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 DOUBLE
 メーカー名:ちぇりーそふと
 発売日:2001/05/25
 メーカーホームページ:
http://www.cherrysoft.co.jp/        評価:A(90点)
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 近未来という私好みの設定と,「あきら」氏の美麗な絵に惹かれて購入を決意。昔から欲しかったのに何故か買う機会を逸していた作品で,プレー出来るのを心待ちにしていました。

 なお,本レビューでは「鬼門妖異譚」と比較する箇所(青色で記述,2003.12.09追加)が何カ所かありますので,こちらのレビューも併せてお読み頂くとよりわかりやすいと思います。あと,「鬼門妖異譚+DOUBLEリニューアル」についても別途レビューを用意してありますので併せてご覧下さい。


【ゲームシステム及び内容】
 本作はS-RPGパート(戦闘パート)とAVGパート(通常パート)の混合。内,S-RPGパートは「MIND REAPER」「アルティメットハンター」などと類似した,フィールド上を移動して前面・側面・背面のいずれかから敵キャラを叩くタイプのもの。

 S-RPGパートは難易度調整・背景の作り込み・キャラの演出効果ともに良くできています。特に難易度は,易しすぎず難しすぎずで適切かと思います。私はハードモード(通常モード)でプレーしましたが,「面によっては負ける場合もあるが,状況を整理して再挑戦すれば勝てる」程度の難易度で,適度な緊張感を持ってプレー出来たのは良かったです。ゲームパートが単なる作業になっていなかった点は高く評価したい。また,ゲームパートではなくシナリオを楽しみたい人,手っ取り早くCGを集めたい人にも,戦闘スキップやスペシャルスタートなど(詳細は後述)で対応しているのは嬉しい。さらに,「蛭川病院地下」のような面を設けて,やり込み派の人にも対応出来るようにしようとしたのも良いんじゃないでしょうか。

 ただ,勝ち抜き戦で個人の技の巧拙を競ったり,新技・新兵器を開発したりするタイプのゲームではないので,何度も同じ面をやり込む,というプレースタイルには向きません(このタイプのS-RPGはどれもそうですが)。ですから,純粋にS-RPGパートのみを楽しもうという方にはあまり薦められません。あくまで,作品の一要素としてお楽しみ頂くのが宜しいかと思いますね。

[鬼門妖異譚との比較]
かなりの調整が行われており,ちゃんと「遊べる」ゲームになっている点は◎。特に「鬼門」で問題だった敵のレベル設定や攻撃力・防御力のバランス,資金獲得量等が改善されていたのは評価したい。


【システム】A+
 完璧。ほぼ理想的なシステムであるといっても過言ではありません。動作は安定・軽快ですし,機能面でも音声の有無をインスト段階から選べたり,画像をbmpで保存出来たり,各種カスタマイズが可能だったり,戦闘がスキップ出来たり,直前の選択肢に戻れたりと,「かゆいところに手の届く」システムだったのは◎。

 特にスペシャルスタート機能は珠玉の出来で,再スタート時にレベル等が引き継げるだけでなく,どこからリスタートするのかを各個別ルートの章単位で選択出来ます。これは滅茶苦茶つかいでのある機能で,繰り返しプレーをする際本当に助かりました。また,他に類を見ないほどヒント機能も充実していて,プレーに際し攻略を見る必要が無いのが非常に良かったです。ユーザーの事をよく考えた,こういった機能は賞賛に値すると思いますね。

 敢えて不満を挙げれば(1)バックログに音声再生機能がない点(2)MIDI音源にしないと音楽有りでのCDレスプレーが出来ない点(音源がCD-DAかMIDIの二択のため。2003.11.26修正)ですが,それすらも気にならないくらい,システムは充実していたという感があります。模範的なシステム設計だと言えるでしょう。◎。

[鬼門妖異譚との比較]
全体的に使いやすくなっている。不満に感じた点が概ね改善されている点は高く評価したい。さらに,スペシャルスタートの機能拡充等,つかいでのある機能が備わったのも◎。


【絵】A+
 担当は「あきら」氏。今更言うまでもないですが,非常に美しい絵を描かれる方です。やや耽美的な,エロさよりは美しさ・繊細さを追求した絵柄(とはいえ,Hシーンでも十分に映えるんですが)で,非常に良かったです。塗りも作品の雰囲気にあったシャープな感じの塗りで個人的に好みでしたし,数的にもエロCG・非エロCGとも十分な数をそろえていたので大満足。この項目に関しても全く文句なし。◎。


