2003年お薦めのエロゲー十選 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― |
本稿で挙げるのは,「2003年に発売された作品の中で,私が特に満足した作品・是非皆さんにお薦めしたい作品」です。普段私は作品全体の出来につき評価対象としてきました(そのため,どんなに良い作品でも,システム等に不備があった場合には評価が下がってしまうことになります)が,今回はそのような評価,そして些細な粗などを一切度外視して,ともかく私が満足した作品・皆さんに是非やって欲しい作品を厳選して紹介したいと思います。 なお,本当は昨年発売分全ての簡易レビューと全体の総括をもって「2003年総括」とする予定だったんですが,なかなか執筆する時間がとれないたために,取り敢えず本稿をもって当面の総括に代えさせて頂こうと思います。正式な総括については,後日日を改めて執筆する予定です。 ○私の琴線に触れた順にベスト10+α形式で取り上げたいと思います。 ○上にも書いた通り,作品の評価に縛られず,「楽しめた・印象深かった」ものを厳選します。 ○選考対象は「2003年に発売されたエロゲー全て」。リニューアル版等も含みます。 ○簡単なレビュー及びコメントの後に,本作品の「作品としての評価」と「売り」を列挙します。 ○詳細についてはレビューページにリンクを張っておきましたので,そちらをご覧下さい。 ■第10位■ キャッスルファンタジア〜エレンシア戦記〜リニューアル [Studio e・go!] 全般的に丁寧な作りであり,とても好感が持てた作品。ストーリー自体は王道な展開であり,また戦記物としての迫力・説得力・リアリティみたいなものも皆無ではあるが,「戦記風味の恋愛もの」という観点では十分な出来だろう。シリアスな場面とギャグを適度に織り交ぜつつ話が展開されるため,やっていて飽きなかったのは非常に良かった(特にベンジャミン関連のイベントは笑いっぱなしだったw)。しっかりとしていてメリハリのきいたシナリオであり,感心。また,特筆すべきは日常会話の豊富さ。あれだけの数の会話を重複無く揃え,かつそこに上手い声優さんたちの演じる音声を乗せてくるのは流石。この点にも力が入っていることがよくわかり,やっていて好感触だった。ただ,ややシステムが重めだったのと,一部の絵にデッサンの乱れが見られたこと,そしてなにより全般的にエロが薄めだった点は残念。 【評価】A− 【セールスポイント】 (1)適度にギャグとシリアスを織り交ぜた,メリハリのきいたシナリオ。 (2)男性を含め,実力派声優陣が演じるキャラクター間の会話の妙。 ■第9位■ −姫辱−プリンセスダブル狩り [ネル] ファンタジー系着衣Hゲーの最高峰。川合正起氏の描くエロ絵はともかく素晴らしいの一言。キャラの可愛さ・服のデザインの良さ・服の着崩し方,どれをとっても完璧な出来。特に,女騎士とのHで鎧を殆ど脱がさずにHに及ぶその男気に惚れた。さらにシチュエーションも非常に良く,オーガやゴブリンに強姦されるシーンや,女騎士やエルフ,高飛車な姫を凌辱・輪姦しまくるシーンなんかはマジで抜ける。取り敢えず,ファンタジー系の格好でのHを見たければ,本作を買えば十分だろう。しかもそれだけでなく,抜きゲーなのにも関わらずキャラがしっかりと立っていて(特にイリーナは◎)かつそこそこのシナリオレベルになっている点も大変良い。あとはシステムの重さや精液描写等が良ければ文句なしだったんだけどねえ……。 【評価】A− 【セールスポイント】 (1)怒濤のファンタジー系着衣H。特に姫・女騎士・エルフ属性保持者には珠玉の一作。 (2)ファンタジー世界を最大限に利用したエロシチュエーション。 (3)萌えまくりな強気なお姫様。 ■第8位■ Danger Angel 〜異常進化〜 [ミンク] DOSゲーライクな昔懐かしいRPG。