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 雪桜
 メーカー名:D.O.
 発売日:2003/11/28
 メーカーホームページ:
http://www.do-game.co.jp/   評価:A−(80点)
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 担当ライターが「北側寒囲」氏ということで,デフォ買いです。また,今回は絵もなかなか可愛かったし,体験版の出来もとても良かったので,発売前からかなり期待していました。

【システム】A
 CD-BROS系汎用のシステムを使用しているので,相変わらずとても使いやすいです。メッセージスキップに未既読判別ON/OFF機能あり,バックログ時に音声を再生出来る,音声をキャラごとにON/OFF可能,ホイールマウス・Ctrlスキップに対応,BGM・音声・効果音のボリューム調整可能etc.と,有ると便利な機能は概ね網羅されています。また,動作も頗る軽くてかつ終始安定しています。配置が独特で最初はやや戸惑いますが,一度慣れるとここのシステムはとても快適です。◎。

 ただ,敢えて不満を挙げるとすれば,(1)CDレスプレーが出来ない(ゲームスタート時にGAME DISKが必要),(2)アクティブウインドウにしないと動作が止まってしまう(他と同時進行で動かすことが出来ないのでスキップ等が面倒),この2つだけかな。特に後者は意外と不便なので,今後改善されることを切に希望します。不満はそれだけしかなく,総じて出来の良いシステムだと言えると思います。


【音楽・音声】音楽:B,音声:A−
 音楽は可もなく不可もなくで,突出した出来のものはありませんが,作品の雰囲気には良くマッチしていたと思います。主題歌も,オーソドックスな出来ではありますが,病みつきになるメロディラインだと思いました(ただ,ボーカルにパンチが無いのは残念ですが)。あと,相変わらず効果音(電話の呼び出し音やハリセンの音など)やイフェクト(距離に合わせて音声をフェードアウトさせていた点など)等が充実していたのは好感触。

 他方,いつも「音声無し→あとで完全版発売」で物議を醸しているD.O.の音声ですが,今回はちゃんとあります。しかも男性を含めてフルボイスであり,そのレベルもなかなか。ここまでできるなら,いつもちゃんと入れて欲しいよなあというのが率直なところですね。で,出来についてですが,個人的には美里先生をはじめ一部の方の演技には「?」と思うところがありましたが,それ以外は「上手いなあ」の一言。音声が入ることで,一層シナリオの面白みが増しているのは大変結構だと思います。特に沙紀役の「青山ゆかり」さんの演技は見事なもので,大いに満喫させてもらいました。さらに,プレイヤーの視点が変わって主人公以外のキャラの視点になった時,主人公にちゃんと音声を当てるなど,芸の細かいところが見えたのも良かったですね。


【絵】B+
 担当は「しけー」氏。ロリ系の,とても可愛らしい絵柄です。でも,かといって(不自然な)洗濯板な胸ではなく,ちゃんと身体に起伏がついていて肉感が表現出来ていたのは◎。また,制服のデザインや塗りもなかなか良くて,着衣Hに大きく映えていたのも良かったです。さらに,コミカルなイベント絵がふんだんにある点や,体験版で「一枚絵がほしいなあ」と思ったシーンにもちゃんと一枚絵が用意されていた点,服装によって汎用の一枚絵(沙紀の暴力シーンなど)の服装もちゃんと変えてある点なども良い。総じて丁寧な仕事だと思いました。いつもCGで足を引っ張りがちなD.O.ですが,今回は満足しています。

 ただ,(1)一枚絵に比べて立ち絵がショボい点(特に顔),(2)(特にエロ絵の時に)顔の表情が崩れがちになる点,(3)文化祭のシーンで,文化祭期間中も平常の委員会室の背景と変わらない(文化祭なのにデコレーション等がない)点,この3つは残念。とくに私は個人的に文化祭に思い入れがあるので,(3)は興を殺がれて残念でした。できれば文化祭期間用の背景も欲しかったです。


