FX自動売買
禁断のケーキ
じゃらん♪
さくらのVPS

 V.G.NEO
 メーカー名:戯画
 発売日:2003/12/19
 メーカーホームページ:http://www.web-giga.com        評価:A−(85点)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 ライターデフォ買いです。今度はどんなシナリオで楽しませてくれるのかと,発売前から大いに期待していました。デモもすごく格好良かったしね。

 ……しかし,でかいよ,箱……(汗。sofmapで渡されたとき,あまりのでかさにびびってしまいました(まあ,いつもの戯画のサイズなんですが,失念してしまっていたもので)。今回はCDが6枚入っていますから仕方ないのかもしれませんが,それならDVDにしてもいいんじゃないかとか思ってしまったり。

【ゲームシステム及び内容】
 純然たるADVゲーム。かつてのヴァリアブル・ジオ・シリーズのような格闘ゲームではありませんので,その点は要注意。あと,選択肢の形式は2〜3択式で,大半の選択肢ではどれを選んでもOK(微妙にその後の台詞が違う or Hシーンをとばすかどうかの違いだけで,進行には支障を来さない)です。ただ,ごく稀に重要なものも混じっていますので,そのときだけは気をつけてください(重大な決断を迫る局面に限られるので,すぐにわかると思います。その際には出来るだけ誠実な内容の選択肢を選ばれたい)。


【演出】
 まず特筆すべきこととして,本作は演出が大変巧みです。BGMのかけ方や効果音の入れ方・数,画面効果の使用等が◎。例えば,戦闘シーンでは躍動的な音楽をかけ,さらに適度に閃光を走らせたりしていますし(無論,効果音も忘れない),また,桂が廊下で力を解放して蛍光灯を割るシーンなどは歩みを進めるごとに背景画の暗闇を増やしていってますし,写真を撮られるときはフラッシュ等もちゃんと表現しているなど,芸の細かいところを見せてくれます。何気ないことなんですけど,意外とADVでは軽視されがちで,かつプレイヤーの臨場感・作品への没入度に差のでるファクターであり,個人的には感心しました。あとはやはりOPムービー。ベタな演出かもしれませんが,キャラが縦横無尽に走り回っていて格好良かったと思います。主題歌とのはまり具合もバッチリで,とても良かったのではないかと。


【システム】A
 非常に使いやすい。未既読判定可能のメッセージスキップ,音声リピート可のバックログ機能,キャラごとの音声カスタマイズ,音声再生時のBGM・SE音量自動調整,右クリック・ホイールクリックへの機能割り付け,フォント変更など,本当に充実している感があります。特に,画面右端にマウスを持っていくだけでセーブ&ロードが可能なのはとても便利でした。システムに関してはほぼ満点に近い出来ですね。……いつもこのくらいのシステムを積めばいいのになあ,戯画のゲームは……(ここのゲームは作品ごと(プログラマーごと)にシステムの出来不出来が分かれすぎ)。

 ただ,文字サイズが縦長で,デフォルトでのフォント(MSゴシック)だと線が細くなりすぎて見にくかったのは不満でした(私はフォント変更機能を利用してDF特太ゴシック体に変更)。あと,何故かOPムービーがいつも終盤のアンナと優の戦闘シーンでとぎれてしまうのは気になりました。不満点といえばそれぐらいですかね。総じて優秀なシステムだと思います。◎。


【絵】C−
 担当は「みずのまこと」「高苗京鈴」両氏ですが,ちょっとねえ……。誰をどちらが(あるいはどの絵をどちらが)担当しているのかはわかりませんが,絵柄が変わりすぎ&デッサンが狂いすぎ。特にダイアンと歩美が戦っているシーンのCGとか,優&歩美戦のCGの歩美の表情とかは酷すぎます。また,エンディングのアンナのCGもちょっと幼すぎではないかと思いました。流石にもう少しデッサンに気をつけ,かつ絵柄に統一感を持って欲しかったです。中にはいい絵もある(例えば各選手の入場シーンのCGなどはかなり良かった)せいで,余計に出来不出来の差が顕著になってしまったのは残念。

 
【音楽・音声】音楽:B,音声:B+
 音楽は過不足無く整っていたという感が有ります。明るい曲・暗い曲・躍動的な曲・物静かな曲と,一通り揃えられていたのは○。また,主題歌「We survive」の出来が良く,さらにこれを様々にアレンジしたBGMが随所で流れる(例えば表ルートクリア後のタイトル画面)のも気に入っています。ただ,明るい曲の曲調が似通っていて区別が付きにくかったのは△かな。

 他方,音声は男性を含めてフルボイス。やはり男性にも声があった方が会話の面白さ・作品の魅力が引き立つように感じます。この点◎。また,演技レベルの方も良好で,安心して聞くことが出来るのは大変良かった。ただ,役柄・演出のせいだとは思いますが,桂の声がかなり聞き取りにくかったのは気になりました。演技自体は別に悪くはないと思うのですが……。