やり込み要素がなく繰り返しプレーにはむかないものの,堅実な作りになっており,普通に楽しめる。難易度は低めだが,細部にまで渡ってしっかりと作り込まれており,また,ボリュームもかなりあるのでやり甲斐はかなりある。また,ストーリー的にもRPGの王道に沿った展開で,安心してプレーできるしまたやっていて楽しい。更に,絵が大変に美麗で,抜きに大いに貢献している。ただ,音声があまりにひどいのと,システムで微調整が効かないのは頂けなかった。 【評価】A− 【セールスポイント】 (1)スタンダードだが良く作り込まれたRPG。DOSゲー・ファミコン好きには堪らない。 (2)美麗な絵。塗りのうまさも相俟って,強く引き込まれる。 ■第7位■ Routes [Leaf] シナリオがとても面白かった。これに尽きる。各ヒロイン毎に多種多様なシナリオが展開され,読んでいてホントに飽きない。確かに細かい粗を探せばいろいろと出てくるのかもしれないが,そういったものを無視して強引に話を進められるだけの力強さとキャラの魅力が本作のシナリオにはあると思う。個人的にはこういう「大味で熱い」話って好きだなあ。しかも,単にオムニバスとして面白いだけでなく,構成面でも巧妙に編まれており,読み応えは抜群。さらに,出来の良いBGMが効果的に挿入されるなど,演出面での巧みさも目立った。ただし,絵に粗さが目立った点や描く角度によっては絵に乱れがあった点,エロが薄い点がやはりマイナス。 【評価】A− 【セールスポイント】 (1)シナリオの構成面での巧みさ,熱くなる展開,多種多様なストーリー。 (2)演出の巧みさ。特に音楽の使い方が非常に上手い。 (3)キャラクターの魅力。とりわけ,リサとの騙し合い的な会話は楽しかった。 ■第6位■ すめらぎの巫女たち特別版 [D.O.] なによりもまずシナリオがよい。北側寒囲氏の真骨頂,骨太で重厚なエロゲーらしからぬシナリオ運びで,かなり読ませる出来となっており,声優陣の演技の巧みさも相俟って引き込まれる。シナリオ重視の方には大いにお薦めできる出来だろう。また,旧作と違いSLGパートをスキップできるので,シナリオを純粋に楽しみたい場合やSLGをやる時間がない場合にも対応できる点はとても助かる。ただ,個人的には楽しめたものの,やはりSLGパートは怠いままなので,こちら目的で購入することは余り薦められない。 【評価】A 【セールスポイント】 (1)北側寒囲氏担当のシナリオの出来の良さ。まさに「話」を「読ませる」出来。 (2)声優陣の演技の上手さ。「自然」な演技が徹底されており,会話に躍動感がある。 ■第5位■ 幻燐の姫将軍2〜導かれし魂の系譜〜 [エウシュリー] まさに「大作」という評価にふさわしい出来の作品。とても1・2度ではやりきれないボリュームと,個々の要素を上手く組み合わせて作り出している絶妙のゲームバランスは高く評価したい。時間がある人に限定されてしまうのがあれだが,「遊べる」ゲームとして間違いなく薦められる一作であろう。ただし,相変わらずシステム操作が煩雑である点,2週目以降の戦闘がスキップできず繰り返しプレーがしづらい点,そしてなにより1回のプレー時間が長すぎて途中で中弛みが生じ,次第に飽きてしまいがちな点はマイナス。「戦女神2」に比べて「やりこみ」という点では厳しい出来だと言わざるを得ない。 【評価】A 【セールスポイント】 (1)圧倒的なまでのボリュームと絶妙なゲームバランス。ともかく「楽しめる」ゲーム。 (2)意外と充実している着衣H。鳩月つみき氏の魅力的な絵。 ■第4位■ Apocalypse -DEUS EX MACHINA- [Tactics] レトロな感じの漂う18禁シューティングゲームの良作。戦闘パート・エロ・話ともに充実していたのには感心した。特に,戦闘パートはファミコン時代のシューティングゲームを彷彿とさせる出来で,ノリの良い所謂「ゲーム音楽」をバックに,ひたすらに敵を殲滅するのは非常に爽快だった。