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 ひとがたルイン
 メーカー名:Studio e.go!
 発売日:2004/12/24
 メーカーホームページ:
http://www.studio-ego.co.jp/        評価:B+(75点)
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 体験版が意外と面白かったので購入。ゲームパートに期待していました。


【ゲームシステム及び内容】
 基本的にはマップ移動型のADVゲームですが,作中要所要所にACTパートが挟み込まれます。ACTパートでは主人公(一部マップにおいては他のキャラを操作することもあり)を操り,マップ上(横スクロール型)を左右に行ったり来たりし,飛びはね,敵を剣で叩き斬りながら先へと進んでいく形を取りますが,出来自体は良いんじゃないでしょうか。論より証拠でまずはOHPの体験版をお試し頂きたいのですが,操作性は悪くない(ちなみに私はキーボードでプレイ)ですし,画面イフェクト等も効果的に使われているので,敵を叩き斬る爽快感みたいなものがちゃんとあります。回復アイテムの出現確率等も適切で最適な難易度を維持していますし,また処理落ち等も少ないなど,全体的に粗のない作りと言えます。ACTゲームとしては及第点以上ではないかと感じました。

 ただ,やはりボスが弱すぎるのは問題かな,とは思います。接近して斬りまくればすぐにボスを倒せてしまうので,正直あっけなさすぎるように感じました。また,主人公の武器が原則剣だけなので,攻撃のバリエーションが少ない(基本的に斬るだけ)のも残念。たとえば銃や槍などを装備可能にしてその分攻撃のバリエーションを増やすようにすれば,それだけ操作面でも多様性が出て,よりやりこめるようになったのではないかなあ,というのが私感です。

 ただ,基本的には良くできているゲームシステムだと思います。もう少し手を加えるだけでかなり良くなる,そういう素地があることは間違いない。それだけに今作限りにするには勿体ないシステムです。今後も是非このシステムを継承・改善して作品を出して欲しいなあと思いました。


【システム】B
 システム自体はいつものエゴのものであり,キャラ別の音声ON/OFF機能や各種ボリューム調整機能,バックログ,メッセージスキップ等,必要最低限の機能は備わっていますし,動作も快適。また,「IZUMO 2」で搭載されたのに「風の継承者」で無くなるという謎の経緯をたどったバックログにおける音声再生機能も復活。システム回りはおおむね満足できる出来だったのではないかと思います。

 ただ,やはり(1)セーブ可能数が20個(+オートセーブ枠1個)と少ない点は不満。あと,(2)何故か今度はオートモードが無くなったのも気になりました。てかなんで毎回毎回諸機能が付いたり消えたりするんだろう……? それと,(3)プレー中に他のアプリケーションをアクティブにすると,PC全体の動作が重くなることがありました(場合によってはフリーズしたり画面がおかしくなったりすることもある)。これは私のPC環境の問題かもしれませんが,一応付言しておきます。


【音楽・音声】音楽:D+,音声:B−
 音楽の出来は微妙。BGMの方は悪くない(ただ,一部「VAGRANTS」で聞いたような楽曲があったのは気になりましたが)のですが,主題歌が……。はっきり言ってダメですね。個人的には受け付けない出来でした。私は別にアンチCANDY派ってわけではないですけど,最近CANDY氏以外の方が担当された主題歌の出来が良かった(「IZUMO 2」「風の継承者」「キャッスルファンタジア〜エレンシア戦記〜リニューアル」「VAGRANTS」などが好例)だけに,その落差がかなり目立った感があります。これなら主題歌が無かった方がまだマシとすら思えるような出来に私は感じてしまいました。残念。

 次に音声についてですが,まあ,悪くはないんじゃないかと思います。エゴらしく,及第点以上のレベルは確保している感がありますね。特にディアーナなんかは良い感じ。ただ,ジークリットのあのしゃべり方だけは勘弁して欲しかったですが。


【絵・エロ】絵:B+,エロ:B
 担当はお馴染みの「山本和枝」氏。独特の絵柄ながら,可愛くて綺麗な絵を描かれます。今作でもいつも通りの大変素晴らしい仕事ぶりを発揮されていると思います。ただ,今回は正直キャラデザが微妙なものが多く,個人的にはちょっと……という感じがしました(個人的にキャラデザが気に入ったのはエリーとカリンだけだったりする)。特に今回は,前に「IZUMO 2」「風の継承者」とキャラデザがずば抜けて優れている作品が続いただけに,そのレベル差が歴然。しかも,シーンによっては顔のデッサンが崩れていたりもする(エリーのHシーンなどが好例)ので,今回は敢えて評価の方を引き下げたいと思います。勿体ないですねえ。

 他方,エロは質・量ともに充実。特に分量的にはエゴゲーとしてはかなりのものだと思います。ただ,後述するようにシナリオが微妙な出来でHの位置づけが曖昧な上,主人公がエロシーンにおいても終始おちゃらけてしまうので,抜こうにも抜けないことが多いです。着衣H的にもエリーとカリンを除いてキャラデザ(身体・服装のデザイン)があまり良くないため,正直使えるシーンが限られてしまったのは残念。これも非常に勿体ない気がしました。


【シナリオ】D−
 担当は「寺岡健治」氏ですが,はっきり言って意味不明のシナリオです。基本的にすべてにおいて説明不足で,プレーし終えても結局何が言いたかったのかわかりませんでした。氏の「がくパラ!!」等とリンクした設定が多数盛り込まれ,寺岡ワールドが凄まじい勢いで展開されています。マニュアルには用語集がついていて,氏の作品をやったことが無い人に対しても一応の配慮がなされていますが,正直氏の作品をプレーしたことのある人間にとっても理解不能なシナリオなので全く意味がありません。しかも,ゲーム本編ではマニュアルでの補完を前提に,殆ど前提知識の補足説明なしに話が進んでしまうため,さらに訳がわからなくなる(たとえば,序盤で突然クーノの両親の話が出てきますけど,あまりに唐突すぎる上に作中でのフォローも殆どないので,何がやりたいんだかさっぱりわかりませんでした)。たとえるならNHKの朝の連ドラを途中の1回だけ見てしまったようなもので,シナリオのあり方として流石にこういうのはどうかと思いました。

 さらに,「がくパラ!!」で指摘した氏のシナリオの欠点である(1)共通ルートが長い点(2)共通ルートと個別ルートの接合が不自然な点(3)場面転換が不明瞭な点などが残存している上に,「がくパラ!!」のような話の面白さもないので,正直良い評価をしようがないというのが私感です。唯一キャラクターだけはよく立っている(特にディアーナは良い!)んですが,それ以外には良い点が殆ど見あたりませんでした。残念。


【結論】B+
 「折角遊び甲斐のあるゲームシステムを築き上げたのに,シナリオの意味不明さですべてを台無しにしてしまった,勿体なさすぎる作品」。いろいろと文句をつけたい点はありましたけど,でもかなり楽しめたのでACTパート自体には満足しています。でも,シナリオのせいですべてが台無し。いくら何でもこれは酷すぎ。せめてもうちょっとまともな話をつけて欲しかったというのが私感ですね。あと,キャラクターのデザイン(身体・服装とも)もいつもに比べると見劣りしただけに,今回はやや厳しめの評価をせざるを得ないですねえ……。

 マイ萌えキャラ→ディアーナですね。彼女のわがままに振り回されるのも一興かと。


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