【エロ】B−
 おそらく,この項目がもっとも評価の分かれるところでしょう。本作でのHシーンは原則すべてアニメーションになっているので,まずエロアニメが許容できるかにすべてがかかっています。一般にエロアニメを取り入れたエロゲーの欠点として,(1)どうしても一枚絵よりも画質が劣るのでエロシーンと他のシーンとの落差を感じやすいこと(2)ノンストップでHが進行していくので自分のペースに合わせてHを楽しめないこと(3)出来がピンキリで中には単調なピストン運動を繰り返すだけのものもあること,この3点が挙げられると思いますが,うち(1)と(2)に関しては本作でも妥当していると思います。ですので,綺麗な一枚絵で抜くことに慣れたエロゲーマーには厳しい面があるのも確か。ただ,(3)についてはそうではなくて,いろいろと体位やテンポ,描写角度等にも違いをつけているので,一般のエロアニメものの中では健闘している方ではないかと思います。

 個人的にはアンナや沙奈理のHで良い感じに着たままでHしていましたし,また,昔みた幾つかのTVアニメで荒い作画には慣れていますので,そこまで酷い出来だとは思いませんでした(並のOVAレベルは確保していると思います)。それに,まさかあんなに長くアニメが続くとは思わなかった(Hシーンはフルアニメーションですが,追いつめて服を脱がせ,挿入して最後果てさせる一連のプロセスがすべてアニメ化されているので,1つ1つの長さは相当なもの)ので,今回のアニメについては肯定的な評価(「頑張ったんじゃない?」)をしています。ただ,これは,Hシーンをアニメにすべきか否かについての判断とは別問題ですが。

 あと,もう一つ人を選ぶ点として,Hが陵辱のみだということです。純愛Hはありません。しかも,設定をご覧になれば明らかだと思いますが,寝取られに近いシチュエーション(ただ,本作には主人公が存在しませんから厳密には寝取られではありませんが)なので,もしその手のエロが駄目な方は注意が必要です。

 そしてエロ全体に対する私感ですが,「悪くはないが若干の問題も残る」といったところでしょうか。アンナや沙奈理,優香やダイアンのHシーンではかなり抜かせてもらいましたし,エロの出来自体にはそこまで不満はありません。ただ,他方で(1)エロが各キャラ1回のみであること,(2)純愛Hがないこと,この2つはちょっと残念でした。別にすべてをアニメにする必要はないんだから,一枚絵を使用した一般的なHシーンも併用して,もっとシチュ・数を増やして欲しかったです。アニメの出来もそうですし,シチュや数等もそうですが,正直,抜きゲーとしては厳しい出来だと思います(Hシーンまでの時間も結構かかりますしね。抜きゲーとしてはちょっと使いにくいです)。

 ただ,エロ自体はこのように微妙ですけど,エロにちゃんと必然性があった点と,H後の描写がしっかりしていた点は良かった,ということは付言しておきます。特に後者,とりわけ沙奈理の事後描写は哀れなぐらいにしっかりとしていましたねえ(自分で体にこびりついた精液を洗い落としている描写や,輪姦されたことを思い出して気分が悪くなる描写などは秀逸でした)。


【シナリオ】A
 担当は「丸戸史明 with 企画屋」氏。最初に結論から言ってしまいますが,今作もかなり面白いです。

 まず,その内容ですが,様々な事情から集ったV.G.選手たちが巨大客船の中で死闘を繰り広げる中,その裏で蠢く悪意・陰謀・思惑を目の当たりにしていく,というもの。単に戦いだけを描くのではなく,必要に応じて会話主体を変えたり回想話を挟んだりし,キャラの魅力やストーリーへのプレイヤーの関心を高めていくその手法は流石。特にキャラクターに魅力があるのは相変わらずで,別段特殊な属性(極端なロリや怪しい口癖など)を用いるわけでもなく,ただ他のサブキャラたちと会話をしているだけなのに,自然とそのキャラの魅力が引き立てられるのにはいつもながら感心します。また,その会話も別に派手なギャグやマニアックなネタを仕込んでいるわけでもなく,ただ日常の会話をしているだけなのに,読んでいて楽しいしまた笑えるんですよね(特に歩美や真珠のやりとりは最高)。キャラが「生きている」という点で,そのテキストセンスは高く評価したい。さらに,ストーリー自体も最初私が想定していたものとは大きく異なる展開で,個人的にはその意外性がとても良かったです(まあ,これを意外性があると考えるかどうかは人によるとは思いますが)。