数日間,徹夜する勢いでプレーし続けた作品であり,個人的には非常に印象の強い一作になっている。また,数こそ少ないものの,かんたか氏の描く絵も魅力的だったし,着衣Hを中心にエロも充実していたので,個人的にはゲーム・抜き両面で満足した作品である。 【評価】A 【セールスポイント】 (1)やや難易度が高いが,非常にやり甲斐のある戦闘パート(シューティングゲーム)。 (2)かんたか氏の描く美しい絵と豊富な着衣H。 (3)充実したBGM。「ゲーム音楽」に徹した秀逸なBGMの数々は聞く価値あり。 ■第3位■ 大番長 -Big Bang Age- [アリスソフト] 「遊べる」ことに主眼がおかれた,「ゲーム」たり得るゲーム。流石はアリスソフトという感じがする。本作のボリュームの多さは圧巻。システム面等で不満の残るところも確かにあったが,そんなものを気にさせないくらい面白い。このソフト一本有れば何日も遊べる,そんな,最近のエロゲーでは珍しい類のゲーム。また,「鬼畜王ランス」や「大悪司」に比べて軽めでアクの強さ・インパクトがなくなったとはいえ,滅茶苦茶な設定やハチャメチャな登場人物達を一つの世界観の中でくくってしまう,その闇鍋的手法には相変わらず感心させられる。個人的には「幻燐の姫将軍2」も同じくらい楽しめたが,そちらと違って本作には繰り返しプレーが苦にならない(むしろ嵌っていつまで経っても止められない)中毒性があり,それ故に本作の方に軍配が上がることとなった。 【評価】A 【セールスポイント】 (1)ともかく一度始めると止められない中毒性。単純ながらも奥深いゲームシステム。 (2)個性的かつ美麗な絵。アリス原画陣総出の美しいエロ絵を上手い声つきで味わえる。 (3)Shade氏の担当するナイスな音楽。 (4)闇鍋的な,なんでもありの世界観。 ■第2位■ 鬼門妖異譚+DOUBLEリニューアル [ちぇりーそふと] 製品1本あたりのボリュームやお買い得度という点では本作が抜きん出ている感がある。「DOUBLE」は,近未来を舞台にし,ややダークなその世界観と魅力的なキャラクター,そしてマルチエンディング方式を上手く活用したシナリオ運びが魅力で,ぶっちゃけこれだけでも8,800円の価値はあったと思っている。大味ながら熱い展開が目白押しであり,またキャラクター達も信念を持って行動しているので,やっているとどんどんその世界に引き込まれていく自分に気づくことがしばしばあった。が,それだけでなく,鬼対人間という対立構図から上手くエロシチュを引き出せている「鬼門妖異譚」,そして各種外伝(美麗なCGによる着衣Hも多数あり)と壁紙他充実したデスクトップアクセサリーまで同梱されており,まさに至れり尽くせり。「鬼門妖異譚」単品では売りに欠けるが,それでもおまけレベルではけっしてない(十分製品として通用する)ので,これだけのものがセットで入っているのなら,買って間違いはないと思う。勿論,全編を通じてあきら氏の描く超美麗な絵を堪能できることは言うまでもない。正直な話,これ一本あれば一ヶ月は他のソフトが無くとも過ごせるだろう(少なくとも私は現に一ヶ月間,殆どこれにかかりきりだった)。 【評価】A+ 【セールスポイント】 (1)圧倒的なボリューム。至れり尽くせりの内容で,これ一本で一ヶ月は楽しめる。 (2)全編に渡りキャラクターが魅力的。信念を持ち筋が通っている。神崎サラ最高! (3)あきら氏の描く超美麗な絵。美しくてかつ絶妙な着衣Hの構図(とくに「鬼門」)。 (4)ちゅんく氏担当のシナリオの妙(とくに「DOUBLE」)。勧善懲悪に終わらない奥深さ。 ■第1位■ ショコラ−maid cafe "curio"− [戯画] 言うまでもないが,丸戸史明氏が担当したシナリオ&テキストのレベルが極めて高い。