【エロ】B+
 エロですが,純愛系としてはかなり頑張っていると思います。回数も多い(一人当たり3回程度)ですし,内容も着衣H中心・フェラチオあり・ラブラブな恋人同士のHで,恋人とのラブラブHがお好みの方には必ずご満足頂けると思います。あと,なにげに卑語が多い(「オマ○コ」「オチ○チン」連発。消しも薄目か。ただ,ちゃんと下品にならない程度に頻度を抑えてあるのは良い)ので,その手のシチュのお好きな方にも良いのではないかと。テキスト描写等は軽めですし,特殊属性もほとんど無いのでヌキゲーとしては厳しいですが,純愛Hがお好きなら良いと思いますよ。私は美咲とか沙紀のラブラブHで満足させて貰いました。


【シナリオ】A
 担当は前述の通り「北側寒囲」氏ですが,今回もなかなかの出来だと思います。特に今回はキャラ同士の会話の出来が秀逸。説明的でない短い台詞での応答を巧みに操り,いろいろなネタを交えながら,キャラ達に生き生きとやりとりを繰り広げさせるので,読んでいてとても楽しい。声優さんの演技もとても上手いので,何気ないネタでも滅茶苦茶面白くなります。プレー中はずっと爆笑しっぱなしでした。また,ヒロインと恋人になった後のイチャイチャぶり・バカップルぶりは凄くて,やっているこっちがむずがゆくなるほど(w。

 他方,ストーリー全体はただひたすらに「マターリ」。明確な流れ・話の展開はなく,仲の良い友人達と楽しく日常を過ごし,高校生活を満喫する,ただそれだけです。ラストに若干の修羅場はありますが,それもほほえましい事件ばかりで,プレーしていて鬱になったり気が重くなったりすることは無いと思います。

 この作品はいわゆる「負」の設定や感情がほとんど無いんですよね。純粋で,悪意を知らない,無垢な少年少女のやりとりを描いた作品で,最初から最後まで,何の不快要素も含むことなく話が紡がれていきます。ですから,ハッピーエンド志向の方や,鬱要素などが嫌いな方,安心して読める純愛系がお好きな方にはお薦め出来る作品だと思います。

 ただ,上に述べたように,終始和気藹々とした日常生活を送るだけの展開で,主立った話の運びといったものがないので,いわゆる「ストーリー重視」の方,つまり話の構造・展開・余韻(感動・泣き・鬱etc.)を重視される方には向きません。少なくとも,氏が今まで担当されてきた「すめらぎの巫女たち」「れすとあ」のような骨太・重厚なストーリー運びを期待されると失敗するのではないでしょうか。

 あと,途中でアイキャッチが入るものの日付や時間が挿入されないので,プレーしていて今どの時系列にあるのか(そのシーンの時刻・日付)がわからなくなることがあり,そのため,時の経過等も不明確になりがちだったのはマイナスかな。さらに,共通パートが多々存在することと,やや「共通ルート」と「個別ルート/選択ルート」の接合が不自然だった(序盤の雪かきのシーンで雪かきをサボっても,そのあとの共通ルートが雪かきをしたことを前提に進んでいる等)ことなども気になりました。

 まとめると,本作はシナリオの運びそのものを楽しむというよりも,作品世界でのキャラ同士のやりとりを楽しむというプレースタイルの作品です。私は北側氏と聞いて前者のスタイルを想定していましたが,これはこれでありかなと思いました。期待していたものとは若干違いますが,とても楽しめたので文句はありません。


【結論】A−
 「キャラの魅力やそのやりとりの巧さが冴え渡る良作。汚れのない世界でマターリと日常を過ごすのが好きな方に向く。反面,明確なストーリーの展開が存在しない点は賛否が分かれるかも」。北側氏と聞くと「骨太なストーリーを描くライター」とお考えになる方は多いと思いますが,本作はそのようなソフトではありません。あくまでもキャラ同士のやりとりを楽しむゲームです。ですから,その点は予め認識してから購入されることを薦めます。終始体験版のノリで物語が進ので,購入を検討されている方は取り敢えずは体験版をおやりになった方が良いでしょう。その上で「面白そう」と思えたなら,間違いなく楽しめるはずです。少なくとも私はそうでした。賛否が分かれるシナリオだけに無条件でお薦めすることはできませんが,取り敢えず,私はやってて爆笑しっぱなしで,とても満足しているということは付言しておきたいと思います。個人的には良い買い物をしたと思っています。

 マイ萌えキャラ→宗谷美咲もいいけど,やっぱ橘沙紀。ぜひ彼女とのやりとりを楽しんで下さい。


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