 ただ,今作は確かにキャラの魅力はかなりのものですが,いわゆる「萌え」みたいなものは少なかったと思います。むしろストーリー自体を深く掘り下げてきた感があります。そもそも,丸戸氏のシナリオは「Ripple」から「ショコラ」「FOLKLORE JAM」へと移り変わるにつれ,次第にキャラ自体の魅力・萌えからストーリー自体の出来へとその重点が変化していった感がありますが,今作ではその最たるものではないかと思いますね(個人的には本作で個別エンドが無かったのもその証左ではないかと思っています)。また,今までになく話のボリュームも多く(どんなに速く進めても音声を聞いていると1ルート10〜15時間はくだらないと思います),かなり読み応えのある出来です。ですので,どれか一つのキャラクターに入れ込む方よりも,ストーリーそのものを重視される方に向くゲームではないでしょうか。

 次に,シナリオの構造としてはほぼ一本道となっています。個別エンド等はありません。ですから,通常のADVというよりはノベルゲームに近いかもしれません。また,本作では表・裏の2ルートがあり,表ルートは主に優視点から話が紡がれ(途中でいろいろと視点が変わりますが,基本は優からの視点になります),表ルートを終えることで選択可能になる裏ルートではそこに雅貴・優香の視点が加わることになります。そして,表ルートで説明し尽くさなかった謎や回収しなかった伏線を,裏ルートにて回収する形になっています。ですので,表ルートをやっただけでは解明されない謎がいくつも残りますが(例えば教授の行方や優の店にかかってきた電話主の正体など),裏ルートまで攻略するとすべての謎に答えが与えられ,かなり綺麗に,すっきりとした形で話を終えることが出来ます。この,伏線を多用し,1回のプレーではすべての解答を与えないという手法は丸戸氏の十八番のようにも感じますが,今回もそれが巧く機能していたんじゃないかなと思いますね。

 ただ,今回のルートの分け方には問題も有ります。上で「加わる」と表現したのがポイントで,本作の裏ルートはあくまで表ルートに雅貴・優香のパートが加わるだけです。

    表ルート → 裏ルート[=表ルート+雅貴・優香パート] → 本当のエンディングへ

 わかりやすく示すなら上のようになるわけで,裏ルートで表ルートとは違う独自の視点から本作の事件について話を編み上げているわけではありません(あくまで表ルートに追加されたにすぎない)。これが本作のシナリオの最大の問題点なんですよね。つまり,表ルートで読んだばかりの話をまた一切飛ばすことなく半強制的に読まされる(既読スキップ&回想スキップが可能なのは助かりましたが)わけで,かなり面倒です。正直かったるかったですね(私は表パート部分はすべてスキップしてしまいました)。確かに表ルートで未回収だった伏線を再認識させることは効果があると思いますが,しかし表ルートをやったばかりでその話の内容を忘れることはあまり無いのだから,裏パートで表パートをそのまま流用してプレイヤーをかったるくさせるのではなく,一から裏パートの話を編むか,さもなければ雅貴・優香パートのみを描く(または表パートを一部流用しても,それは必要最低限に留める)ほうが良かったんじゃないかなあと個人的には思いました。

 あと,幾つか誤字が散見されたのも気になりました。特に「優位外」(「優以外」が正しい)などは何度か見つけましたので指摘しておきます。

 
【結論】A−
 「シナリオ面では従来までのV.G.シリーズとは比べものにならないほどの面白さを誇る。問題はエロと絵かな」。いろいろと書いてきましたが,全体としてはかなりレベルが高いです。特に,きわめてボリュームの大きいシナリオながら,テンポの良い会話のやりとりとメリハリのついた展開で,だれることなくプレーできるのは◎。「V.G.Re-birth」他,何本かこのシリーズをやった人間としては,正直同じ設定でここまで面白い話に出来るとは思いませんでした。V.G.らしさが有るかどうかについては判断が難しいところですが(なにぶんやったのが昔のことですし,そもそもこのシリーズにはあまり思い入れも無かったので),一つのADVゲームとしてみれば,かなり楽しませてくれる出来ではないかと思います。ただ,反面,やはり絵の未熟さとエロの不足,エロアニメの出来の微妙さは痛い。特にエロは,この設定を使えばもっとバリエーションを増やせたのではないかなあ。それがV.G.らしいかどうかについては賛否が有ると思いますが,少なくともエロゲーである以上はエロの充実は当然の前提であるんじゃないか,私はそう思います。

 個人的には「FOLKLORE JAM」よりも好きな作品なんですが,絵とエロで減点せざるを得なかったのが残念。でも,とても面白い作品なので,その2点に目をつぶれる方にはお奨めしたい一作です。

マイ萌えキャラ→坂本月夜!(w いいじゃないですか,あのキャラ。ルックスもそうですし,なんやかんやいっても結局はお人好しなところとか好きですねえ。他方メイン系ではやはり優香かな。雅貴が優香の好意に気づいてくれないせいで,優香がつらそうにしているシーンの切なさなんか,丸戸シナリオの真骨頂のような気がしました。……しかし,月夜のところだけやたらと地の文で「萌え」っていっていたんですけど,これは丸戸氏の萌えキャラということなんだろうか……?(w


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

レビューデータベースに戻る