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 ミステリート〜不可逆世界の探偵紳士〜
 メーカー名:Abel Software
 発売日:2004/05/28
 メーカーホームページ:
http://www.abelsoftware-jp.com/        評価:A−(80点)
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 ハードボイルドって題打たれちゃうとついつい買っちゃうんですよね。特に原画がCARNELIAN氏だったりすると尚更。しかも,今回は巷で評判の良い(かつ個人的に未プレイの)「不確定世界の探偵紳士」のリニューアル版「不確定世界の探偵紳士Rebirth!」が同梱されるということで,迷わず「探偵紳士Superバリューパック」ver.を購入してみました。

 なお,本作は「不確定世界の探偵紳士Rebirth!」の続編ということで,前作との強い連関があると聞き及んでいます。そのため,前作をプレーした後に本評価・レビュー内容を修正する場合もあり得ますので,その旨あらかじめご了承下さい。

【バグ・不具合】
 (1)第4話を開始し,マイとセントラル街で会話したあとにセントラルホテル内の部屋に移動するとエラー表示が出て強制終了する点,(2)発話主が変わってフェイスウインドウも変化したのに,前の発話主の台詞が消えないでその下に続けて新しい発話主の台詞が表示されてしまう点,(3)場面を問わず誤字脱字が多かった点,以上3点ほど指摘しておきます。早急な対処が求められるところです。


【ゲームシステム及び内容】
 基本はADV(「EVE」等,探偵ものADVでは良くある画面総当たり式)ですが,本作では各話の要所要所で推理問題が挟み込まれています。具体的には犯人推理,暗号解読,論理操作など。これが結構難しくて,推理ゲームとかが苦手な私としてはかなり苦戦させられました。ただ,段階を追って難しくなっていくよう考えられて配置されていますし,適度にヒント等もまぶしてくるので,何時間か悩み続ければ回答できる,そんなレベルです。個人的にはこんなに悩んだゲームは久しぶりで,とても楽しませてもらいました。たまにはいいですねえ,こういうゲームも。出来の良い推理小説のように,すっかり主人公の探偵になったつもりで推理しちゃいましたよ。ゲームとしての面白さは文句なくAクラスで,大変よろしいと思います。

 また,本作では場所移動の際にはマップ移動形式(自分でキャラクターを操作して移動させる形式)をとっています。このため,場所を移動するのにいちいち時間がかかるという短所がある反面,自分で実際に移動している感覚がでていますし,また,最後の推理問題でもこのマップ移動形式が良い意味でゲームの難易度を上げており(詳細はネタバレ故省略。やれば分かると思います),有効に働いたのではないかと思いますね。

 総じて,探偵ものADVとしては洗練されたゲームデザインで,単なる紙芝居に終わらず積極的にプレイヤーの参加を促進している点,高く評価できるのではないかと思います。◎。


【システム】D−
 システムについてですが,非常に使いにくい。特に(1)セーブがマップ移動中にしかできない点,(2)セーブが5個しか出来ない点,(3)ロードがタイトル画面でないと出来ない(ロードする際にはいちいちタイトルに戻らないとダメ)点,(4)CG・シーン・音楽回想モードが無い点,(5)起動時に毎回ディスクチェックがある(「蒼色輪廻」と同様のSTAR FORCE Copy Protection Systemを搭載しているため)点,以上5点は最悪。もうちょっとユーザーのことを考えたシステムにして欲しかったというのが本音ですね。特にセーブ&ロード関係が使いにくかった点は強調しておきたい。バックログで会話テキストがコピー可能な仕様(欲しい部分をマウスで範囲指定し,右クリックでコピーを選択するだけ)などは非常に良かったですし,動作も安定軽快で快適にプレーできたんですが,それ以外の基本的な部分の足回りがなっていないというのが私感です。残念。


【音楽・音声】音楽:B,音声はなし
 音楽については特筆すべきものはないですが,作品の雰囲気にはよく合っていて良かったと思います。特に暗めの音楽が良い意味でプレイヤーの焦燥感とか恐怖感を増長させており,効果的だったんじゃないかと思いますね。また,効果音などもふんだんに用意されており,臨場感のある演出になっていた点は高く評価したい。ただ,唯一マイとサファイアとの格闘シーンで,なんの効果音も用意されていなかった点は不満。折角格闘しているのに,なんの迫真さも無かったのはかなり残念でしたねえ。

 他方,音声はありません。うーん,私は音声必須論者というわけではないですけど,本作に限っていえば,やはり音声は欲しかった。キャラ同士の魅力的なやり取りとかが沢山ありますし,また「女装している主人公の声が女そっくり」みたいな発言が作中で飛び交うだけに,音声でそこら辺の所をしっかりと演じてもらえると,より作品に対する没入度みたいなものも増したんじゃないのかなあと思います。残念。


【絵】A−
 担当は前述の通り「CARNELIAN」氏。超有名&実力派原画家さんだけに,今更私がその良さを褒め称える必要など無いと思いますが,今作も相変わらず魅力的な絵で◎。特にマイや深雪なんか,いいですねえ。ただ,(1)絵柄が統一されていない&デッサンに崩れのある一枚絵が散見されたこと,(2)塗りが単調かつ暗すぎる場面が多く,氏の絵柄とそぐわないように感じられた箇所が多かったこと,この2つはかなり気になりました。