【音楽・音声】音楽・音声ともA−
 音楽については荘厳な楽曲が中心で,やや重めな作品の雰囲気に良く合っていましたし,楽曲的にも個人的に好みな曲が多かったです。特に「Opening」は,盛り上がりの部分がOP・EDのCGとも良くあっていて好きですね。CD-DAでの収録ですから,好きな時に再生出来るのも良いです。なお,ボーカル曲はありません。

 他方,音声についてもなかなかのレベル。メイン陣だけでなく,脇役キャラや男性にもちゃんとボイスがあるのは◎。やはりフルボイスだと作品への没入度が違いますね。また演技も一部で演技力に不安な方がいらっしゃったものの,概ね高レベルで,Hシーン・日常会話ともに大いに盛り立ててくれます。安心して聞くことの出来るレベルで,個人的には満足ですね。


【エロ】C+
 エロは各キャラとも概ね2回程度。基本は純愛Hですが,ルートによっては凌辱になる場合もあります。で,実用性についてですが,正直ヌキゲーとしては厳しい面があるかも知れません。特殊属性には着衣Hと卑語程度しかありませんし,また,花やリボン,宝石で女の子をデコレーションしたり,犬の格好をさせたりといった,人を選ぶ(が,その割にエロさは引き立たない)シチュが多いためです。ただ,純愛系というカテゴリーの中で考えれば充実したエロだと言うことが出来ますし,また,ラブラブHの出来はいいので,そういうHシチュがお好きな方には良いのではないかと思いますね。個人的にはサラや美沙のHなどが気に入ったので不満はありません。取り敢えずエロに関しては,ヌキゲーとして買ったら失敗,ストーリーゲー・純愛ゲーとして買えば成功とお考え頂くと良いと思います。

[鬼門妖異譚との比較]
正直,エロに関しては退化してしまった感がある。というのも,(1)シナリオの構造を上手くエロに結びつけられていない,(2)服装やシチュが独特で,あまりHに映えないものが多い,(3)シナリオが長いのに前半部で殆どHが無い,以上3点のためである。


【シナリオ】A+
 で,最後に「ちゅんく」氏担当のシナリオですが,これがかなり出来が良い。楽しんでプレーさせてい頂きました。

 まず,シナリオの構造としては,表・裏・融合の3つのタイプがあり,そのいずれかに各キャラの個別ルートが含まれているという形態を取っています。また,各個別ルートとも13章構成で,ルートによってどの章になるかが変わる,マルチシナリオとなっています。

       ┌─表シナリオ(表主人公側の視点)──表シナリオの個別ルートへ
       │
 共通ルート─┼─裏シナリオ(ラスボス側の視点)──裏シナリオの個別ルートへ
       │
       └─融合シナリオ(両者が協力)────融合シナリオの個別ルートへ

 各シナリオ中の個別ルートは殆ど別物に近く,話の展開や問題とされている謎などが全く違います(共通しているのはラストの展開ぐらい)。その為,繰り返しプレーをしても苦にならなかったのは良かった(共通部分ばかりだとどうしても嫌になりますからねえ)。また,作中に張り巡らされた伏線が一つの個別ルート内では解明されず,他のシナリオもプレーして初めて作中の謎が解き明かされるという仕組みになっており,キャラをクリアしていくごとに少しずつ話の全容が明らかになっていく,その快感を味わうことが出来ます。ですので,1回のプレーだけでは消化不良感が残るので,そういう類のシナリオが嫌いな方や,遊び方を束縛されるのが嫌な方には向きませんが,繰り返しプレーをすることでどんどん謎が解明されていくというプレースタイルが好きな方には大いにお薦め出来ます。

 ネタバレ故ストーリーの中身に立ち入ることはしませんが,表シナリオでは勧善懲悪で終わるのかと思われる展開だったのが,裏シナリオでは敵側の苦悩を知り,最後融合シナリオでは両者が協力しあって共存への道を歩む,その作品全体の構成は見事だったと個人的には思いますね。やっぱ敵さんにも都合ってものがあるんですよ。単なるヒーローものでお茶を濁していなかったのは高く評価したい。