ありがちな素材を使いながらもプレーヤーの関心を巧みに引き寄せている点や,伏線を上手く利用して話を紡いでいる点など,構成の妙を高く評価したい。また,それ以上にキャラ立てが上手く,キャラの萌えが凄まじい。キャラクターが魅力的であり,また,キャラクター間の会話も洒脱であるため,ゲームにもかかわらずある種のリアリティがある。さらに,着衣Hも充実しており,また萌えエロとしてもかなりのレベルを誇る。エロと話が両立した稀有な作品で,個人的には今年プレーした中で最も気に入っている。ただ,唯一にして最大の癌がシステム。もうどうしようもない。「戯画はプログラマーで判断する」という,エロゲー業界ではあまり類を見ない不文律が今回もしっかりと守られてしまい,個人的にはショックだった。本作ほどAないしA+評価を出したかったのに,完成度の面から出すことが出来ず,泣く泣く評価を落とした作品は他にない。 【評価】A− 【セールスポイント】 (1)丸戸史明氏担当のシナリオの破壊力。萌え・感動・鬱・泣き・笑い・現実感の併存。 (2)ねこにゃん氏描く可愛らしいキャラの数々。徹底したメイド服・ウェイトレス服着衣H。 (3)香奈子さん! 香奈子さん! 香奈子さん! 以上のような感じになります。当サイトにお越し頂いている方々の趣向は様々だと思いますので,一律に「これが良い」みたいにお薦めすることは難しいですが,取り敢えずここに挙げたものは下の補足分も含めて全てお薦めの作品ですので,ご自分の趣向に合わせて何本かプレーして頂けると,レビュアーの端くれとしてこれに勝る喜びはありません。特にベスト5(ないしベスト3)はマジでお薦めです。 【補足】惜しくもベスト10からは外れたが,是非お薦めしておきたい作品 ■第11位■ 魔法戦士プリンセスティア [Triangle bitter] システムの使いにくさや,負け続ける正義のヒロインに対する違和感,作業感を抱かせてしまうゲームシステム等,欠点は多々あるが,それを帳消しにするくらいに変身ヒロインもののセオリーをふまえたエロが充実していた点を評価したい。また,単なるヌキゲーにとどまらず,ちゃんとシナリオを作っていた点も非常に良い。良い意味でTriangleの看板シリーズとなったので,続編にも期待がかかる。 【評価】A− 【セールスポイント】 (1)凛々しく力強い魔法戦士・変身ヒロインを辱める喜び。 (2)徹底した着衣H。全裸Hを決して許さない徹底ぶりには脱帽。また声も良い。 (3)変身ヒロインもの・魔法戦士ものに拘り続ける姿勢。 ■第12位■ 満淫電車 [BISHOP] 着衣H(ブレザー系制服・セーラー系制服・スーツ・婦警等)中心にエロが充実しており,また,システムも使いやすく,音声グッド,絵最高,とエロゲー・抜きゲーとしては最高の出来。実用性重視であれば満足のいく出来だろう。ただ,シナリオがどうしようもないレベルでエロしか売りがなく,エロ以外の付加価値を求める手合いには厳しい。 【評価】A− 【セールスポイント】 (1)エロ。これに尽きる。エロい絵と声優陣の好演技がエロさに拍車を掛ける。 ■第13位■ 姉,ちゃんとしようよっ! [きゃんでぃそふと] キャラ萌えがタップリ・エロの数が充実・会話が爆笑もの・システム良好・音声バッチリと,粗のない作品作りにとても好感が持てた。射精時の音が変だったことやHの尺・質がピンキリだった点は残念だが,全体として手堅い出来。中価格帯での発売ということもありボリュームは少なめだが,インパクトの強さは通常価格帯の作品以上。「姉萌え」という潮流を作り出した一作でもあり,一度はやってみる価値があると思う。 【評価】A− 【セールスポイント】 (1)魅力的な姉たちとの間で繰り広げられるやりとり。笑える会話。拘りの音声。 (2)「姉」というコンセプトの徹底。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― レビューデータベースに戻る |