【エロ】E
 エロ狙いの方,はっきり申し上げましょう。地雷です。これは間違いないと思います。このゲーム,普通にやれば数十時間かかる大作ですが,なんとHはたったの2回(深雪と芹奈1回ずつ)のみ。しかも両方とも全裸H&音声無し。もうどうしようもないです。それ以外にもHに行きそうなのに行かない,そんなキャラばっかりでガッカリします。それはもう,もう別に男でも構わないから女装した主人公を掘らせやがれ,そんな血迷い事が一瞬頭の中で浮かんでくるくらいに。Hが殆ど無くて大半がコンシューマ的なお色気シーンであり,「なんか,この部分だけカットすればコンシューマにすく出せるな,いや,初めからそのつもりなのか……?」と思わず邪推したくなる,そんな状況ですね。やはりエロゲーとして出す以上,ちゃんとエロも作るべきだというのが私の持論でありますので,残念ですが本作についてはこれ以上の評価は出せません。

 せめて「深雪の着衣H」+「マイの暗殺服H」+「水陰のグラマーver.での着衣H」+「サファイアの着衣H(普段着・変装時とも)」+「アルゲリーチの着衣H」は最低限欲しかった(というか,これらが完備されていれば,多少の粗があってもAをだした)です。H自体の出来は決して悪くない(一枚絵も多いですし,描写も初々しさが出ていて良い感じ)だけに,もっとHには拘って欲しかった,これが私の本音ですね。残念。

 →(2004/06/05追加)メールにてご意見を頂いたんですが,どうも本作はもともとはコンシューマで出す予定だったものらしく,「PC→コンシューマ」ではなくて「コンシューマ→PC」という流れが正しいみたいですね。なるほど,あの体たらくなHはあとから追加したものなのか……。


【シナリオ】A
 最初にお断りしておきますが,本作では話が完結しません。謎や衝撃の事実を振りまくだけ振りまいておいて,あとは「ミステリート2」に続く,とゲーム中で投げてしまっています。そのため,話全体の評価(話自体の整合性,前作との連関,伏線の回収状況等)を下すことはできません。ここら辺,やっていて非常に驚くとともに,C's wareの「ADAM」をプレーしたときに感じたような中途半端さ・消化不良感を感じてしまったのは事実です。やはり,分割商法的な作り方というのは気持ちいいものではないです。

 ただ,じゃあやっていてつまらなかったのかというと,それは断じて違います。はっきり言ってシナリオとしては珠玉の出来で,やっていてぐいぐいと引き込まれていく,そんな作品です。一見5つの事件を1つのゲームにぶち込んだだけの作品に見えながら,実はそれぞれの事件(及びそれらの登場人物)が相互に絡み合っており,5つの事件を通して一つの世界を描き出している点は高く評価したい。その場限りで出てきたように見えるキャラクターやその発言が,じつはあとの話で大きな意味を持ってきたりするなど,作中に縦横無尽に張り巡らされた多々の伏線がストーリーを深化させているのは凄いです。また,前作「不確定世界の探偵紳士Rebirth!」との繋がりもしっかりしていましたし,ラストの展開も個人的には想像のつかないものでかなり驚かされました。続きが気になって仕方がないです。てか,早く続きをだせよヽ(`Д´)ノ ウワァァン。

 確かに,個々の要素を微視的に見てみると矛盾点や気になるところが無いわけではない(例えば,急に轟木刑事の評価が肯定的になるところなどは,やっていて違和感を感じました)ですが,それらを補ってもなお余りある魅力的なストーリーで,個人的には本作の出来自体にはかなり満足しています。


【結論】A−
 「ゲームとしてはかなり出来がよいが,エロゲーとしては失格。正直これはエロゲーとは言えない」。頭を使って楽しめる・絵も概ね綺麗・シナリオも魅力的・ボリュームもたっぷりと,ゲームとしては申し分ない出来なんですが,これがエロゲーとなると評価を低くせざるを得ないのが残念。はっきり言ってこれほどエロの薄いエロゲーは初めてです(それこそ【エロ】項でも邪推したような,コンシューマ化のための準備じゃないかと思ってしまうくらいに)。また,分割商法的な作りや音声の未搭載などもやはり減点要素ですね。ホント,これほど楽しめたのにこのような低めの点数となってしまったのは遺憾ですが,ただまあ,やっぱエロゲーとしての評価はこの程度とせざるを得ないよなあ……とかなり複雑な気持ちを抱いている,そうご理解頂けると幸いです。勿体ない出来とはまさにこのことですね。

  (;´Д`).。oO(てか,先が気になって仕方がないから早く「2」だしてよ,アーベルさん)
  (;´Д`).。oO(もち,出してくれたら速攻で買うからさあ……待ち遠しい……)

 マイ萌えキャラ→南条深雪と二択で悩んだんですが,やはりここは氷川マイで。クールな暗殺者の彼女が,エンディングで主人公におんぶされて照れてるシーンなんか萌えますねえ,マジで(w。



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