 次にキャラクターについてですが,非常によくキャラが立っています。無意味に媚びるような昨今のエロゲーヒロインではなく,ちゃんと理念と信念に基づいて行動しているキャラばかりなので,会話を聞いていてとても楽しく気持ちが良いし,落とした時の達成感もひとしお。どのキャラも魅力的なんですよね。特にサラや美沙,クレアなどは非常にイイ。最近のエロゲーのヒロインって魅力のないキャラ(男にとって都合の良い,ただHするためだけにあるダッチワイフ型ヒロイン)が多いだけに,本作のようなキャラが立っている作品は貴重。やはり落とすからには打ち応えのあるヒロインの方が良いですよねえ。

 また,一件単なる脇役のようなキャラやどうでもいい男性キャラでも,ルートによっては重要なアクターになる場合があり,驚かされることもしばしばありました。キャラの配置にちゃんと意味がある点は感心しましたね。

 さらに印象的な台詞も多々ありました。特に

      「泣いても笑っても,これが最後。」―――「それじゃ,笑った方がいいねえ。」

 なんかは好きだなあ。

 このように,シナリオについてはかなり満足しています。ただ,本シナリオにも欠点があるわけで,それを挙げるとすれば,

 (1)間の置き方が悪い(展開が早い)   攻略対象キャラ(男性含む)が多く,しかも各個別ルートを7章分程度で解消しなければならないため,短い時間に多くのイベントを詰め込んでいる感があり,かなり話の展開が早くなっています。ですので,次から次へとイベントが発生し,ゆっくりと話を反芻する暇をプレイヤーに与えないのは困りもの。個人的には男性ルートをもっと削っても良いから,ヒロイン達のルートのボリュームを増やして,彼女たちの魅力をもっと丹念に描き出した方が良かったんじゃないかなあと思いました。

 (2)攻略する順番によってはネタバレ・話の不整合が生じる   ゲームの仕様上,1回表シナリオをクリアすれば裏シナリオが,1回裏シナリオを攻略すれば融合シナリオがそれぞれプレー出来ますが,あまり先走って先のシナリオに進むと,例えば,表シナリオで謎だった事柄が裏シナリオや融合シナリオでは解明済みという前提の元で話が展開していくケースなどがあり,かなり戸惑います。ですので,各シナリオの個別ルートを全て終えてから,次のシナリオに進むことをお薦めします。もうちょっと話の選択に縛りを効かせた方が良かったんじゃないかと思いました。

 等でしょう。ただ,それらの欠点を差し引いても,かなり満足出来る出来だったんじゃないかと。

[鬼門妖異譚との比較]
シナリオの面白さは段違い。ここまで話のレベルが違うとは思わなかった。「鬼門」と同様の構造を取っていながら,話の展開,ストーリーの組み方,伏線の張り方,会話の面白さ等は格段にレベルアップしている。


【結論】A
 「全ての出来が良く,かつバランス良く組み合わさった良作。大いにお薦め」。久々に大当たりな作品で,個人的には大変満足しています。殆ど文句の付けようがない良作で,全ての方に大いにお薦め出来ます。うちはあまりA以上の評価は付けませんが,本作に関しては出しても問題ないと思いますので,A評価ということで。是非またこういうゲームを出して欲しいですね。いやあ,楽しかったなあ。

[鬼門妖異譚との比較]
エロがやや後退してしまったのは残念だが,他の要素は格段にレベルアップしている。ほぼ同じ設定・仕様でここまで面白くできたのには驚き。間違いなく本作は「鬼門」の正統進化と言うことが出来るだろう。

 マイ萌えヒロイン→美沙やクレアなど,魅力的なキャラが多くて悩みますが,やはり神崎サラですね。自分の事を誰もわかってくれない,誰も必要としてくれない中で苦悩し辛い目に遭いながら,唯一自分を「他と対等に」扱ってくれた裏主人公にひたすらに尽くすその健気な姿や報われ無さは,心打たれるものがあります。だからこそ,裏主人公と心が通じ合って,本当は誰よりも感情豊かで情熱家な自分の本性をさらけ出せた瞬間,そしてエンディングで今までの不幸を吹き飛ばすくらい幸せになれたあの瞬間は溜まらなく良かったです。彼女の

            「好きになるのは……つらいことだけじゃないのね。」

という台詞が,全てを物語っているようでかなり感銘を受けました。言葉だけが先行しているわけでなく,ちゃんと設定や行動,心理が伴っているのは◎。しかし……早めにサラシナリオをやってしまったので,その後は他のヒロインを攻略する気が起きなくて困りましたねえ……(w。


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