欝系のネタではないですし。
猫並みに感情がコロコロ変わるのも良かったですね。

玲愛とかもツンデレ系でよかったんですが、
やはり前作の大村翠(今作でも玲愛ルートで登場)に比べると、
掛け合いの面白さは及ばなかったかな。
やはり翠のときのように昔からの因縁があるかないかの違いが大きかったな・・・と。
出来自体は非常にいいんですけどね。
ショコラは香奈子派じゃなくて翠派だったもので。
その関係で点数付けが厳しくなってしまったことは否めませんがw
基本的に前作程ルートによって印象度に大きなバラつきは無し。
ショコラで一番割を食ったといっていい、さやか的役割のかすりも
序盤と終盤の見せ場は本当に面白かったですし。
全体的に噛ませルートが無かったのはすごかったですねぇ。



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